秋山登山装備表(高山9、10月 低山10月、11月)

装備名 選定のポイント 日帰り 小屋泊 テント泊
登山靴 高山は、10月になると雪のある可能性が高くなってきます。高山に行く時は、本格的な革製の登山靴をできるだけ使用しましょう。低山は、軽登山靴でもOKです。
上着 9月になると高山は、もう完全に秋と思って間違いありません。朝晩の冷え込みもかなりのものになります。平地が暑くても、半袖は避け、長袖にしましょう。ズボンも当然ですが、長ズボンにしましょう。素材は、やはり上下とも化繊、または毛がお勧めです。また、着替えも1組持ちましょう。着替えは濡らさないように、必ずビニールの袋に入れておきましょう。
下着 この季節は、天気によって大きな差があります。もしもの場合の悪天にも備えられるような、保温性にもすぐれた素材を選びましょう。素材は、ポリエステル系の化繊が良いと思います。プレスサーモ等がお勧めです。着替えも忘れずに。着替えは、ビニールの袋に入れておきましょう。
靴下 靴下は、靴の大きさに合わせて、枚数を調整して履きましょう。素材は、毛か化繊(パイルなど)が良いでしょう。予備も1枚から2枚持って行きましょう。予備はビニールの袋に入れておきましょう。
帽子 紫外線を防ぐため、できるだけ帽子をかぶりましょう。つばのあるものは、雨の日に雨が顔に当たるのを防ぐ効果があります。
サングラス 紫外線を防ぐために、できれば持って行きましょう。できれば、サングラスと顔の隙間が小さいものを選びましょう。また、色の薄いものの方が、まぶしさで瞳孔が閉じるため瞳孔に入る紫外線の量が少なく、白内障の予防に良いそうです。
防寒着 この季節は冷え込みが厳しく、寒気の襲来があると雪になることもあります。フリースかセーターを必ず1枚は持っていきましょう。ザックにしまう時は、ビニールの袋に入れて持ちましょう。
スパッツ 靴に小石が入ったり、泥が入るのを防ぐのに便利です。
ザック 日帰りであれば、20L~30L、小屋泊まりであれば40L程度、テント泊まりであれば60L以上のザックが必要だと思います。機能性を追求したものからシンプルなものまで多種多様ですが、背負った感じでしっくりいくものを選択しましょう。
雨具 どんなに天気の良い日でも、雨が降る可能性はあります。雨具は必ず持って行きましょう。形は、上下に分かれたセパレートタイプにしましょう。ポンチョや傘だと、強風で役にたたない場合があります。素材は、できれば通気性と防水性を兼ね備えたゴアテックスがベストです。ただ、費用のこともありますから、ナイロン製の雨具でも可能です。ただし、防水性がなくなるのが非常に早いです。ゴム製などは、防水性は良いですが、蒸れて不快な状態になる可能性があります。(これも個人差があります)
水筒 必要な水の量は非常に個人差があります。発汗の多さによって違いますので、発汗の多い人は多め(2~3リットル程度)に持って行きましょう。標準的には、1リットル程度あれば十分と思います。コースの途中に水場があるかないかによっても、変わりますが、この季節は水場が枯れていることもあるので、あまり頼らず下から持って行きましょう。アルミ製やポリタン、袋状のものなどありますが、ペットボトルでも大丈夫でしょう。
ヘッドランプ どんな日帰り山行でも、遅れたり、動けなくなったりして、夜になってしまう可能性があります。自然の中ですから、夜になると真っ暗で何も見えません。ヘッドランプは、どんな山行にも必ず持参しましょう。今は、LEDタイプのものが出て、非常に軽くなりました。ザックにしまう時は、ビニールの袋に入れて、壊れないようにパッキングしましょう。
地図 1/25,000地形図をできるだけ持って行きましょう。ただし、雨が降ると濡れて使い物にならなくなるため、濡らさない工夫をしたり、もしもの時のために、濡れても大丈夫な昭文社などが発行している地図を持って行くと良いでしょう。ただし、この地図では詳しい等高線や地形を把握するのは無理ですから、1/25,000地形図を持参することを心がけましょう。また、地図の読み方を日頃から本などを読んで勉強しておくと共に、山に入ったら、常に地図を開いて、自分の今いる位置を確認する習慣を付けましょう。
コンパス(方位磁石) 地図とコンパスはワンセットで準備しておきましょう。地図をよく見るためには、コンパスが必携です。
レスキューシート もしも、山で動けなくなったりしたときのために、レスキューシートかツェルトを持ちましょう。ただし、ツェルトは、山仲間アルプの山行時は、リーダーが持って行きますので、個人用としてレスキューシートをお勧めします。レスキューシートは、薄い銀紙でできた袋のようなもので、登山用品店に売っています。一度開くと、小さく折り畳めないため、使用が難しくなります。非常時まで開けずに、そのまま持って行きましょう。
ローソクとマッチ これも、もしもの時のために、持って行きましょう。マッチはライターでもOKですが、どちらも濡れないように、必ずビニール袋に入れて持ちましょう。
非常食 山で道に迷ったり、怪我をして動けなくなった時のために、必ず非常食を持参しましょう。非常食は、コンパクトでカロリーの豊富な食べ物にすると良いでしょう。具体的には、カロリーメイト(喉が渇くと食べられない人が多いので、水も必要になります)やチョコレート、コンデンスミルク、蜂蜜などが良いと思います。自分の嗜好も考慮して、カロリーの豊富なものを選びましょう
