高見石山行報告
実施日 山名 参加者 会員 障害者 4名 健常者 4名
平成24年12月22日~23日 高見石 合計 8名 会員外 障害者 0名 健常者 0名

コースタイム:
12/22 渋ノ湯(12:20)…高見石小屋(14:55)

12/23 高見石小屋(7:10-7:50 高見石往復・8:00)…中山(9:10-9:25)…
    しらびそ小屋(11:10-11:35)…稲子湯(12:55)

天気:12/22 曇り一時雨
12/23 快晴

★12月22日

 今年最後のクリスマス山行は、北八ヶ岳の高見石とした。

 

 茅野駅から渋ノ湯までのバスで、KRさんが激しい車酔いで体調を崩し、UさんとCさんから付き添ってようすを見ていただいたが、体調は快復せず、残念だが、渋ノ湯で休んで、次のバスで帰ってもらうことにする。

 

 本体は、完全なサポート不足で、障害者対健常者が1対1の状態になってしまった。苦しい判断をしなければならないが、様子を見ながら慎重に行くことにする。

 

 一日目は曇り空で、時折雨やみぞれが混じる天気だったが、それ以上崩れることはなかった。歩き始めの頃が一番凍っていたので、すぐにアイゼンを出して装着してもらう。その後は順調に登り、大岩が積み重なった賽の河原を過ぎ、緩やかな登り坂を進んでいくと、高見石小屋に飛び出した。

 

 高見石小屋では、UさんとKさんがケーキの生地と材料を持ってきてくれて、栗がたくさんのったモンブランの大サプライズがあった。しかも、ろうそくを数本立てて、クリスマス気分を満喫する。

 

★12月23日

 朝食後出発準備をするが、かなり時間がかかりそうなので、私は一足先に高見石に登って、御来光の写真を撮ってくる。小屋の外の気温は氷点下10℃だった。

 

 戻ってきても、まだ小屋から出てきていない人がほとんどだったが、せっかくなので、全員で高見石に登ることにする。その前に、小屋の方が、写真を撮ってくださった。小屋の餌場には、ホシガラスが数羽訪れていた。

 

 大岩が積み重なった歩きにくい高見石に、慎重に登る。ピークに付くと、Hさんが一番高い岩に立ち上がって、写真を撮って欲しいと要望がある。その後は、次々に一番高いところに立ち、年賀状の写真なのか、お見合い写真なのか分からないが、一人ずつ撮ることになった。

 

 小屋に戻って、ふと小屋の窓を見たら、窓ガラスに、鳥の羽のような氷の結晶が無数に付いている。何という美しさだろう。自然は最高の芸術家だと思う。

 

 小屋を後にして、中山に向かう。上に行くほど積雪も増え、樹氷も出てきた。日が当たり始め、眩しいほどの明るさだ。今日は、快晴に恵まれた。

 

 中山展望台(山頂)で、浅間山、横岳や蓼科山方面、遠く五竜岳から穂高連峰までの北アルプス、乗鞍岳、御岳、中央アルプス、そして隣の天狗岳がよく見えていた。槍穂高の手前には、鉢伏山や車山が見え、その左には美ヶ原が見えている。そんな最高の展望を楽しむ。

 

 中山から東側に歩くと、樹林が切れ、さらに奥秩父方面も見え、麓には雲海が広がっていた。太陽の光は燦々と降り注ぎ、女性陣から私をきれいに撮ってという注文が付く。誰かが「それなりに」と応える。いつもの会話を楽しみ、中山峠へと下る。途中で硫黄岳がよく見えるところもあった。

 

 中山峠からは、急な斜面となる。しかし、今回はしっかりとトレースが付いていて、雪もかなり締まっていた。急斜面の最後でシリセードを少しだけ楽しむ。急斜面が終わり、緩やかに下っていくと、左手に稲子岳南壁が見える。さらに行くと、肌色の樹肌が美しいダケカンバ林となる。さらに歩いて、本沢温泉への分岐を過ぎると、少しでしらびそ小屋に着く。小屋からの天狗岳は、堂々と聳えていて、いつもながら格好いい。餌場には、コガラが来ていた。一瞬リスも見えたが、餌場までこなかった。

 

 コマドリ沢へ下る道は、完全に凍結していて、アイゼンが良く聞いた。しかし、Uさんのアイゼンはあまり使っていないというのに、爪の先が丸まるで、氷では歯が立たず、滑っていたようだ。雪用のアイゼンなんてあるのだろうか?

