鷹ノ巣山山行報告
実施日 山名 参加者 会員 障害者 3名 健常者 8名
平成26年5月24日~25日 飛龍山 合計 11名 会員外 障害者 0名 健常者 0名
コースタイム:
5/24 三ノ瀬(12:15)…将監峠(15:00-15:15)…将監小屋(15:25)
5/25 将監小屋(5:30)…飛龍権現(9:05)…飛龍山(9:30-9:35)…飛龍権現(10:00-10:10)…
    前飛龍(10:55)…サオウラ峠(13:50-14:00)…丹波バス停(15:45)
天気:5/24 快晴、5/25 曇り

★5月24日

 今日は素晴らしい天気に恵まれた。中央線の車窓から雪を抱いた南アルプスがよく見えた。

 

 塩山駅からタクシーで三ノ瀬まで行く。柳沢峠を越え、悲しい物語があるらしいおいらん淵を経て、三ノ瀬の登山口まで運んでもらった。こんな山奥にも何世帯かの人たちが住んでいる。ひとたび、道路が寸断したら生活に困るのに、それでもこの自然豊かな場所を愛する意志が強いのだろう。

 

 三ノ瀬から歩きやすい林道を沢沿いに上る。少しジグザグに登って尾根に上がる。林道の周囲にはトウゴクミツバツツジが多い。翌日、出会った登山者から教えてもらったことだが、ミツバツツジには、おしべが8本から10本のトウゴクミツバツツジは「東国三つ葉ツツジ」と書くらしく、今までミツバツツジと呼んでいたおしべが5本の物は、サイゴク(西国)ミツバツツジと言うらしい。それを聞いて、関東にはトウゴクミツバツツジが多いことを納得した。(写真集は、文字数が多くなるので、全てミツバツツジで統一しました)

 

 林道は新緑の木々に囲まれ、野鳥たちの歌声をたくさん聞こえて、とても気持ちよい道だ。唐松林も柔らかな緑色で迎えてくれる。

 

 将監小屋に近づくと、小屋に寄らずに将監峠に行く道があった。とても良い天気だし、翌日行くより今日のうちに行った方が良いと思い、峠に向かう。将監峠は防火帯なのか草原状となっていてとても気持ちよいところだ。数年前に途中まで行った和名倉山方面の尾根も見える。

 

 将監小屋は、昔ながらの小屋で、宿泊は大部屋一つだけだ。こういう山小屋も山小屋らしくて大好きだ。少し歌を歌ったりして、明日に備えて早めに床についた。

 

★5月25日

 小屋の人から6時に小屋を出ても5時間もあれば丹波に着くから朝食を食べてから行った方が良いと言われ、朝食を食べてから出発する。朝食は5時からだったが、こちらを気遣ってくださったのか、4時45分頃には食べることができた。そして5時30分に出発する。

 

 小屋の前では、ミソサザイが梢で高らかと歌っている。朝は、野鳥たちのさえずりが絶えることなく聞こえている。その声を聞きながら、最初の急坂をがんばって登る。しばらく登ると、将監峠からのトラバース道に合流し、片側が切れた水平の道が延々と続く。

 

 みんな慎重にサポートしながら歩いて行く。足下には、タチツボスミレをはじめとしていろんなスミレが咲いている。バイカオウレンもたくさん見られた。モリ尾根を超えると、これから向かう飛龍山が見えてくる。足下の悪いところもあるが慎重に行く。大ダル近くはまだ芽吹きの木々が多く、その上に飛龍山が見えて、とても雰囲気の良いところだ。

 

 大ダルからは飛龍山の山腹をトラバースして飛龍権現に向かう。ここでひさしぶりにイワウチワに出会った。イワウチワは、花期が短いのか、一斉に咲いて終わるのか分からないが、なかなか関東の山では出会えなかった。山頂付近でも出会うことができて、今回はラッキーだった。

 

 飛龍権現にザックなどを置き、山頂を往復する。今日は水蒸気が多く、高曇りの状態だが、途中で隣の雲取山も見えた。山頂の展望はあまり良くない。集合写真を撮って、すぐに下山する。

 

 前飛龍付近には、アズマシャクナゲが咲いていた。まだ咲き始めたばかりのものが多く、ピンク色が比較的濃かった。前飛龍を超えると、岩混じりの急坂となる。途中、ざらついてかなり滑りやすい岩場で、Nさんから寄付していただいたロープを出して、視覚障害者の人たちやKさんを確保する。

 

 急坂が終わると、とても歩きやすい道になる。國學院大學(だったでしょうか?)の学生たちが校歌を歌いながら下ってきていた。熊倉山が近づくと、トウゴクミツバツツジが見られるようになってきた。最初はつぼみだけだったが、しっかり咲いたものも見られるようになる。そして、ピンクの花のオンパレード。次々に現れるトウゴクミツバツツジを楽しみながら、バスの時間も気にしつつ下って行く。

 

 サオウラ峠からは、急坂のトラバースとジグザグの道を下るようになる。急坂のトラバースは、滑落したら大変なので、慎重に下って行く。ジグザグの道に入ると、今度は真っ赤なヤマツツジが楽しませてくれる。

 

 美しい木々の花、新緑、可憐な草花、そして今がピークの野鳥たちの歌声を聞きながらコンクリートの道に出て、丹波のバス停を目指した。

 

 今回、さえずりを聞くことのできた野鳥は、オオルリ、キビタキ、ルリビタキ、メボソムシクイ、コマドリ、キクイタダキ、センダイムシクイ、ヤブサメ、ウグイス、ヒガラ、コガラ、コルリ、アオバト、ツツドリ、ホトトギス、ミソサザイ、ホオジロ、アカゲラ(地鳴きとドラミング)、里に下りてきてから聞いたメジロ、イカル、カワラヒワ、コジュケイでした。

 

                                                                 記:網干