個人山行(入笠山)山行報告
実施日 山名 参加者 会員 障害者 2名 健常者 8名
平成25年12月22日 入笠山 合計 3名 会員外 障害者 0名 健常者 1名

コースタイム:
3/21 富士見パノラマスキー場ゴンドラ(15:15)…マナスル山荘(15:50)

3/22 マナスル山荘(5:00)…入笠山(5:40-7:30)…マナスル山荘(7:50-9:30)…
    大阿原湿原(11:00-11:20)…沢入登山口(12:50)

天気:
12/22 快晴
12/23 晴れ

★12月22日

 今回は、個人山行で入笠山に登り、クリスマスと星空、ご来光を楽しむことを目的に実施した。当初は、アイソン彗星を見ることを目的に、法人の活動のない日を選んだのだが、アイソン彗星が消滅してしまい、最大の目的がなくなってしまった。しかし、誰からも中止にしようという意見が出なかったので、予定通り実施した。

 

 1日目は素晴らしい天気に恵まれた。中央線の車窓から、南アルプスがよく見えていた。各駅停車の電車に乗って、富士見駅で下車する。タクシーでゴンドラ乗り場に行き、ゴンドラでスキー場の上に行く。

 

 ここから雪道を歩く。積雪は30センチほど。新雪の粉雪で、歩くと、キュッキュッと音がする。今は雪原となっている入笠湿原を横断して、山彦荘の前に出る。 ここから夏の車道を歩いてマナスル山荘へ。ゴンドラ乗り場から30分ほどだ。

 

 マナスル山荘は、私たちだけの貸し切り状態。気兼ねなく楽しめるのがありがたい。Fさんがクリスマス用のケーキを作ってきてくれた。最後の仕上げに生クリームをケーキの上にかけて、苺を並べる。手をかけていただいたことに感謝だ。ローソクに火を灯してクリスマスパーティーの始まりだ。いろんな歌も出て盛り上がっていく。

 

 夜は、長時間、星空の撮影をしているNさんのところに行って、満天の星空を眺める。天頂には天の川が横たわる。オレンジ色に光る木星。オリオン座、双子座、カシオペア、牡牛座、昴などがよく分かる。アンドロメダ銀河は双眼鏡で探したが見つけられなかった。

 

★12月23日

 今日は、山頂で星空と日の出を迎えるため、5時に山荘を出発する。山頂に着くと、すでに東の空はうっすらと白んでいた。ラブジョイ彗星は双眼鏡で探したが見つからなかった。

 

 風もあり、寒い山頂に1時間以上いるため、今回はツェルトを5張りほど分担して持ってきた。ツェルトをかぶって風を遮るだけで体感温度がかなり違うことを実感してもらえたようだ。

 

 日の出を待つ間、コンロとコッヘルを使ってホットワインを作ることにしていたが、なかなか火が付かない。寒さと風がいたずらしているようだ。それでも、何とかコンロに火をつけ、ホットワインを作ることができた。私は、時々席を外して、夜景の写真などを撮る。

 

 寒い中で待っていると、東の空から太陽が顔を出してきた。右手には富士山が見え、振り返ると北アルプスがモルゲンロートに染まっている。槍穂高連峰や鹿島槍などの後立山連峰が長い連なりを見せてくれる。北アルプスの左には、乗鞍岳が続き、続いて御岳、中央アルプスと続く。南には、甲斐駒、仙丈岳、鋸岳、間ノ岳の南アルプス北部の山が見える。東には八ヶ岳と奥秩父の金峰山などが見える。360度の大展望だ。

 

 集合写真を撮って、マナスル山荘に戻る。木に積もった雪がさらさらと舞い、そこに朝日が当たって、ダイヤモンドダストのように見える。冬ならではの美しい光景だ。

 

 登りと別のコースを取ったみんなと合流して下ると、すぐにマナスル山荘に到着した。山荘で、朝食を取り、おばさんに挨拶をして下山にかかる。Nさんは、装備もなく、雪山どころか山自体、ほとんど経験がないので、ゴンドラを使って下ってもらうことにする。

 

 今回他のメンバーは、ゴンドラを使わず、車道を通って、大阿原湿原、沢入登山口、入笠会館経由で富士見駅まで歩く予定だ。

 

 冬の車道は、動物たちの天国だ。タヌキやウサギ、シカの足跡が雪の上に縦横無尽に付いている。中でも千鳥足のタヌキの足跡には笑った。

 

 予定よりかなり遅れていたため、沢入登山口に着いたところで、タクシーを呼ぶことにした。なかなかタクシーが上がってこないので、途中まで下ることにする。所々凍っているので、スリップしないように注意しながら下る。ようやくタクシーが見えた。1台はしっかりとチェーンをつけてすぐ出発できたが、もう1台はまだチェーンが付いていない。

 

 とにかく、どちらもすぐに出発できると思っていたので、先頭のタクシーは富士見駅に向かう。駅に着くと、もう一台のタクシーに乗っているはずのSさんから電話が入り、まだ出発できていないとのこと。しかも、タクシーがスリップして動くことができないらしい。まあ、タクシー会社が何とかしてくれると思っていたので、運転手に対応してもらうことにしたが、結局は運転できず、先頭グループを乗せたタクシーがもう一度迎えに行き、タクシー代はいらないと言ってもらえた。立ち往生したタクシーは、タクシー会社の社長が救助に言ったらしい。

 

 最後にとんだハプニングがありましたが、全員無事に冬の入笠山を楽しめました。

                                                                 記:網干

 

《参加者の感想》

 今日はあわい香りのすずらんで有名な雪の入笠山へでかけました。スキー客に混ざってゴンドラにのって、緩やかな道を少し歩いて、マナスル山荘へ。Fさんが用意してくれたスポンジケーキに生クリーム、苺をのせてクリスマスケーキの出来上がり。昨年に続き、今年も山でクリスマスイベントを仲間とできたことがうれしい。夕食はここは山小屋なの?と思うほど豪華でした。

 

 夜は星を見に、あるだけの衣服をまとい、湿原に飛び出してみました。はじめは見えなかった天の川もだんだん目が慣れてきて川になってきました。あれが木星、と教えてくれたきらきら輝く惑星を双眼鏡で覗いてみたら、オレンジ色に光っていて、すごく綺麗でした。上ばかり見ていたら首が疲れてきて、寝そべって見たかったけど雪原に寝転ぶわけにはいかない。

 

 翌日は朝早起きして、まだ暗闇の中を出発。下弦の月が出ていて、もう天の川は見られす、昨夜意を決して外に出てよかったと思いました。入笠山までの道のりは厳しくはないが、山頂直下でやや足をとられて、息があがってしまった。山頂につくと風が強く、唯一露出している顔が冷たくなっていく。今回の課題である、ツエルトの効果を実体験。薄い生地だがそれを纏うと違いがよくわかる。ツエルトをまといながらコーヒーを飲んで日の出を待つ。

 

 東の山がオレンジ色に染まってくる、ピカッと日が顔をだす。今日の始まりだ。ツエルトの隙間からのぞきながらひとりうるっときているわたし。北アルプスもよく見えて、やはり陽に照らされてそれはもう別世界の領域でした。こんな楽してこんな景色が見られるなんて、なんかすごく贅沢な感じがしました。次は夏にきて、山頂で寝転んで星がみたい、そう思いました。星座の話をたくさんしてくれたNさん、ありがとうございました。Nさんのおかげで星座の話が身近になり、興味が湧いてきました。今度はどこの山で天の川が見られるかな?来年も楽しみです。

                                                              記:S.Kさん