第5回自然と親しむ子ども山登り教室(雲取山)山行報告
NO.
日付
山名
参加者
会員 障害者
2名
健常者
10名
1
平成23年7月9日〜10日 雲取山 合計 12名 会員外
(賛助員含む)
障害者
0名
健常者
0名
  コースタイム:
7/9 お祭(10:35)…塩沢橋(12:20-12:35)…三条の湯(14:45)
7/10 三条の湯(4:35)…三条ダルミ(7:40-7:50)…雲取山(8:45-9:05)…
    奥多摩小屋(9:40-9:50)…七ッ石山(10:25-10:35)…七ツ石小屋(11:00-11:30)
    …堂所(12:10-12:20)…鴨沢(14:00)
天候:
7/9 曇り後雨、
7/10 快晴後一時雨

★7月9日
 お祭でバスを下車すると、焼けた舗装道路の影響もあり、猛烈な暑さだった。トイレに行った人たちに早く戻ってきてもらって、出発したかったが、トイレは1個しかなく、時間がかかっているようだ。それでも、みんなが戻ってきたら、さっと自己紹介をし、準備運動をして出発する。

 青梅街道から後山林道に入ると、木陰もあり、グッと涼しくなる。上空を見上げると、もくもくと背の高い夏雲が広がっている。夕立の来る前に小屋に着きたいものだ。

 今年なかなか見ることのできなかったオオルリが、木の枝に止まってさえずっている。逆光のため、瑠璃色はほとんど見られなかったが、向きを変えた時に白いおなかを見ることができた。

 さらに林道を登っていくと、きれいなカラスアゲハが舞っている。足下では、背中の黄色いハートがきれいなエサキモンキツノカメムシを見つけることもできた。

 塩沢橋のところで昼食を取り、林道終点には14時過ぎに到着する。ここから沢沿いに登っていく。落ちたら100mくらい下の沢まで転がってしまうため、慎重に歩く。途中で、ポツポツ降り出した雨は、あっという間に本降りになってしまった。雨具を着て、また歩きはじめる。

 しばらくすると、テントが見えてきた。三条の湯はすぐその先だ。受付を済ませ、すぐに温泉に入りにいく。当然、洗剤などは使えないが、汗を流すことができて、最高に気持ちよかった。

 明日の朝は、3時半起床のため、18時に夕食を食べた後は、すぐに床についた。

★7月10日
3時40分頃、起床して、出発準備にかかる。水筒に水を満たし、4時35分に出発する。今日は、長丁場のため、小4のSちゃんが歩き通すことができるか心配だった。

 出発の頃には、すでにヘッドランプは不要だったため、しまって歩きはじめる。滑りやすい木の橋を超え、右側が切れたちょっとした危険地帯を登っていく。子どもたちは順調に登ってくる。水無尾根を回り込む手前では、朝日を浴びた天平(でんでえろ)尾根が見えてきた。今日は、雲一つない最高の天気だ。小6のお兄ちゃん、K君と「今年の山登り教室で一番良い天気だね」といいながら、さらに登っていく。

 通行止めとなっている青岩鍾乳洞への分岐を過ぎ、トラバース気味に登っていくと、見晴の良いところに出る。飛龍山がよく見える。ここで、朝食タイムとする。歩いていると、さすがに暑いが、木陰にはいると気持ちよい。

 水無尾根をトラバース気味に、ぐんぐん登っていく。Sちゃんも、TさんとKさんにサポートされて、しっかりと登っている。

 次第に木々の間から周囲の山が見えるようになってくると、富士山を見つけることができた。くっきりと姿が見えるが、すでに東側には雲がわき始めていた。

 これから向かう先には、雲取山も見えてきた。カケスを見たり、ハルゼミを見たりしながら、斜面をトラバースしていく。何度か桟道を超え、高度を上げていくと、左の尾根の天辺が近づいてきて、三条ダルミに到着する。

