リーダー養成コース(東沢釜の沢)山行報告
実施日 山名 参加者 会員 障害者 0名 健常者 4名
平成24年10月20日~21日 甲武信ヶ岳(東沢釜の沢) 合計 4名 会員外 障害者 0名 健常者 0名
コースタイム:
10/20 西沢渓谷入口(10:10)…東沢出合(10:45)…山の神(12:55)…釜の沢出合(15:00-15:15)…
    両門の滝手前1,550m付近(16:25)
10/21 テント場(5:55)…水師沢(9:30)…水場(11:25-12:15)…甲武信小屋(12:30)…
    甲武信ヶ岳(12:45-12:55)…甲武信小屋(13:05-13:15)…西沢渓谷入口(17:20)
天気:
10/20 曇り一時晴れ
10/21 快晴

★10月20日

 塩山駅に着くと、すでに多くの人がバス停に並んでいた。西沢渓谷行きのバスは増便を出すとのことで、安心する。

 

 西沢渓谷入口でバスを降りると、すぐに出発する。今日は、できるだけ両門の滝近くまで行きたいので、少しでも時間を節約する。

 

 空は、曇り空だが、時折、日も差す天気だ。西沢渓谷に向かう吊り橋を渡って、すぐに東沢に下りる。沢を渡って対岸に行くところで、私以外の3人は、渓流シューズに履き替えていた。私はその間に、下見のために少し先まで行ってみる。ところが、これが間違いで、踏み後をたどっていったら、鶏冠山への沢コースに入ってしまった。すぐに沢を下りて、みんなと合流する。

 

 しばらくは古い登山道を進む。しかし、この登山道は、ところどころ、フィックスループにぶら下がって岩場を下りるようなところがあり、気を抜けない。

 

 予定より少し遅れて山の神に到着する。ここからは、河原歩きとなる。紅葉もこの付近に来ると美しくなってくる。沢の流れは、エメラルドグリーンですばらしい。

 

 乙女の沢、東のナメ沢、西のナメ沢の3つの大きなナメ滝を見送り、15時に釜の沢出合に到着する。予定より少し遅れているが、まずまずのペースだ。

 

 そして、まず最初の難関、魚留滝に着く。昔あったちょうど良い流木はなくなっていたが、Nさんが少し長い流木を持ってきてくれた。私はザックを降ろして、Nさんに流木を押さえてもらって、流木を足がかりに上のスタンスに立ち、立木のあるところまで登る。そこでザイルを使って、後続を確保する。みんなザックが重くて、苦労しながらも登ってきた。私のザックは、上からロープで引き上げるが、重くてNさんにも手伝ってもらって、やっと上げることができた。

 

 魚留滝を過ぎると、この沢で最も美しい千畳のナメが待っている。女性陣の歓声が上がる。千畳のナメの最後は、4段の滝となるが、ここは左側から高巻く。ただ、ここも足場が崩れたのか、以前より少しむずかしくなっていた。

 

 次の野猿の滝は、右側から高巻く。ここを過ぎるとしばらく河原歩きとなる。16時をまわり、テント場を探しながら歩いていると、ちょうど良い場所が見つかった。テントを張り、河原で焚き火をして、夕食を食べて、20時頃には眠りについた。

 

★10月21日

 4時起床。空には満天の星が広がる。今日はすばらしい天気だ。

 

 濡れた冷たい靴下と渓流シューズを履いて、出発準備をする。今日は、最初からハーネスを付ける。

 

 少し登ると、両門の滝が現れた。この滝は、釜の沢の中で最も美しい滝だ。私たちは、右側の東俣を登る。滝のすぐ右を高巻いて登るが、傾斜が非常に強く、木の幹や根をつかんでの登りとなる。途中から左に行き、滝の落ち口に行くようにテープが付いているが、以前はもっと上から行ったと思い、登ってみるが、やはりこれ以上登ると、上がりすぎると思い、赤いテープにしたがって滝の落ち口方向にいく。最後は、すべりやすそうな岩場をトラバース気味に下りなければならないので、ロープを出して懸垂下降気味に下ることにする。落ち口は、釜になっていて、腰まで潜ってしまった。

 

 後続の女性陣は、懸垂下降にはせず、ロープに掴まって下りてくる。最後のYさんにロープを回収してもらって、落ち口を後にする。

 