行動食 登山の行動中に食べるものです。昼食は、食べやすく腹持ちの良いものを選びましょう。入手の困難性もありますが、パンやおにぎりが一般的です。行動中の食事は、できるだけ1回に多く食べるのではなく、2時間置きくらいにこまめに食べる方が効率的です。空腹になると動けなくなりますし、急に満腹になると、体が重く、だるくなります。休憩の時間を利用して、こまめに何か食べましょう。昼食以外の行動中の食料としては、豆菓子(ザックに入れてもつぶれないことやカロリーが高いことが良い)、ゼリー、果物、チョコレート、せんべい、クッキー、ソーセージ、かりんとう、甘納豆などなど。
ストック 足腰の弱い人、足腰をカバーしたい人は、ダブルストックがお勧めです。しかし、視覚障害者の方は、ザックの紐に掴まるため、シングルでなければ歩けません。また、ストックが外れたら転落してしまうような岩場では、使用を避け、岩に手で掴まって歩きましょう。
手袋 この季節になると明け方などは特に冷えます。手がかじかんで思い通りに動かないこともありますので、手袋を持参しましょう。この季節であれば、薄手の毛かフリースが良いと思います。綿の軍手などでも大丈夫ですが、みぞれ混じりの天気が予想される時は、綿はやめましょう。
コップ 行動中にコーヒーを飲んだり、宿泊場所でアルコールを飲んだり、あるとなかなか便利です。
タオル 汗を拭いたり、山から下りての温泉など、いろいろと使い道があります。テントの中で、調理する場合、熱くなったコッヘルの取っ手を持つ時にも重宝します。
五徳ナイフ(ナイフ) 調理用にあると便利です。最低限ナイフだけでもあると便利です。調理用以外にも、いろんな使い道があるので、ザックに一つ忍ばしておくと良いでしょう。
コンロ EPI、プリムスなどに代表されるガスコンロが主流です。できるだけ軽くコンパクトなものを選んだ方が良いです。バーナーが大きいほど火力が強く、調理が早くできます。ただし、ガスの消耗も大きい。他に、ホワイトガソリンを使用するコンロ(ホエーブス)や、灯油を使用するコンロもあります。なお、ガスコンロであれば、1台で2~3人分の使用を目安にしましょう。
燃料 コンロの種類やメーカーに合った燃料を選びましょう。ガスについては、氷点下10℃くらいまで使える寒冷地仕様のものを選びましょう。
コッヘル 軽量で丈夫なチタン製のコッヘルもありますが、予算と山行人数に応じて選択します。しかし、大きさには限りもあり、大きすぎるものはパッキングにも苦労します。人数が多い時は、何人かに分けて持参しましょう。
テント 何人用のテントにするか検討して購入します。普通、2~3人用などと幅を持たせていますが、この場合3人で使用した時は、かなり窮屈ですから、ツェルトなどを持参し、装備はツェルトに入れて、テント内を広く使うようにしましょう。土や草原のような地面の場合は、ペグが必要ですが、高山の稜線などの岩の多いところは、石を利用して張り綱を張りましょう。(軽量化も図れます) また、素材は、ゴアテックスがベストですが、通常のナイロン製でも問題ありません。ただし、ゴアテックスの場合は、フライシートを使わなくても、防水性を維持できますので、軽量化を図れます。テントを張る時は、テント本体とフライシートがくっつかないように、空間を作りましょう。くっついてしまうと、防水性がなくなり、テントの内部に雨が入ってきます。
テントマット テントの床面に薄手の銀マットを敷くと、クッションになって地面のでこぼこを多少吸収してくれます。銀マットは、銀の部分を上にするか下にするか、それぞれの考えがあるようですが、下にした場合は滑りにくく、上にした場合はお汁などをこぼしても、染み込まないという利点があるように思います。テントの大きさに合わせたものを用意しましょう。
食器 金属製のものやプラスチック製のものなどがありますが、金属製のものは直接火にかけられるため、便利です。また、箸やスプーン(山用語ではブキといいます)なども忘れずに準備しましょう。
シュラフ スリーシーズン用では、そろそろ寒く感じる季節です。10月の高山では、冬用を使用した方が無難です。素材は、できるだけ、軽くて保温性の高い羽毛にしましょう。体力と寒さに自信のある方は、化学繊維のものでも大丈夫だと思います。
個人用マット テントマットだけでは薄いため、シュラフの下に敷く個人用のマットを準備すると、横になった時の背の痛みを抑えられます。厚めの銀マット、ゴム引きのエアーマット、風呂場に敷くマットのようなものなど、いろんなものがありますが、重量を考慮しながら好みに応じて選択しても良いでしょう。
食料(朝食、夕食) 高価ですが、フリーズドライ食品はかさばらず重さも軽く、保存期間も非常に長いため、お勧めです。1泊程度の登山でしたら、レトルトの食品を準備したり、生ものを準備しても大丈夫でしょう。ただし、腐敗するものについては、保存期間を考慮して保冷するなど対策を講じる必要があります。
洗濯ばさみ テント泊の場合など、お湯を注ぐだけで食べられるフリーズドライ食品の、袋の口を押さえるのにあると便利です。