針ノ木岳・蓮華岳山行報告
NO.
日付
山名
参加者
会員 障害者(視障)
6名
健常者
5名
1
平成15年7月19日〜21日 針ノ木岳・蓮華岳 合計15名 会員外 障害者
2名
健常者
2名
  コースタイム:7/19 扇沢(12:40)…大沢小屋(15:30)
         7/20 大沢小屋(6:00)…雪渓入り口(6:55,7:05)…針ノ木小屋
             (12:05,13:15)…針ノ木岳(14:40,14:55)…針ノ木小屋(16:15)
         7/21 針ノ木小屋(6:20)…蓮華岳(8:40,8:50)…針ノ木小屋
             (9:45,10:30)…雪渓入り口(12:45,13:05)…大沢小屋
             (14:00,14:20) …扇沢(16:10)
天候:7/19曇り、7/20晴れ後雨、7/21雨後晴れ

 天気予報は、この3連休はあまり良くなかったのですが、最後の月曜日に晴れることを期待して、針ノ木岳と蓮華岳への山行を実施しました。
 臨時のあずさに乗車して、信濃大町で岐阜から来るNIさん、そして車で来たNAと合流して、バスで扇沢に入ります。扇沢で昼食を取り、曇り空の下を、大沢小屋を目指して登っていきます。
 沢を何度か渡っていくと、ようやく大沢小屋に到着しました。大沢小屋のご主人は、視覚障害者が多い我々のパーティーを心配していろいろ言ってくださいます。私は、危険を感じたら、決して無理をせず、引き返しますからと言って、テント場の方に移動する。今回は、小屋の混雑がいやだと言う人などで、4名がテントにした。

 次の日、朝起きると曇り空だが、薄日も差している。小屋に泊まった人たちと合流して、登山道を登っていく。対岸にかなり大きな雪渓が見えてくるころ、針ノ木雪渓に飛び出した。上を見ると、かなり急に見える。近くには、シラネアオイやオオバキスミレが咲いていた。
 ここでみなさんにアイゼンを付けてもらい、雪渓を登りはじめる。もう少し、夏道を登ってから雪渓に出るのが本来のルートだが、視覚障害者の人たちには、雪渓の方が歩きやすいので、クレバスなどに注意しながら登っていく。
 単調な雪渓を、視覚障害者の人に足場を教えながら、ゆっくり登っていく。天気は、非常に良くなってきた。サングラスを持ってこなかったので、目を細めて歩くことにする。振り向くと、爺ヶ岳が優しそうな山容で佇んでいる。青空が広がり気持ちの良い登りだ。しかし、雪渓は、次第に傾斜を増してくる。

 2,200m付近から雪渓が狭まり、喉と言われるところを通過する。ここから上の雪渓は、今まで以上に急峻だ。力のある人たちは、先に登り、夏道の出ているところで待っている。こちらは、疲れが出てきた人たちと、ゆっくり登っていく。雪渓の切れた斜面には、ショウジョウバカマが咲いている。
 夏道に出ても、そのまま雪渓を登り、12時頃、ようやく針ノ木小屋に到着。晴れていた空は、このころにはどんよりとした雲に包まれていた。小屋の受付をすませ、テントを設営して、疲れた人たちには小屋で待っていてもらい、元気の良いメンバーで針ノ木岳に向かう。

 ここからは、高山植物が豊富だ。ウサギギクやヨツバシオガマ、キバナノコマノツメなどを見つけながら登っていくが、途中で雨が降りだした。山頂から下ってくるパーティーと行き交いながら登っていくと、行く手に雪渓をトラバースするところが出てきた。下りのことが心配だが、ロープを使って下ることにして、登っていく。
 山頂に着いたが、視界が聞かず、黒部湖などが見えなかった。それでも、山頂には、ミヤマオダマキなどが咲いていて、写真撮影を楽しませてもらった。記念写真を撮ってから、下りにかかる。問題の雪渓は、気休めの面があるが、ロープで確保して下る。ただ、今回持ってきたものは、短いため、途中でピッチを切ることになった。かなり厳しかったが、何とか全員雪渓を通過した。針ノ木小屋に着いて、今日の登山に乾杯し、テント組はテントに戻って、ゆっくり休む。

 夜半には、何度かかなり強い雨が降っていた。朝になっても上がることはなかったが、蓮華岳に登りたいという人がいたので、5人で蓮華岳を往復することにする。こちらは、針ノ木岳より花の種類が少ないが、何と言ってもコマクサの大群落が素晴らしい。白花のコマクサも咲いていた。山頂付近では、がれきの斜面が、うっすらとピンク色に色づいて見えるくらい、一面に広がっていた。
 山頂では、雨も降っていたが、霧の晴れ間から、剣岳や鹿島槍ヶ岳、そして烏帽子岳などが見えました。

 針ノ木小屋に戻り、残っていた人たちと合流し、下りの準備をします。今回持ってきたロープを使い、シュリンゲとカラビナを使って、全員がロープにつながって下ることにします。下りは、夏道から雪渓に入ることにします。雪渓は、急でしたが、誰もスリップすることなく、順調に下っていくことができました。喉の部分を過ぎると、傾斜も落ちて、ホッと一息です。しかし、神経を使った視覚障害者の人は、かなり疲れたようで、下るスピードが落ちてきました。
 ようやく雪渓の終了点でアイゼンを外し、夏道に入っていきます。大沢小屋のご主人に無事に帰ってきたことを報告し、扇沢を目指します。扇沢には、最終のバスに何とか間に合うことができ、車中の人となりました。

記:網干

2003年度活動報告(山行)に戻る