 次は、ヤゲンの滝となる。右から迷い沢が入り込んでいるが、水量が少なく、迷うことはないだろう。ヤゲンの滝の右側を、ここも木登りのようにして登っていく。落ち口に出るところが、やはりもしスリップしたら止まらないため、ロープをフィックスして通過する。

 

 次の6m滝は、左側を高巻き、落ち口に降り立つ。ここを過ぎると、広河原となり、しばらく河原を歩いた後、右側の樹林帯の中をテープを頼りに登ることになる。ここも、以前はずっと河原を歩いたと思うが、樹林帯を歩くことで、時間の節約ができたようだ。

 

 河原に戻ってしばらく歩いていると、9人パーティーが追い越していった。次ぎに出てくるのは、水師沢出合の10m滝だ。まず、左側の落ち葉のたくさんある斜面を登り、沢を横切って右側に行き、滝の右側を登る。ここも、荷物が重く、ロープを出した。

 

 まだナメが続くが、沢の水量もグッと少なくなってくる。木賊沢手前の滝は、右側を高巻くが、ここも急斜面で、落ち口に下りるところがかなり厳しいため、お助け紐を木に固定して、みんなに使ってもらう。以前は、もっと楽だったはずだが、足場が崩れたのだろうか?

 

 木賊沢を横切り、本流の急なナメの横を登っていく。ふり返ると、国師ヶ岳や朝日岳が見えてきた。

 

 途中から沢に戻り、後は沢通しに登る。行く手に、水場が見えてくる。空は真っ青で、最高の天気だ。ペースはかなり落ちてきたが、危険なところはなくなり、あとは安心して歩ける。

 

 水場で渓流シューズを脱ぎ、登山靴に履き替えるので、昼食タイムとする。昼食中に濡れた物を少しでも乾かそうと、岩の上に広げる。太陽の日差しがとても暖かく、今まで寒い思いをして沢の中を登ってきたのが、嘘のように、生き返る心地になる。

 

 ここから、しっかりした道を登って甲武信小屋まで行く。小屋の前にザックを置いて、甲武信ヶ岳の山頂を目指す。山頂に立つとすばらしい展望で、国師ヶ岳、金峰山、三宝山などが間近に見え、富士山や甲斐駒、北岳、八ヶ岳なども見えていた。うっすらと槍穂高も見えていたようだ。足下に目を落とすと、今登ってきた釜の沢も見下ろすことができる。

 

 反対側に目を移すと、これから登る木賊山と雁坂峠や雲取山方面の主脈縦走路もよく見えている。今日は、午後になっても雲一つないすばらしい天気だ。

 

 小屋に戻り、重いザックを背負って、木賊山に登らなければならない。疲れが溜まっていてつらいところだ。ザレ場に出てふり返ると、甲武信ヶ岳がよく見えていた。

 

 戸渡尾根は、途中からシャクナゲの道となり、段差が大きくなる。筋肉痛の足にはとてもつらい。少しでも段差の少ないところを探して下っていく。ツツジの仲間やカエデの美しい紅葉を見ながらぐんぐん下っていく。

 

 何とか、明るいうちに林道に出ることができた。そして、西沢渓谷入口でタクシーを呼び、20分ほど待つ。ガタガタふるえがくるほど寒く、タクシーが待ち遠しい。タクシーに乗り込むと、そのあたたかさに感激して、文明の利器のありがたさを実感する。

 

 運転手さんから教えてもらった塩山駅前のラーメン屋でラーメンを食べ、あずさで新宿に向かった。車内では、深い眠りに落ちていった。

 

                                                                 記:網干

 

《参加者の感想》

 東沢釜の沢では、重い荷物を担いで登り途中でテント泊というこれまでにない体験をさせていただきました。
 皆様のおかげで大人になってからこんなに大冒険ができることを本当にうれしく思います。心から感謝いたします。

 

 今回は初めて沢登りを体験した頃に比べ、恐怖心が少なくなっているのを感じました。何度か経験を重ねたことやクライミングの練習をさせて頂いたことが大きいのではないかと思います。

 最初に沢に登った時は「岩場で練習するといいんだよね」とアドバイスを受け、岩トレの重要性を実感したのを思い出します。又、最後尾でロープを回収する場面が何度かありましたが無事に回収でき「私にもできた!」という達成感がありました。

 

 時には腰まで水に浸かりながらトップをいくリーダーのルートを観察させて頂きながら無事に登りきることができました。

 甲武信岳の頂上から登ってきた沢筋を見た時には感無量でした!

