甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)東沢釜ノ沢山行報告
NO.
日付
山名
参加者
会員 障害者(視障)
0名
健常者
1名
1
平成15年10月25日〜25日 甲武信ヶ岳(釜ノ沢) 合計 3名 会員外 障害者
0名
健常者
1名
 

コースタイム:10/25 西沢渓谷入り口(9:40)…東沢河原(10:20,10:40)…
              山の神(12:10,12:35)…釜ノ沢出合(14:50)
         10/26 釜ノ沢出合(6:00)…両門の滝(7:30,7:45)…6m滝上(8:35)…
              水師沢出合の10m滝下(10:00,10:10)…甲武信小屋水庭
              (12:15,12:50)…甲武信小屋(13:05,13:35)…木賊山(13:55)…
              1869m(15:20,15:30)…西沢渓谷入り口(17:20)

天候:
10/25 曇り
10/26 快晴

★10月25日(土)
 塩山からタクシーを飛ばして西沢渓谷入り口に入る。この週末は、西沢渓谷周辺が紅葉のピークなのだろう、大勢の観光客が西沢渓谷への林道を歩いている。私たちは、吊り橋を渡ったところで、入山禁止の看板の脇を通って東沢に入る。
 渓流シューズのフェルトが減るのがもったいないので、しばらくは登山靴で行こうと思ったが、登山道になるまで渡渉が何度かありそうなので、渓流シューズに履き替える。

 沢登りが今回が2度目のYさんは、石がごろごろした川の中を歩くのが、少し苦手そうだ。だが、無理に飛び石づたいに歩かないで、沢の中にしっかりと足をつけて歩いている。
 沢から古い登山道に入り、山ノ神を目指す。アップダウンのある登山道を時々河原に下りたりしながら進んでいくと、ようやく山ノ神に到着。大きな石の陰で、昼食にする。

 ここから沢通しに登っていく。どれも手強そうながらも美しい乙女ノ沢、東のナメ沢、西のナメ沢を通り過ぎる。岩に映える紅葉はどこまでも美しい。今日は曇り空だが、バックが青空だったら、一層美しかったことだろう。

 ただ、今日中に行く予定だったヤゲンの滝の上までは、時間的にかなり難しくなってきた。釜ノ沢出合に14時30分ころ着けば行こうと思っていたが、着いたのは14時50分。判断に迷ったが、みなさん疲れもでているようなので、ここで泊まることにする。

 沢の対岸を見ると誰かが何か作業をしている。何か仕事をしているのかなと思ったら、その人は東沢に入ったばかりの河原で会った3人組の中年の男性たちだった。作業をしていたのは、薪拾いだった。どこにテントを張ったのかと様子を見に行ったら、これからたき火をするので、良かったら一緒にやらないかと言ってくださる。これは楽しい宴会ができるなと思い、テントはさっと張って、食料や飲み物を持って、彼らのところへ行く。たき火を囲みながら、楽しい山の話をしているうちに、夜のとばりが下りはじめてきた。明日のために、今日は19時前にシュラフに潜り込んだ。

★10月26日(日)
 朝は4時30分に起き、朝食を済ませて、6時に出発。昨日の男性3人に挨拶をして、先に出発する。

 まず現れる魚留滝(うおどめのたき)は、左側の壁に立てかけてある薪に使ったような丸太を利用して登る。その上の岩を登るが、安全を期してロープで確保して登る。
 魚留滝を過ぎると、この沢で最も美しい千畳のナメが広がる。その上の4段ナメは、左側を巻いて通過するが、一カ所、足場らしい足場のない箇所があり、ここもロープで確保して通過。沢に戻るところも、ロープにぶら下がって下りた。

 さらにしばらく行くと、今度は曲り滝6mが待っていた。ここは右側の巻き道を登って通過。
 さらに行くと、いよいよこの沢で最も大きな両門(りょうもん)の滝に到着。これから行く東俣と西俣の双方から流れ落ちる滝が美しい。ここで休憩していると、昨夜たき火をした3人の男性が登ってきた。たき火をした周囲にNさんの忘れ物があったそうで、持ってきてもらったが、出てこないため、あとで出てきたらもらうことにする。

 彼らが先に登っていく。滝の右側から登っていくが、落ち口へのトラバースをせず、そのまま上に登っていったので、我々もそうすることにする。かなり滝の上まで来たところで、滝の上部方向へトラバースし、ガレていたところを下って、滝の上に下り立った。

 続いて現れるヤゲンの滝は、右側のカンテ上のところをブッシュを掴みながら超える。次の6m滝を右側を巻いて滝の上に降り立つ。ここから、しばらくは広河原(ひろがわら)の、河原を歩く。昨日ここまで来て、テントに泊まっていた単独の人と会話を交わす。この方とは、戸渡尾根(とわたりおね)の1869mまで前後しながら行くことになる。

 広河原で少しペースをあげたため、みなさん疲れがでてきたようだ。水師沢手前の10m滝の下に着くと、3人組がザイルを使って10m滝を越えていくのが見えた。
 我々も、ロープを付けて滝の右側のフェースを登っていく。岩登り経験の少ないYさんも順調に登る。

 次ぎに現れたのは、最後の滝、木賊沢(とくさざわ)出合(であい)の10m滝だ。滝の右側は少し難しそうに見えたので、もっと右側を高巻いて行こうとするが、足場が悪く、かなり高くまで登らないとならないため、戻って滝の横をロープを使って登る。ここは、ちょっとした岩登りの雰囲気が味わえるところだ。後続の二人とも、順調に登ってきた。

 ここからは、沢の右手に付けられた踏み後を登り、沢沿いに登っていく。途中で3人組が、昼食タイムを取り、休憩していた。ここで休もうかという意見も出たが、もうすぐそこに甲武信小屋(こぶしごや)の水場が見えているので、頑張ってそのまま登ることにする。水場で沢靴を登山靴に履き替え、昼食にする。ここで水を補給して、甲武信小屋を目指す。ようやく展望も良くなり、国師ヶ岳(こくしがたけ)や金峰山(きんぷさん)が見え始めた。ただ、この付近の紅葉はすでに終わっていた。

 甲武信小屋で休んでいた3人組の、「コーヒーがうまいよ」という言葉に負け、小屋のコーヒーを注文した。本格的なコーヒーで、疲れた体にしみいるようにおいしく感じた。
 3人組を見送り、小屋の親父さんに挨拶をして、木賊山(とくさやま)を越え、戸渡尾根を下る。木賊山の登りでは、後に甲武信ヶ岳の三角錐が高く聳え、その右には2週間前に見た三宝山(さんぽうざん)がたおやかな山稜を見せていた。

 急な戸渡尾根は、またシャクナゲの群生地でもある。次々現れるシャクナゲを、咲いているつもりで歓びながら下る。1869mのピークでは、単独の方が休んでいた。彼に挨拶をして、徳ちゃん新道のやせ尾根を下る。さすがに1300mの下りはきつい。しかし、カラマツやカエデなどの紅葉が楽しませてくれる。
 ようやく林道に下り立ち、西沢渓谷入り口のバス停を目指す。暗くなりはじめたバス停には、数人の人が並んでいた。なんとか最終バスに間に合い、西沢渓谷入り口をあとにする。バスの中は、顰蹙を買うほど、同行のお二人はにぎやかだった。

記:網干

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