 富士山がよく見え、手前には雁ヶ腹摺山が見え、その左には大菩薩嶺が見えている。すばらしい天気だが、すでに富士山の山頂は雲に隠れ始めていた。

 三条ダルミは、3年前に来た時は、非常に多くの虫に来襲されたが、今回はそれほどでもなかった。しかし、ここからの登りには、多くの虫が控えていた。うるさい虫を払いながら、最後の急登をがんばる。ふり返ると、飛龍山の向こうに南アルプスが見えるようになってきた。

 ようやく樹林の切れ間が見え、避難小屋の横に飛び出した。これ以上ない最高の展望が広がっていた。ただ、富士山はすでに雲に隠れて見えなかった。子どもたちは、写真を取り合っている。

 避難小屋に行くと、虫たちが大集合してきた。Sちゃんは、虫が嫌で、涙を流している。虫除けも全く効かない。少し遅れていたメンバーが到着したところで、空身で山頂を往復する。山頂からは、奥秩父の主脈がよく見え、遠くに国師ヶ岳と甲武信ヶ岳が見えていた。北岳や甲斐駒ヶ岳、仙丈岳の南アルプスもよく見えている。また、これから向かう七ッ石山方面もよく見える。今日は、本当にすばらしい天気だ。

 Sさんが持ってきたネットをSちゃんにかぶせてあげると、さすがに顔の付近には虫は来なくなったようだが、帽子が下がって見えにくいなどで、途中でネットを外した。尾根筋は、山頂付近ほど虫が来なくなって、Sちゃんも快調に歩いている。

 この石尾根は、防火帯があって、見晴が良く、気持ちの良い尾根だ。ヘリポートを過ぎ、少し下ったところで、奥多摩小屋に到着。七ッ石山は巻こうと思ったが、最後のピークなので登ろうということになり、ブナ坂から最後の登りをがんばった。この登りは、Sちゃんにとって自身になったのではないだろうか? 二つのピークを登ったと言って、喜んでいた。

 山頂からふり返ると、登ってきた雲取山がよく見える。赤とんぼが無数に飛んでいる。Sさんは、赤とんぼが虫を食べるから、この付近には虫が来ないんだよと子どもたちに教えている。私も、なるほどと納得。

 山頂は日当たりが強く、暑すぎるので、下の水場か七ツ石小屋でお昼を食べることにして、下山にかかる。

 水場の水は、冷たくてとてもおいしかった。水筒の水も全て入れ替えた。水場付近は、座れる場所がないので、七ツ石小屋まで行って、小屋の脇の広場で昼食とした。K君は、雲取山や七ッ石山など石尾根上の山の名前が入ったバッジを小屋で買っていた。

 ここからはぐんぐん下る。途中でマウンテンバイクで登ってきた人たちに会ったり、水筒を落としてしまったと引き返して登ってきた山岳ランナーにも会った。どちらもすごい人たちだ。

 この登り尾根は、コースタイム以上に長く感じる下りだが、みんな順調に下りてきている。左下に林道が見えても、なかなか着かないんだよとK君に言いながら下ってきたが、非常に順調で、今までここを下った中で、最も順調だったのではないだろうか?

 林道に降り立ち、ホント一安心。ただ、この頃からポツポツと雨が降り始めてきた。ただ、すぐに止んで雨具を着ることはなかった。

 先に下りたAさんコンビとMさんは、近道を見落とし、車道をそのまま下っていったようだ。後から出発した私たちが先に、バス停に到着し、着替えなどをしていると、Mさんが車道を歩いてきた。とにかく、全員無事に、しかも順調に下山できて、ホッと一安心でした。みなさまのご協力とがんばった子どもたちに感謝です。

 バス停で待っていると、三条の湯で一緒だった、若い女性3人組が下りてきた。バスの中で、Aさんコンビから名刺を渡していただく。機会があったら、ご一緒できると良いですね。Aさんコンビにさらに感謝です。

記:網干

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