硫黄岳山行報告
NO.
日付
山名
参加者
会員 障害者
0名
健常者
9名
1
平成21年2月21日〜22日 硫黄岳 合計 9名 会員外
(賛助員含む)
障害者
0名
健常者
0名
  コースタイム:
2/21 本沢温泉への分岐(11:30)…1,520m付近(12:00-12:20 昼食後雪上車に乗車)
    …ゲート(13:15)…本沢温泉(15:20)
2/22 本沢温泉(7:15)…夏沢峠(9:10-9:25)…硫黄岳(11:20-11:40)…
    赤岳鉱泉(13:05-13:20)…美濃戸(14:50-15:00)…美濃戸口(15:40)
天候:
2/21 快晴、
2/22 快晴
   後曇り

★2月21日
 今日は、朝からとても良い天気だ。この天気も明日の後半くらいまでは持ちそうだ。

 松原湖駅で電車を降り、ジャンボタクシーで稲子湯手前の本沢温泉に向かう林道のところまで入る。雪上車は、先に別なパーティーをゲートまで運び、引き返してくれるので、こちらは行けるところまで歩いて行くことにする。

 30分ほど歩いたところでお昼にする。昼食後歩き始めたらすぐに、雪上車の音がしたので、広いところで待つことにする。雪上車は私たちがお昼を食べたところでUターンしてきた。前の座席に二人が乗り、後は、後の荷台のようなところに乗る。走りはじめると、いきなりガタンと揺れ、激しい震動が連続する。しっかりと掴まっていないと、ズルズルと後にずれてくる。キャタビラで動く雪上車なので当たり前のことなのだが、非常に厳しい乗り心地を経験した。

 ゲートで雪上車を降り、雪道を歩き始める。尾根の右側をトラバース気味に進み、途中から左側を歩くことになる。木々の間から、目指す硫黄岳が見えたり、左手後には奥秩父方面が見えていた。つららが無数にあるところでは、岩に添ってできあがった氷のモニュメントが美しかった。

 みどり池から来る登山道を右手に見ると、本沢温泉はすぐそこだ。受付を済ませて、広間のこたつで温まる。本沢温泉の中は、暖房が少ないこともなり寒い。小屋の中の温度計で−4℃だった。
 夜、外にでると、満天の星空だったが、ルーリン彗星は山の陰に隠れて見えなかったようだ。
 夕食の後、温泉にも入らず、同室の方たちと山の歌を歌って、早々に床についた。

★2月22日
 朝食は6時30分からなので、事前に全て準備を整えておく。外にでると、気温は−9℃だった。冬山としてはそれほど寒くない。

 朝食後、すぐに出たかったが、人数も多く、少し時間がかかって、予定よりも45分遅れの7時15分に出発する。

 露天風呂への道を分けたところから、トレースは今日、私たちの前に出発したワカンの人のものがあるだけになった。私とHさん、Fさんで交替して先頭を行くことにする。朝日が差し込み、汗ばみながら登る。トレースは地図とは違い、途中で尾根に出る。そこからトラバースして夏沢峠に出ていた。たぶん、地図の道がかなり古いのだろう。

 夏沢峠でアイゼンを付け、私は、風が強うそうに感じたので、Kさんとロープで繋ぎあう。やはり、登るにつれて、強風が吹き荒れてきた。Hさんを先頭にどんどん登っているが、私は、Kさんの状況を見ていて引き返した方が良いと思い始めた。雪も完全なアイスバーンで、ピッケルのピックも刺さりにくいほどの氷だった。
 しかし、強風のため、声は全く届かない。ただ、前を行く7人は、女性陣もみんな力強く登っているようだ。私は、Kさんのサポートに専念する。黒々とした岩を右手に回り込むと、一旦は風も弱まったように感じた。しかし、山頂の近くでは、再び激しい強風が襲ってきた。

 一歩一歩がやっとのKさんを他の方が風よけになってくださったり、腕を組んで登ってくださったりして、念願の山頂に到着した。すでに雲が広がりはじめていたが、横岳、赤岳、阿弥陀岳のいつもの展望が広がる。強風と帰りの時間が気になるため、少し腹に入れて、下山にかかる。

 山頂からは、みんな左側に行く夏道を行ったが、ここは厳しかったようだ。私はKさんと右側を下り、尾根に出たところでみなさんを待つことになった。夏道は、雪がたくさん付き、かなり厳しいルートとなっていた。トラバースよりも上に上がってもらった方が安全と思い、途中から上に上がって、尾根に出てもらった。厳しかったが、ここも全員クリアし、あとは快適な尾根の下りだ。風もおさまり、大展望を楽しみながら下る。

 過去に雪崩事故のあった赤岩ノ頭からの下りは、急な雪の斜面となる。しかし、実際には見た目ほど厳しくはない。ここも順調に下り、樹林帯に入ったところで、小休止とする。
 樹林帯の中では、時折シリセードを交えながら快適に下っていく。赤岳鉱泉に着くと、アイスクライミング用の氷のモニュメントを、スタッフのみなさんだろうか、手入れをしているようだった。赤岳鉱泉の外の温度計は、0℃だった。

 ここから順調に下れば、最終バスに間に合うので、早々に下山することにする。途中、何度も凍り付いたところがあったが、全員無事に林道に出た。しかし、この林道がくせ者で、しっかりと凍り付いている。それでも、美濃戸に着くと、先に行ってもらったHさんたちが、コーヒーを沸かしてくださっていた。おいしいコーヒーに体が温まり、先を急ぐ。ここから先も何カ所か凍っていたが、氷が溶けて地肌が出ているところもあり、温暖化の影響が心配になった。

 美濃戸口に着き、八ヶ岳山荘のお風呂にはいるが、男女交互でないと入れないということなので、タクシーで帰ることにして、女性も入ることができた。

 とにかく、厳しい風と凍り付いた登山道だったが、全員無事に登頂し、下山できてホッとしました。みなさまのご協力に感謝です。

記:網干

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