 

 無事に全員、稲子湯に着き、温泉に入って汗を流す。稲子湯からのバスは廃止されたらしいので、タクシーを呼んで、松原湖に向かう。KRさんに電話したら、昨日は、何とか家に帰り着き、ついさっきまで寝ていたらしい。無事について良かったが、早く快復して欲しいと願い、小海線のディーゼルカーに揺られて帰途についた。

                                                                 記:網干

 

《参加者の感想》

 初めての冬山でしたが、皆様のお陰ですばらしい経験ができました。高見石や中山からの眺望は期待以上で、冬山に登る人の気持ちが少しわかったような気がします。雪の中を歩いているときに足がひっかかり何回か転倒しましたが、起き上がろうとして手をつくと更に体が沈んでしまいました。特に冬山では、訓練を重ねて、少しずつ覚えていく必要があると痛感しました。高見石小屋でのパーティも最高でした。なんであんなに楽しいのでしょうか。ありがとうございました。

                                                              記:R.Cさん

 

 いよいよ冬到来、今季初の雪山は高見石~中山峠。その前から体調がイマイチだったので体を休めてその日に集中してコンディションを整えて臨んだ。見送る孫たちからはぼくらも連れて行ってと懇願されたがそれを振り切って電車に飛び乗っていざ出発。

 

 あずさの窓からは雨の光景。すでに甲府についている深澤さんからメール、トンネル超えたら雪だったよと。どこかで聞いた言葉だ。あれは新潟のトンネルの話だとかいってAさんが盛り上がる。そんな対話で盛り上がるこの会はとても楽しい。わたしはこの道中も楽しみでならない。予想どおりだった。

 

 KRさんが体調を崩してしまい、そこで帰りとなってしまい、その心中を思うと心が痛い。さぞかし無念だっただろう。KRさんの心痛も含めて、安全で事故のない山行をして楽しもう、そんな気持ちで出発。

 

 たまに雨まじりの雪が降ったが、歩いていると暑くて汗が吹き出てくる。気温は6度~3度。3度~マイナス3度へと下がってゆく。じっとしてると寒くなるからあまり休まずゆっくり歩いてくれるリーダーに感謝する。

 

 一番気になっていた大きな岩ごろの賽の河原も適度な雪があってアイゼンのおかげですべらず無事通過。ほっとしてまた樹林帯の中を冷たい風を感じながら歩く。みんな足どりが軽い。わたしのアイゼンだけが重いのか?と思いながら高見石小屋に到着。小屋の2つのこたつは先約がいて入れなかったがストーブを囲って少し早いクリスマス。

 

 Uさんとサプライズを企画して、スポンジケーキ、生クリーム、マロンクリーム、栗、アーモンドを持っていき、小屋でモンブランを20分くらいで完成。ろうそくに火を灯し、きよしこの夜を歌う。わたしは高見石にいったらこれをしようとイメージしてきた。みなさん、今回もノってくれてありがとうございます。Uさん、いつもこんなわたしを否定せず、いいねっていってくれて感謝です。

 

 翌日は予想に反してピーカンの晴れ。あわてて日焼け止めを塗る梅田さんにわたしも塗ってもらう。小屋の窓ガラスに張り付いている雪の結晶が綺麗だった。自然ってすごいものを見せてくれる。

 

 中山峠までの雪道のゆるやかな登り。雪がなかったら歩きにくいこの登山道。雪はそんな障害物を取り除いて平にしてくれる。だからわたしは雪山が好き。展望のよい中山、風もほどよく、周りは見渡す限り山山山だ。真っ白な北アルプス、中央アルプスがよく見える。道標にはえびのしっぽ。同じ向きにみんな並んでお行儀がいい。見習おう。

 

 峠からしらびそ小屋まではころがるように山を下る。久しぶりに訪れたしらびそ小屋、5年前と同じ、変わらない。しらびそ小屋こそ真の山小屋、素朴で温かい。ひなたぼっこしながら昼食。こににも幸せな時間がある。しらびそ小屋、今度訪れるときはここにまた泊まって動かない時間を過ごしたいと思いながらここをあとにする。

 

 みんなの足取りは最後まで軽く、だれも転がることもなく、無事に稲子湯へ到着。冷えた体をあたためてくれる温泉はありがたい。思わず声がでてしまう。岩ごしの男性風呂に聞こえてしまったらしい。声が聞こえてますよ~といわれ女性陣で笑ってしまった。

 

 雪山は天気に大きく左右される。風がふくとどんどん温度が下がる。今回はサポートの不足を心配したけど、好天気がサポートを応援してくれた気がする。すべて自然のままに、わたしたちはその中で、遊ばせてもらっている、そんなことを感じた山行だった。

 

 相変わらず笑顔でみんなに幸せを運んでくれるAリーダー。お疲れさまでした。参加者の皆様、たくさんの勇気と元気をありがとうございました。また来年、山で会いましょう。

 

                                                              記:S.Kさん