至仏山山行報告
NO.
日付
山名
参加者
会員 障害者(視障)
5名
健常者
12名
1
平成17年10月8日〜9日 至仏山 合計 18名 会員外 障害者
0名
健常者
1名
  コースタイム:10/8 鳩待峠(12:30)…山の鼻(14:00,14:10)…竜宮小屋(15:50)泊
         10/9 竜宮小屋(5:50)…山の鼻(7:20,7:40)…至仏山(12:20,12:35)…
             小至仏山(13:50,14:10)…笠ヶ岳への分岐(14:50)…鳩待峠(16:10)
天候:
10/8 雨後曇り
10/9 曇り後霧雨

★10月8日
 沼田からのバスは超満員で乗れない人もいたため、臨時バスが出ることになった。座れない人も何人かいたが、戸倉まで行き、小さなバスに乗り換える。登ってくると、周囲が紅葉で美しくなってくる。電車の中では青空も見えていたが、鳩待峠に降り立つと、すぐに雨が降り出した。雨の中での昼食も困るので、ここで昼食を取ることにする。

 車で来て、私たちと同じバスに乗れなかったHさんも合流し、歩き始める。木道が滑りやすく、何人か滑って転んでしまった。天気は良くないが、紅葉はなかなかきれいだった。ウルシやツタウルシ、ツツジなどの葉が真っ赤に色づいている。
 雨もいつしか止み、美しく紅葉した至仏山の山腹も見えてきた。橋を渡って少し行くと、山の鼻に到着する。ここで、トイレを済ませ、尾瀬ヶ原の木道歩きとなる。どんよりと曇っているが、草紅葉が美しい。しばらく歩くと、浮島の点在する池塘群となった。水草は、オゼコウホネだろうかうっすら紅葉して美しい。山腹との境目には、紅葉の始まった白樺が並び、白い幹がきれいなコントラストを作っている。足下には、まだエゾリンドウが咲いていた。

 牛首を過ぎると、その先には、どこまでも広い尾瀬ヶ原が広がっていた。東電小屋への分岐となる三叉路で休憩し、どこまでも続いてそうな木道を歩く。湿原の中を川が流れ、ダケカンバが3本くらい固まって咲き、味わいのある風景が続く。先を見ると、樹林の中に竜宮小屋が見えてきた。

 受付を済ませ、部屋に上がり、風呂も楽しませてもらった。食事の後は、食堂でそのまま尾瀬のビデオを楽しんだ。

★10月9日
 夜半に外に出てみると、雨が降っていた。明け方まで、小屋の屋根から水滴が落ちる音が続き心配したが、起床時間の5時には止んでいた。昨晩作っておいてもらった弁当を食べてから出発する。

 どんよりとたれ込めた雲の下を、昨晩の「晴れのち曇り」という予報を信じて、きっと晴れるさと言い聞かせて軽やかに歩き始める。写真を撮影する人たちは、日の出が終わったからか、三脚を抱えて戻ってきた。
 草紅葉を楽しみながら、牛首を越え、池塘群の付近に来ると、次第に雲が薄くなり、至仏山の山腹がよく見えてきた。上空にもうっすらと青空が見えてきた。これは期待が持てるぞと、楽しみが膨らむ。
 山の鼻で、夜行できたKさんとMさんと合流し、至仏山への登りにかかる。木でできた急な階段を登る。残念ながら、また雲に包まれ、景色は見えない。滑りやすい木の道を登ると、次第に岩が出てきた。森林限界に達し、登山道は、完全に岩の道となった。ここの岩は、濡れるととにかく滑りやすい。しかも泥が付いて、つるつるだ。
 みんなで苦労して、何とか乗り越えていく。途中で、Nさんの足がつったが、Tさんのマッサージなどで快復し、さらに登り続ける。途中で霧が晴れ、視界が開けてきた。周囲の斜面の紅葉が美しく、景鶴山(けいづるさん)方面も一部見えてきた。さらに目を凝らしていると、尾瀬ヶ原の池塘も雲の切れ目から見えてきた。周囲で歓声が上がる。遮るものが何もなくすべて見える尾瀬ヶ原も良いが、雲の切れ目からわずかに見える尾瀬ヶ原も、貴重なものを見たようで、心に残るように思う。
 ようやく高天ヶ原に到着し、ベンチに座ってお昼にする。ここからは、緩やかな登りで、ほどなく山頂に到着した。残念ながら、雲に包まれて、何も見えなかったが、山頂標識の前で記念写真を撮って、登頂を喜び合う。ただ、時間的にかなりオーバーしているため、ゆっくりはできない。夜行できて、こんばんは竜宮小屋に泊まるというMさんを見送り、本隊も早々に山頂を後にする。

 ここからも、滑りやすい岩場が連続するため、慎重にサポートしながら進む。小至仏山を過ぎたところで休憩し、さらに続く岩場を慎重に下る。ようやく岩場が終わった頃、笠ヶ岳方面への分岐を過ぎ、さらに水場を見送って良いペースで下り始める。鳩待峠まであと2km、1kmという案内板に元気づけられ、緩やかな道を下っていくと、鳩待峠に到着した。次々に運んでくれる乗り合いタクシーに乗車し、そのまま戸倉を過ぎて、沼田まで走ってもらった。
 予定より2時間くらいオーバーしたが、全員無事に登頂し、そして下りてくることができました。頑張ってくれた視覚障害者のみなさん、そして苦労してサポートしてくださったみなさん、ありがとうございました。

記:網干

2005年度活動報告(山行)に戻る