大人と子どものふれあい登山(第2回雲取山)山行報告
実施日 山名 参加者 会員 障害者 1名 健常者 12名
平成29年5月13日~14日 雲取山 合計 13名 会員外 障害者 0名 健常者 0名
コースタイム:
5/13 お祭(11:55)…塩沢橋(13:15-13:25)…林道終点(14:20-14:35)…三条の湯(15:00)
5/14 三条の湯(6:00)…三条ダルミ(8:35-8:12)…雲取山避難小屋(9:15)…雲取山(9:30-10:00)
   …雲取山避難小屋(10:10)…奥多摩小屋(10:45-10:55)…七ッ石山(11:35-12:05)…
   堂所(13:05-13:10)…鴨沢(14:30)
天気:
5/13 雨、
5/14 曇り一時霧雨

★5月13日

 今回は土曜日が雨の予報で、日曜日は曇り時々雨の予報だった。土曜日は雨が激しく降るところもあるらしい。計画は、三峰神社から雲取山荘に行くコースだったが、このコースは岩場の痩せ尾根もあり、雨では子どもたちにかなり厳しいコースになってしまいそうだと思った。そのため、2日前に急遽コースをお祭から三条の湯経由で登るコースに変更する。幸い、三条の湯は13人の予約ができた。大変申し訳ないが、雲取山荘はキャンセルさせていただく。タクシーもキャンセルする。登山計画を再作成して、ホームページに掲載するという忙しい状況になったが、これで少し安心する。

 

 当日はやはり雨だった。しかし、激しい雨は丹沢等南部の山で、この付近はそれほど強くなかった。それでも降りしきる雨に負けないで、お祭を後に出発する。

 

 林道歩きはずっと雨だったが、これまでに何度も出会っていたオオルリの定番の位置には、今年もオオルリがさえずっていた。

 

 3時間近くかかる長い林道歩きを終え、ようやく登山道に入る。沢沿いの登山道は、危険がいっぱいだが、子どもたちはいうことを聞かずにどんどん先に行ってしまう。大声で怒鳴るがなかなか止まらない。それでも、ある程度のところで待っていてくれる。スイッチが入らないとペースが落ち、スイッチが入ると行きすぎてしまう。子どもたちのコントロールは難しい。

 

 テント場が見えると小屋は近い。小屋では、一部屋貸し切りで使わせていただけた。子どもたちは枕投げをするぞと張り切っている。大人達は、管理人さんやスタッフの方のギター演奏で、懐かしい歌を歌わせていただく。他のグループの方も一緒に食堂で楽しいひとときを過ごして、眠りにつく。雨はほぼ止んでいた。

 

★5月14日

 夜半に起きると星が見えたが、4時頃にはおぼろ月夜になっていた。残念ながらどんよりした曇り空。朝食は、予定では5時半だったが、5時10分には準備が整った。ご飯は竈で炊いている。お湯も竈で沸かしたものをいただくことができた。

 

 小屋の管理人さんや昨晩子どもたちと遊んでいただいた登山者の方と一緒に写真を撮って出発する。

 

 三条沢を渡ってからはずっとトラバースが続く。ところどころ崩れているところがあり、慎重に通過する。尾根を回り込むところで小休止。さらに長いトラバースが続く。尾根に出たところから、晴れていれば飛龍山が見えるのだが、今日は全く見えない。それでもいくらか霧が晴れて隣の尾根が見える。

 

 ここからもトラバースは延々と続く。コマドリやヤブサメ、センダイムシクイ、ツツドリ、ヒガラ、ルリビタキ等の歌声が聞こえている。アカゲラかアオゲラかは分からないが、ドラミングも聞こえていた。

 

 水場をすぎ、トラバース道が水平に進むようになると三条ダルミは近い。子どもたちから「あと何分で着くの?」と聞かれるが、間違うと何かを請求されるので、答えたくなかったが、「あと25分だね」と答える。少ししてまた聞かれると「あと20分」と答える。「全然減らないじゃないか」と子どもたち。子どもたちが時計を持っていなくて助かった。

