朝日岳・三本槍岳山行報告
実施日 山名 参加者 会員 障害者 2名 健常者 9名
平成26年10月11日~12日 朝日岳・三本槍岳 合計 14名 会員外 障害者 0名 健常者 3名
コースタイム:
10/11 山麓駅(10:40)…峰の茶屋跡避難小屋(12:05-12:35)…姥が平(13:50-14:00)…
    三斗小屋温泉(15:45)
10/12 三斗小屋温泉(6:50)…隠居倉(8:15)…稜線(9:05-9:15)…清水平(9:40-9:55)…
    三本槍岳(10:40-11:00)…清水平(11:40-12:00)…朝日岳(12:50-12:55)…
    峰の茶屋跡避難小屋(13:45-14:00)…山麓駅(14:50)
天気:
10/11 快晴、
10/12 快晴

★10月11日

 この週末は、台風が近づいているため、いつも以上に天気予報とにらめっこだった。土曜日は何とか雨は大丈夫そうだったが、日曜日は雨が降る可能性が高かった。しかし、近づくにつれて予報が好天になってくる。

 

 当日、家を出る時は、曇り空だった。速い電車で先に那須塩原に着いているKSさんから、メールで那須はすばらしい天気だと連絡が入る。いつの間にか曇り空はどこかに行き、那須塩原に着くとすばらしい天気だった。

 

 バスに乗り、終点のロープウェイ山麓駅に到着する。周囲はまだまだ紅葉が楽しめた。快晴のすばらしい天気だ。

 

 自己紹介の後、広い登山道を登り始める。会員外で今回が2回目の参加のYさんは、いつもながら陽気にいろんな歌を歌っている。本当に楽しい人だ。

 

 次第に岩の道となり、明日登る朝日岳が右手によく見えるようになる。鬼面山方面は、クマザサの緑の絨毯の上に点在する紅葉がきれいだ。

 

 鎖場を通り過ぎると峰の茶屋跡避難小屋がよく見えるようになる。避難小屋で昼食タイムとする。風が吹き抜けるため寒いので、風の来ない場所を探して弁当を食べる。茶臼岳の山腹からは、蒸気が噴き出している。御嶽山が噴火して間もないため、那須岳の火山活動が活発にならないように祈るばかりだ。

 

 避難小屋からは茶臼岳の山腹をトラバースして牛ヶ首に向かう。振り返ると朝日岳方面まで植物がほとんど生えていない殺伐とした風景が広がる。しかし、下を見ると姥が平付近の紅葉が終わりが近いにも関わらずまだ楽しめる。さらに進むと、水蒸気の噴出口が近くにある。手を近づけると暖かい。視覚障害者のAさんやMさんにも近づけてもらう。しかし、近づけすぎると熱いので注意が必要だ。無間地獄では、硫黄のにおいが強く、蒸気も強く噴出している。

 

 牛ヶ首の手前から姥が平に下りる。姥が平周辺は、もうピークは2週間ほど前に過ぎたようだが、まだまだ紅葉を楽しめた。瓢箪池にも立ち寄る。風が弱くなって波が小さくなると、湖面に茶臼岳が映り、周囲の紅葉と相まってとても美しい。

 

 姥が平からいったん下って、山腹のトラバース道に移る。以外に岩の多い道で、少し時間がかかった。それでも、沢に架かる橋を過ぎ、急坂を登って峰の茶屋跡から来る登山道に合流すると、三斗小屋温泉は近い。周囲の紅葉もまだまだきれいだ。後ろを歩く2班とはトランシーバーで交流する。トランシーバーはとても便利に使えた。

 

 三斗小屋温泉は、露天風呂のある煙草屋に泊まる。女性陣は何人かが露天風呂に入ったようだ。男性陣は内湯に入る。すぐに夕食となり、お膳に乗ったおいしい食事をいただく。

 

★10月12日

 昨晩は露天風呂に入らなかったので、露天風呂を見に行く。とても展望の良いところにある露天風呂だった。雲海に浮かぶ山々やその向こうに尾瀬の燧ヶ岳も見えた。

 

 煙草屋旅館の前で集合写真を撮り、登山道を登り始める。さすがにまだ寒い。すぐに三斗小屋温泉神社本殿を通り過ぎる。さらに登っていくと、三斗小屋温泉の源泉がある。蒸気の吹き出しがすごい。さらに登っていくと、鎖場があり、その上で隠居倉からの尾根に飛び出す。展望が一気に開けると共に、太陽が当たって暑くなる。服を一枚脱ぎ、展望を楽しむ。高原山方面や燧ヶ岳方面がよく見えている。周囲の紅葉も美しい。

 

 さらに登山道奥多摩を登っていき、隠居倉に登ると、今まで見えなかった三本槍岳がよく見えるようになる。飯豊連峰や日光の女峰山などもよく見える。三本槍岳の山腹のダケカンバは、クマザサの緑に浮き立ってとてもきれいだ。

 

 隠居倉からの下りは岩場もあり、注意が必要だった。片側が切れたところやガレ場を過ぎ、峰の茶屋から三本槍岳に続く稜線に飛び出す。遠くに 磐梯山と吾妻連峰も見えている。

 

 隣の1900m峰に登ると、安達太良山も見えてきた。流石山や大倉山は、すぐ近くにあるが、今までとは違う角度で見える。清水平にいったん下りて、また登り返す。北温泉分岐を過ぎ、少しくだって、三本槍岳への最後の登りにかかる。急ではないが、何度もアップダウンを繰り返すので、さすがに疲れも出てきた。それでも、360度の大展望の三本槍岳に着くと疲れも吹き飛ぶ。今まで見えなかった朝日連峰も見える。大倉山などの右手には、浅草岳や守門岳も見えている。北は安達太良山や吾妻連峰、磐梯山、そして西の上越の山々、南には高原山や日光の山々が見え、太平洋側は一面の大雲海だ。

 

 すばらしい展望を楽しんだ後は、来た道を引き返し、朝日岳に向かう。とにかく関東平野は、一面の大雲海に沈んでいる。見事な雲海だ。

 

 茶臼岳を正面に見ながら来た道を引き返し、分岐から朝日岳への最後の登りにかかる。岩場を慎重に登って、朝日岳の山頂に到着。今日は、昨日以上に良い天気で、無風快晴だ。しかし、午後になると、上空に絹雲が見られるようになり、西の空には白い雲も見られるようになってきた。台風の雲が近づいているに違いない。

 

 朝日岳の山頂を後にして、今回の登山の一番の難所を下ることになる。小石に足を取られて滑りやすいところを下る。振り返るとみんなの頭上には真っ青な空が広がる。まさにピーカン。

 

 片側が切れた岩場に付いた鎖場を通過し、さらに鎖の付いた山腹のトラバースにかかる。さすがに岩場の連続だ。ようやく剣ヶ峰とのコルに着く。剣ヶ峰の手前にはおもしろい形をした岩塔が立っている。剣ヶ峰のトラバース道は比較的歩きやすい。小さな穂が逆光に光っている。

 

 峰の茶屋で休憩し、山麓駅を目指して下る。予定より大幅に遅れたが、全員無事に下山した。帰りのバスは、高速道路に乗るマイカーの大渋滞に引っかかり、ここでも大幅に時間が遅れた。それでも、みんな駅でラーメンを食べて、帰りの新幹線に乗り込んだ。

 

                                                                 記:網干