奈良倉山山行報告
NO.
日付
山名
参加者
会員 障害者
4名
健常者
9名
1
平成22年5月30日 奈良倉山 合計 13名 会員外
(賛助員含む)
障害者
0名
健常者
0名
  コースタイム:鶴峠(9:50)…奈良倉山(11:20-12:05)…松姫峠(12:50) 天候:
曇り一時雨

 今日は北高型気圧配置の影響を受け、関東地方だけは曇りで雨交じりの天気予報だ。しかし、雨が降ったとしても強い雨にはならず、しとしと降る程度だと判断したので、予定どおり決行した。

 鶴峠に到着すると、霧雨のような状態だった。まずは雨具を付けて登りはじめる。今回は、Iさんが初参加だ。このところ、初参加の方が増えてきて、新鮮な雰囲気の山行が増え、うれしいかぎりだ。

 鶴峠付近は、JTの土地らしく、JTの森のようなものがあり、整備された道を進む。途中から山道となり、次第に急登に変わる。ホトトギスが鳴き、足下には、チゴユリやユキザサ、マムシグサなどが咲いている。雨はほとんど感じず、周囲は霧に包まれている。植林帯の霧は白いだけだが、新緑の雑木林に来ると、霧がうす緑色に色づいたようで「若葉色の霧だ」という声が聞こえる。美しい霧に、歓声が上がる。

 昭文社の地図では、途中で林道を横切ることになっているが、なかなか林道が現れない。これはかなり時間がオーバーしているのではないかと、休憩を取らずに登っていくことにした。足下に、おかしな植物があり、高山植物のオニクに似ているが、ここは高山帯ではないのでおかしいと思い、帰って図鑑で調べたら、ヤマウツボのようだった。

 山腹をトラバースし、滑りやすい急登となる。ここもがんばって登る。傾斜が落ちたところで、Yさんに高度計を確認していただいたら、1,330mくらいとのこと。「それではもう山頂ではないですか。高度が合っていないですね」と話していたら、目の前に開けた場所が出てきて、標識まである。そこに行ってみたら、なんともう頂上だった。

 時間オーバーどころか、予定より40分も早く山頂に着いてしまった。これは儲けものでもあるので、山頂でゆっくりお昼にする。霧に包まれてあいにく展望はないが、足下の草やクモの巣には水滴が無数について、とてもきれいだ。マクロレンズで写真を撮り、できあがりを楽しみにする。また、蕨をいくつか見つけ、今夜のおかずにしたいというKさんのために、みんなで採取する。また、少し林の中にはいると、大きな紫色のスミレや逆に小さな濃い紫色のスミレが咲いていた。帰って図鑑を調べてみたら、小さな方は分からなかったが、大きな方はスミレの女王といわれているサクラスミレなのではないかと思った。

 山頂で記念写真を撮って、下山にかかる。コルリのさえずりがすぐ近くで聞こえる。さらに行くとセンダイムシクイもさえずっていた。

 山頂から少し下ると、すぐに林道に合流する。霧に包まれたこれから向かう方向から、ドラマのように誰かが現れるのではないかというNさんやIさんのロマンを聞きながら、快調に林道を歩く。途中で出会ったウツギは、オオツクバネウツギなのではないかと思う。

 途中、林道の脇にある登山道を少し歩くと、すぐに松姫峠に到着した。峠にはすでに小菅の湯に行く1日1本しかないバスが止まっている。トイレを済ませ、全員バスに乗車する。小菅の湯に着き、次ぎに上野原まで行くバスを待つまでの時間、温泉にゆっくりと入ってくつろぐ。

 幻想的な霧の中で、いろんなことを楽しめた一日でした。

記:網干

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