 

 ようやく三条ダルミに到着。子どもたちはいきなりかけだしている。まだ力が余っているようだ。

 

 三条ダルミからが今日一番の登り。子どもたちに「がんばるぞ!」とハッパをかけ先導していく。この登りは子どもたちにも辛かったようだ。さすがに先頭を追い越してぐんぐん行こうとはしない。「そこが山頂だ」と言ったらもう少し先立った。子どもたちはぶーぶー言っている。それでも最後の岩場を登ると、山頂の一角に飛び出す。山頂では雲海が広がり、その上に残雪を抱いた富士山が浮かんでいる。飛龍山や国師ヶ岳方面も見える。雲取山も山頂付近だけが雲の上に出ている。がんばって登った子どもたちへのご褒美だろうか?

 

 山頂でゆっくりしてから避難小屋に戻り、下山にかかる。少し下るとすぐに雲の中に入ってしまう。ピークを直登するコースとトラバースするコースがあるが、今回はトラバースルートを選ぶ。奥多摩小屋で休憩し、さらに進む。

 

 ブナ坂からはトラバースした方が楽なのだが、途中に滑りやすい岩場などがあり、子どもたちが心配なので、七ッ石山を登ってから下るコースを行く。試練の道だとも言えるが、なにより安全が最優先だ。

 

 七ッ石山山頂で昼食タイムとする。細かい霧雨が次第に密度と粒が大きくなってくる。みんな雨具を付ける。昼食後は、七ッ石山からの長い下りにかかる。

 

 七ッ石小屋で休憩する。小屋の前に張られていた鴨沢発のバス時間を見ると、計画していた16時3分発の前に、14時44分発のバスがある。1時間20分も何もない鴨沢で待つのは辛いので、少しがんばって14時44分に間に合うように下ることにする。標準タイムに近いタイムで下らなければ、がんばってみることにする。

 

 延々と続くトラバース道。堂所を過ぎ、朽ちた民家を過ぎ、下に車道が見えてくる。車道が見えてからも車道に合流するまではまだしばらくかかる。それでも、バスには間に合いそうだ。

 

 車道に出て少し休憩し、近道を行く。子どもたちは元気だ。駆け足で下っていく。ここまで来れば転落するところはないので、ほぼ安心できる。コンクリートの道に出たところでみんなが合流する。そして子どもたちはまた飛ばす。

 

 バスの発車時間まで15分近い余裕を持って鴨沢に到着。子どもたちもそうだが、大人も本当にがんばりました。まだ誰も乗っていないバスに乗って、みんなまどろみの時間に入っていった。

                                                               記:網干

 

《参加者の感想》

 予報は強い雨。孫たちはそんなことは関係ないよう。バスを降りてから雨の中を黙々と歩く。子どもたちは雨の中で喜ぶカエルのようにはしゃいでいる。そんな姿を見ていたらこちらも元気になれる。

 三条の湯では温泉につかり、半袖で遊んでいる。宿泊者の方で子供たちと遊んでくれた男性がいて、定番のまくら投げ。見に行ったが、はちまきして「おれはまじでやるそ」と真剣に遊んでいる。子どもたちのその積極さに感嘆する。どうしたら大人は遊んでくれるのか、あたってくだけろでみんなに声をかけていたようだ。そのご夫妻には心から感謝したい。山には人と人を結ぶ場所があるんだなと思う。

 雲取山の山頂では 雲しか見えなかったが、みるみる雲が消えて、あの富士山がかおを出してくれた。ひときわ高く。感動。子どもたちの目にはどう映ったろう。忘れちゃうだろうけど、経験したことは間違いない。

 累積標高差(上り)2226m、(下り)2225m。子供たちはよく頑張ったと思う。湯ばばにはいくらか早かった。2017年、雲取山の標高も2017。思い出深い山となった。2日間、見守って下さった皆様ありがとうございました。

                                                            記:S.Kさん