第4回自然と親しむ子ども山登り教室(天狗岳)山行報告
NO.
日付
山名
参加者
会員 障害者
3名
健常者
17名
1
平成22年7月3日〜4日 天狗岳 合計 20名 会員外
(賛助員含む)
障害者
0名
健常者
0名
  コースタイム:
7/3 渋ノ湯(11:45)…パノラマコース合流点(12:45-13:20)…黒百合ヒュッテ(15:00)
7/4 黒百合ヒュッテ(6:10)…中山峠(6:15)…天狗岳(7:55-8:10)…中山峠(9:40-10:00)
   …しらびそ小屋(11:25-12:20)…稲子湯(13:50)
天候:
7/3 曇り後雨、
7/4 霧後曇り一時雨

★7月3日
 梅雨の真っ最中のため、天気が非常に不安定だ。今回も、週間予報では、まあまあだったが、次第に怪しい予報になってきた。しかし、この季節は、行ってみないと分からないことが多いため、予定どおり決行する。

 どんよりとした曇り空の下で、渋ノ湯に着き、ストレッチングと自己紹介をする。このところ、オオルリに良く出会うが、今回も梢でさえずっている。

 まずは、樹林帯の登りとなる。トラバース気味に登った後、次第に急登になる。もうお昼をオーバーしているため、空腹が応える。別動隊は、のんびり歩いているが、先頭のK君は、疲れを知らず、元気に登っていく。4年生の頃に比べると、とても強くなった。

 パノラマコースの尾根に出たところで、昼食タイムとする。高校生くらいのパーティーだろうか?20人くらいの人たちが、私たちと入れ違いに出発していった。

 ここからは傾斜は緩くなるが、上に行くほど、石ゴロの道になる。唐沢鉱泉への分岐を過ぎ、さらに登ると、オサバグサが咲いている。マイヅルソウはもちろん、コイワカガミやミツバオウレン、ゴゼンタチバナなどの花も咲いている。葉緑素を持たないギンリョウソウも咲いていた。もうそろそろヒュッテに着くというところで、クロユリを発見した。後から来る人たちにも伝えようと思ってしばらく待ったが、来ないので、あきらめて小屋に向かった。

 小屋で受付を済ませ、別動隊を待つ。小屋の周囲に鹿除けの網を張るボランティアの人たちが大勢、小屋に入ってきて、歓談を始めた。私たちも、全員揃って、食道で入山祝いとする。子どもたちは、いつものようにトランプを始める。神戸から来てくれたYさんとFさんが、子どもたちと一緒に遊んでくれる。本当にありがたい、メンバーだ。

★7月4日
 夜半、かなりの雨が降ったようで、音がうるさかった。しかし、朝食時間の頃には、ほぼ止んでいたようだ。小屋の前の温度計は、13.5℃を指している。暑い都会とは大きな違いだ。

 6時には、全員外に出て、記念写真を取り、それぞれ体操やストレッチをして、出発する。中山峠から樹林帯を登っていくが、左側は、天狗岳東壁のため、スッパリ切れ落ちている。危険なところではないが、一応注意は必要だ。

 登山道には、昨日同様に、大きな岩がゴロゴロするようになる。歩きにくい道が続くが、ハクサンシャクナゲが咲き、楽しみを与えてくれる。大きな岩場を通過して、風のないところで休憩する。そこからは、一気に山頂まで休まずに登ることにする。

 森林限界を超えた稜線には、多くの高山植物が咲いていた。コケモモ、コイワカガミ、ツガザクラ、ミヤマダイコンソウ、イワウメ、イワヒゲ、ミツバオウレン、ミヤマゼンゴなど、種類も多い。秋にはおいしい実を付けるクロマメノキは、まだ堅い実が付いているだけだった。

 ごつごつした岩の道を登っていくと、天狗の奥庭方面からの道が合流してくる。ここから山頂までは一登り。霧で全く視界がないが、東天狗岳の山頂に到着した。さすがに風が強く、寒いため、集合写真を撮って、すぐに下ることにする。

 下りでも一度休憩を取り、中山峠で別動隊を待ちながら大休止とする。キクイタダキが、すぐ頭の上の木でさえずりながら移動していた。

 中山峠からは、急な斜面を下る。特に、出だしのところが急で、鎖が付いていた。鎖を必要とするほどではないが、滑らないように注意して下る。急斜面をジグザグに下ると、すぐに傾斜は緩くなってくる。キバナノコマノツメが咲いていた。

 今回は、野鳥たちもたくさん見られた。ルリビタキやウソも飛び交っている。クロジの声も聞こえた。毎度のことではあるが、耳も目もフルに使って自然を楽しむ。稲子岳南壁を左に見て、ダケカンバの林を抜ける。平坦になり、トロッコの軌道が出てくると、しらびそ小屋は近い。まずは、みどり池の畔に飛び出す。小雨が降っていたため、小屋に入ってコーヒーを注文して、休憩する。さすがに夏なので餌が豊富なのだろう。リスは来なかった。

 数人のメンバーで、小屋の方に教えていただいたクリンソウの群生地を往復することにする。少し戻って、本沢温泉方面に10分ほど行ったところにあるが、先日の美し森よりもすばらしい群生地だった。思いもしなかった光景に出会えて、何かとても得をした気分で、小屋に戻る。

 別動隊は先に出発したので、本隊も後を追う。コマドリ沢は、コケがところどころに生えて、とてもきれいだ。とにかく、北八つは、コケが美しい。地面はもとより、枯れ木や石にもびっしりと付いている。

 林道を何度か横切り、ゲートから最後の登山道を歩いていくと、稲子湯に飛び出した。稲子湯で汗を流して、さっぱりする。良い時間のバスがないため、タクシーを呼んで、松原湖まで運んでもらう。雨が降ったり止んだりの天気でしたが、全員が山頂に立ち、無事に下山できた充実した山行だったのではないでしょうか?

記:網干

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