 濡れて重くなったロープや重い荷物を担ぎながら要所要所で3人を引っ張りあげてくださったリーダー!本当にありがとうございました。しばらく余韻に浸っていることができとても心地よい気分です。

 

                                                             記:M.Yさん

 

 リーダー養成、沢登りに参加して。
 今回は初めて沢登りの山行に参加させていただきました。はじめは歩きにくい岩ごろの上をバランスを取りながら歩く。リーダーは忍者のごとく遥か彼方にいる。22キロの荷物をしょっているのに。すごい。ワープ(瞬間移動)してるのでないかと思う。

 今日の体重は荷物が追加されて70キロ近い。背中の荷物も手伝ってバランスを保つのに苦労する。10月下旬の川の水は冷たかったが濡れてしまうと意外にそうでもなかった。

 

 魚留の滝から釜の沢コースに入るのにたった4~5mをあがるのに苦労してしまった。リーダーがロープをだしてよいしょよいしょと上げてくれる。どきどきはらはら、人は些細なことで右往左往するが自然はそんなことも上から目線であたたかい。

 

 つらかった高巻きを終えるとそこにはキラキラひかる滑がまっていてくれて疲れが飛んでしまった。自然の造形美にはいつもながら感動する。何年もかけて、歳月をかけて作り出していく自然は素晴らしい。別天地のよう。

 

 テント場では焚き火で暖をとった。その火の有り難さ、遊びでやるキャンプファイヤーとは違う。このときの焚き火は命を守るためのもの。暖かな火の有り難さを感じる。

 

 釜の沢をいく甲武信岳への登りはとにかく無我夢中。木や木の根っこ、岩、人の歩いた道にはちゃんと手がかり、足がかりがある。それが安心なものかどうかを確認しながらとにかく這いつくばって、這い上がっていく。地に足がつくちゃんとした登山道の槍ヶ岳では経験できないことがたくさんあったように感じます。道なき道をいくというのは大変なことで、それを導くリーダーはすごい人だと思う。途中、リーダーが道を探しにでた。いつまでたっても帰ってこなくてそれはもう不安で仕方なかった。戻ってきたときは、安心して、まるで巣の中にいる雛鳥の気持ちだった。

 

 水が流れる中を歩くのは滑るんじゃないかという不安だったが、リーダーの流れの早いところは滑らないという言葉をもらい、勇気を出してすすむ。リーダーの的確な判断でなんとか甲武信岳のポンプ場に着いたとき日差しは暖かく、沢靴から登山靴に履き替えるときは至極な幸福感を感じてしまった。リーダーからもらったおしるこ、おいしかった~

 つらい経験のあとの幸せはホンの少しでもありがたく感じる。山小屋に重いザックをおいて山頂へいって昨日から今日歩いてきたルートを確認。よく歩いたな~思わずうるっときて、中村さんに抱きついてしまった。今日は天国と地獄を何度も味わったねと中村さんに言われ、また目頭が熱くなってしまった。まさしくそのとおり。いろんなことを凝縮して経験してしまった。

 

 リーダー、それは厳しさ、優しさ、そして精神力、余力をプラスした体力を兼ね備えた人に与えられる使命。チームワーク作り、パーティシップ、リーダーの役割の大きさを強く感じました。ちゃんとしたリーダーがいるからどんな不測なことがおきてもちゃんと家族のもとに帰ることができる。リーダーはそんな重圧にも負けず、平気な顔をしてメンバーを連れて帰る。わたしはいつもリーダーに感謝してばかりで何もできないでいる。恩返しができるよう、余裕の力をつけて、どんな場面でもあのAリーダーのように笑顔で歩ける人になりたい、そう感じながら家路につきました。

 

 後ろを振り向いては遅れてやってくるわたしを見守ってくれた中村さん。何度もこれ登れる?と戸惑ったあの場面、この場面、後ろから支えてくれた餘永さん。今回もわたしは目に見えない大きなものを取得したように感じてます。足のあざを見るたび、あの釜の沢の場面場面が浮かんできます。2日間ありがとうございました。そしておつかれさまでした。

                                                             記:S.Kさん