日和田山個人山行報告
NO.
日付
山名
参加者
会員 障害者
1名
健常者
0名
1
平成21年2月15日 日和田山 合計 1名 会員外
(賛助員含む)
障害者
0名
健常者
0名
  コースタイム:高麗駅(9:10)…日和田山(9:43)…高麗駅(10:42)…日和田山(11:20)
         …高麗駅(12:30)
天候:
晴れ

弱視・栗谷川・夢の単独行への第一歩

 朝から天気は良いが、ウェザーニューズの予報通り、空を見上げれば黄砂で青空に、筋が入ったように見える。

 高麗駅についてトイレをすませ、しっかり体操をする。12月に右足首外側の靭帯を切ってしまったので、ここは慎重に、そして、靴紐をしっかりしめる。
 今日は、生まれて初めての単独登山である。手の骨折なら、我慢して下りてくればいいが、足が折れては人の助けを借りるようになってしまうので、気を引き締める。

 駅には年配のハイキング集団が、体操や、準備をしていた。彼らに、先に行ってもらって、後からゆっくり行こうと思ったが、なかなか出発しないので、こちらが先に行くことにした。
 皆さん、駅から登山道までは省略しますが、私の場合は駅から一歩歩いたら、登山は、始まってます。途中大通りで、山の格好した人たちが、道に迷っていたようで、引き返してきて、今度は私の後ろを歩いてくる。
 今までは、何も考えず、前を歩く人の、足元を見て歩いてましたが、後ろから来られると言うのは、すごいプレッシャーを感じます。道を間違えたら、かっこ悪いですから〜

 いよいよ駐車場のとこから、登山口に入ります。後続部隊は、付いて来ません。おそらく、手前の階段を上ったのでしょう。今回は単独登山の技術向上を、試す目的で来てるので、人の後をくっついて歩かない事を心がけました。
 道なりに行き、鳥井を潜り、分岐を左に男坂を登ります。わずかに下って、小さな沢の音を聞きながら木の橋を渡り、いよいよここから岩登りです。

 ストックも使い、軽やかに登って行く。すると、後ろから、一人登ってくる。このプレッシャーに、負けまいと、ペースを上げる。わざと直登して、引き離そうとしても、付いてくる。抜かれるのが悔しいので、ドンドンペースを上げる。気持ちが先立って、早く登ろうとすると、険しいルートを選んでしまう。
 途中少し立ち止まって、三点支持を思い出し、進むと目指す鳥居が見えてきて、ここには誰の姿も見えず、トップで登って来た喜びに浸り、丸太の椅子に腰掛け水を飲む。ここは、巾着田の見える、展望の良い場所だが、黄砂で富士山は見えない。

 しばしの休憩の後、山頂を目指す。神社を右にまいて、このあたりがいつも、やや分かり難いが、滑りそうな岩を超えて、山頂への分岐を見つけ、無事に山頂へ到達しました。
 9時10分に登り初めて、9時43分に山頂到達です。一番だと思ってたら、10人ほどがいました。山頂は、北側の展望が開けているが、黄砂と私の目では、良く見えないので、下りる事にする。
 下りは苦手なので、特に慎重に滑らないよう、神社の屋根を目印に下る。特に下りは、私の場合、全神経を集中して下りていますので、今回は一人ですが、話をしながら下りるなんて言う芸当は、ほとんど出来ません。会山行でも、下りは無口です。

 そして巾着田の見える展望の良い、鳥居のとこまで下りて休憩。10時なので、まだお昼には早いので、水を飲む。ここは、南側がひらけているので、空気が澄んでいて天気が良ければ右側に、もり塩をしたような富士山が、見えるはずだ。またまた富士山を確認するが見えない。するとパラグライダーが2機、飛行しているのでしばらく見学することにした。今度チャレンジしてみたいものです。
 そして、女坂を下ります。登り優先を、思い出し道を譲る。ここは、ちょっと分かり難いところがありますが、道なりに行けば問題無く、男坂、女坂分岐の鳥居を確認して無事下山しました。

 ペースを上げすぎたので、しばしの疲労を感じたので「今日は、もう帰ろうか」と、駅まで戻り、用をすませ、顔や手を洗って、スッキリして、時間を見たらまだ10時42分。帰るのはもったいないし、お昼を食べるために、もう一度同じコースを登る事にしました。

 幼稚園の集団が、駅を出発して10分、こちらも歩を進めることにする。今度は、直前の反省から、ペースを抑えて男坂を、ゆっくりと登る。後ろから、親子二人連れ、父と娘の声が、微笑ましい。私のトレースを、付いてくるようで、なんだか彼らを先導しているような気持ちになってきた。
 朝登った時は、意地を張って飛ばしてしまったが、今度は、後続の親子のために、登り易いルートを選ぶよう、心がけてみた。朝より大分楽に巾着田の見える鳥居に着いた。プチ休憩して、山頂へ。巾着田の見える鳥居に下りたら、早速昼食11時27分。富士山は、やはり見えないが、おにぎりと青汁で一人乾杯、満足感に浸った。

 何人かの登山者とすれ違い、挨拶を交わす余裕も出てきた。そして女坂を下り、無事予定通り下山した。もともと2回登るよう、計画してたのである。
 駅へ向かう途中、農家の人の販売所があったが、小心者の私は素通りしてきました。こういう所は、女性人は立ち止まって見るでしょうね、なんて考えると、あらためて一人で着た事を実感します。
 こんなに真剣に山に登れて、充実感、達成感でいっぱいです。いつも楽しく、笑いながら登山出来るのは、サポートして下さる方や会員の皆さんのおかげだと改めて実感した一日でした。

 弱視の単独登山には、反対の向きもあると思いますが、今度の山行が無事成功したことで、日和田山のこのコースに関しては、自信がつきました。そして、地図が見えなくても、地形を憶えて山に登ることも、事によっては可能だと、分かりました。先週連れて行っていただいたAさん、ありがとうございました。
 いつの日か、リーダーをやってみたいなどと、また新たな夢が膨らむ一日でした。

記:栗谷川

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