八幡平山行報告
実施日 山名 参加者 会員 障害者 3名 健常者 1名
平成28年9月24日~25日 八幡平 合計 4名 会員外 障害者 0名 健常者 0名
コースタイム:
9/24 茶臼口(11:25)…茶臼山荘(12:15 茶臼岳往復 13:15)…源太森(14:50-15:00)…
    八幡平(15:30-15:40)…車道(17:35)…ふけの湯(17:55)
9/25 ふけの湯(8:30)…長沼(9:30-10:00)…大沼(11:20)
天気:
9/24 曇り
9/25 曇り一時晴れ

☆9月24日

 前の晩、東京を出発する夜行バスで盛岡に到着する。八幡平まで行くバスの発車時間まで3時間以上ある。持ってきたおにぎりを食べたり、モーニングサービスで朝食を食べたりする。今朝、東京を出発して、盛岡に到着したNさんと合流し、八幡平自然散策バスに乗る。

 

 2時間近くバスに乗り、八幡平頂上を過ぎて、茶臼口で下車する。登山者の多くは、ここで下車した。これから登る茶臼岳方面が見えている。

 

 登山道を登るが、周囲は霧に包まれている。それでも、紅葉した山腹が美しく、楽しませてくれる。茶臼岳は直接登らず、山腹をトラバースして茶臼山荘まで行く。ここで昼食とする。

 

 茶臼岳は「360度の展望」と昭文社の地図に書かれている。あまり天気も良くないのでどうしようかと迷っていたが、近くなので行ってみることにする。行ってみたら大正解。八幡平から岩手山につながる尾根が一望でき、すばらしい展望が広がっている。ここまで登ってきた尾根を見下ろすと、紅葉がとてもきれいだ。岩手山は山頂を雲に隠していたが、八幡平や畚岳(もっこだけ)、大深岳などの尾根はよく見えている。山腹には、アオモリトドマツの林が広がる。遠くには、秋田駒ヶ岳もわずかだが見えていた。

 

 お母さんと息子さんで来ていた方も茶臼岳山頂にいたが、彼らは避難小屋泊まりらしい。今日は八幡沼の畔にある陵雲荘らしい。茶臼山荘もきれいだったが、陵雲荘は暖炉もあるらしい。私も以前泊まったことがあるが、もうすっかり忘れている。

 

 茶臼山荘まで戻り、樹林帯の道を行く。所々ぬかるんでいる。紅葉したウルシやガマズミ、少しだけナナカマドもある。赤い実もたくさんある。

 

 黒谷地湿原は草紅葉だ。エゾリンドウが所々に咲いている。熊の泉で休憩する。時間は予定よりも少し遅れている。日が沈む時間が早くなってきているので、あまりのんびりはできない。源太森は、山頂だけ確認に行く。これから向かう八幡沼がよく見えていた。

 

 湿原に出るとチングルマが赤く紅葉していた。湿原の草紅葉が美しい。池塘もたくさんある。陵雲荘を過ぎ、少し登ると展望台だ。八幡沼と周辺の湿原、そして陵雲荘がとてもよく見える。すばらしい風景だ。

 

 この付近はすでに遊歩道。ハイヒールの人も来るらしい。八幡平の山頂は、本当にここが山頂なのかと思うくらいの平坦な場所。集合写真を撮ってもらった後は、展望台に上がる。少しと奥に見えていた山は森吉山ではないかと思われた。

 

 ここから長沼方面への道に進んでしまうと時間がかかってしますので、分岐点を間違えないように慎重に行く。山頂から2分ほど遊歩道を歩いて右側にある小さな道に入る。しばらく緩やかに下ると田代沼に到着した。間違っていなかったようだ。

 

 ここからの道は、滑りやすい石がたくさんあり、えぐれているところも多く、とても歩きにくい。それでも時々アスピーテラインを走る車の音が近くに聞こえ、現在位置を確かめる。そんな時、右側の樹林帯でがさごそ音がする。熊かもしれないとみんなに伝える。少し後ろを歩いていたNさんが駆けつけてきた。ここからAさんとNさんが大声で歌を歌ってくれる。熊さんも驚いて逃げたことでしょう。

 

 なかなか大深温泉に着かないと思っていたが、遠くに茜色に染まった雲と山が見えた。鳥海山ではないかと思ったが、たぶん森吉山だろう。暗くなりかけているが、山は突然すばらしい光景をプレゼントしてくれる。

 

 美しさに感動して歩いていると、左側に車道が見えてきた。そして、ようやく車道に飛び出した。女性陣はみんな抱きついて喜んでいる。予想に反して厳しかった道を乗り越えてきたことへの感動だろう。とにかく無事に山道を終えて良かった。

 

 茜色に染まる空をバックに、車道を歩いてふけの湯に下る。すっかり暗くなった18時前に到着。すぐに温泉に入り、食堂へと向かった。すばらしい料理が待っていてくれた。

 

☆9月25日

 おいしい朝食を摂って出発する。今日も八幡平山頂方面は厚い雲の中だ。しかし、反対側には青空も見えている。

 

 ふけの湯の野天風呂を見ながら歩いて行く。野趣満点で、次に来たときには必ず入ることにしよう。

 

 大沼温泉への分岐を過ぎるとすぐに大谷地の湿原だ。ここも草紅葉が美しい。ここですぐに左へ曲がれば良かったが、標識が熊にかまれたのか爪を研がれたためなのか行き先が分からなくなっていたので、まっすぐに進んだ。まっすぐ進んだことで紅葉を楽しめたが、この道は昭文社の地図ではわかりにくいが、蛇沢沼方面に行く道だ。すぐに引き返し、長沼への道を行く。

 

 美しいブナの林を楽しみながら登っていく。宿で一緒だった単独の女性が引き返してきた。長沼はすぐそこだとのこと。長沼は少し細長い。ここで少し休憩して、来た道を引き返す。

 

 大谷地を過ぎた分岐で、大沼方面への道を行く。樹林の美しい道を緩やかに下っていく。右の方から「とんとんとん」という音が聞こえてくるが、地熱発電所の音だろうか? さらに少し行くと、泥火山があった。泥の中から熱い温泉が、ぼこぼこと吹き出している。あまり近づくと熱い泥がかかるので手すりに近づきすぎないように注意書きがある。初めて見るおもしろい現象を楽しみ、少し歩くと大沼の前の車道に出る。

 

 大沼の遊歩道を一周し、ランチ(うどん)と温泉セットで千円というコースを購入してまずは温泉に入る。昼食を済ませ、田沢湖行きのバスを待つ。バスの中では運転手さんがいろいろ説明をしてくれたようだが、爆睡状態でいつの間にか秋田駒が左手に見えるところに来ていた。

 

 田沢湖からは全席指定のコマチには乗れず、各駅停車で盛岡駅に行き、盛岡市発の新幹線に乗って上野に向かった。思ったよりも充実した山行を楽しめた2日間でした。

 

                                                                 記:網干