登山知識及び技術向上コース(大日岳)山行報告
実施日 山名 参加者 会員 障害者 0名 健常者 2名
平成31年9月21日~22日 大日岳 合計 2名 会員外 障害者 0名 健常者 0名
コースタイム:
9/21 室堂(8:30)…雷鳥沢(9:10-9:15)…室堂乗越(9:40)…奥大日岳(11:00-11:20)…
    大日小屋(12:35-12:45)…大日岳(13:00)…大日小屋(13:10)
9/22 大日小屋(6:30)…大日平山荘(8:00-8:15)…大日岳登山道入口(9:35)
天気:
9/21 曇り時々雨
9/22 曇り

★9月21日
 今日、明日と、天気予報は雨予報。「大雨でなければ実施しましょう」というKさんの声に押されて、実施を決めた。往復のバスや山小屋のキャンセルをするのも面倒なので、行ってみてから判断することとする。予報は曇り時々雨で、降水確率70%ほどだが、雨雲の動き予想を見ると、富山周辺は日中降らない時間もありそうだ。展望は期待できないだろうけど、台風もまだ遠く、強い雨にならないだろうと予想して出発する。

 前日の夜行バスは、ガラガラだった。キャンセルがたくさん出たのだろう。他の行き先に行く人も非常に少なかった。

 扇沢でバスを降りると、女性が話しかけてくる。息子さんと二人で来たようで、今日は柏原新道から鹿島槍を目指すらしい。朝食だけ摂ってすぐに出発していった。

 電気バスなどを乗り継ぎ室堂に到着する。Kさんは室堂は初めてらしい。外は雨が降っているようで、すばらしい景色を見てもらえないのが残念だ。

 それでも、少し歩いて行くと立山三山が見えるようになってきた。今回、オコジョは見つからなかったが、ミクリガ池付近で雷鳥の雄を見かけた。

 雷鳥沢のキャンプ場で少し休憩し、室堂乗越に登っていく。周囲の木々はわずかに紅葉が始まっている。草紅葉も始まってきたところだ。振り返ると、立山方面も草紅葉が始まり、秋色に染まりつつある。

 室堂乗越に着くと、奥大日岳方面からご夫婦が歩いてきた。Kさんがどこから来たのか聞くと、雷鳥沢に下る道を間違って引き返してきたとのこと。道標に気づかなかったようだ。

 稜線を歩いて行くと、霧が晴れて剣岳が見えそうになる。少し休憩して、見えるのを待つが、難しそうなので出発する。しかし、少し行くと山頂近くまで見えるようになった。目の前のトラバースを過ぎれば、ちょうど見えるようになるのではないかと思ったが、このトラバースが意外に長く、終えた頃にはすっかり霧に覆われていた。

 トラバース気味に上り、方のような所に上り、さらに歩くと、奥大日岳に到着する。誰もいない二人だけの山頂だ。ここで昼食タイムとする。食べ終わる頃、雨が降り出してきた。

 奥大日岳の下りは、急で鎖場や梯子もある。途中で、単独の男性を追い越した。男性は、「なんでそんなに速く歩くのだ」と言っていた。今回は、Kさんに先頭で歩いてもらったが、いつもの山仲間アルプの山行とは全く違い、非常に快調なペースだ。私も、平坦地や下りは良いが、登りはやっと着いていく感じで、時々待っていてもらう状況だった。Kさんの体力は頼もしい。

 雨の中、七福園を過ぎ、稜線を下っていくと、大日小屋に到着した。私が宿泊申し込みをしたときは、満員でぎゅうぎゅうだと言われたが、キャンセルが相次ぎ、今日は12人しか宿泊客がいないらしい。私たちが一番早く着いたようだ。

 ザックを置かせてもらって大日岳を往復する。ここもコースタイムでは往復1時間になっているが、25分で往復した。

 小屋に戻ると、途中で追い抜いた九州の男性が小屋に到着した。彼も大日岳を往復してくるとのこと。

 小屋は、空いていて、我々宿泊客には快適だ。小屋の主人は、麓でギターづくりの職人をしているらしい。食堂に2つのギターが飾ってあった。食堂にはランプもたくさんつられていた。

 宿泊客の人たちと交流していると、千葉の地元のすぐ近くに住む人たちもいてビックリ。しかも同業の人だった。すっかり飲み過ぎて、早々に床につく。

★9月22日
 夜半は雨は降らなかった様子。ただ、3時頃外に出ると、霧で何も見えない。しかし、5時頃起きてみると、霧が晴れて、厚い雲の下に剣岳の山腹が見える。小窓尾根のシルエットがよく分かる。

 朝食の時、九州の男性から、昨晩ギター演奏があったと聞く。私たちの世代の歌だったけど、演奏を聞くだけで誰も歌わなかったとのこと。私がいれば、一緒に歌えたのにとのこと。申し訳ないことをしてしまった。

 朝食後、外に出ると、雲が少しずつ上がってきて、剣岳の横から日も差し込んできた。毛勝三山は、もうすっかり見えて、日も当たっている。剣岳は、もう少しで山頂が見えそうだが、時間もあるので、下山することにする。

 小屋から少し降りると、弥陀ヶ原が見えるようになる。鍬崎山もよく見えている。後で気がついたが、遠くには白山も見えていた。

 さらに下ると、薬師岳が見え、鷲岳や水晶岳も見えるようになる。下には、大日平も広がり、大日平山荘も見えている。大日平山荘から登ってきたのか、何人かの人とすれ違う。

 傾斜が落ちると木道が始まる。大日平に到着だ。正面には薬師岳が見え、振り返ると大日岳が見える。周辺には池塘もある。イワショウブは赤い実になっていて、とてもきれいだ。今回は、雨だと思って交換レンズをこってこなかったのが悔やまれる。

 大日平山荘で一休みして、牛首に向かう。行く手には、富山の町が見えてきた。青空も見えるようになる。弥陀ヶ原の向こうに大きな薬師岳が佇んでいる。今まで見たことのない風景だ。山はもう秋だ。ワレモコウも咲いている。

 大日平が終わり、次第に痩せ尾根になる。両側がすっぱり切れたところもある。牛首から急な下りになる。鎖場や階段もある。岩は少し滑りやすく注意して下る。対岸には、急な壁が見える。称名滝とほぼ同じ標高差だ。こちらも、一気に降りるので、急な下りが続く。

 ようやく車道に出た。ここが大日岳登山道入口だ。すぐに称名滝を見に行く。落差350mで日本一の落差を誇る滝だ。ボランティアガイドさんから、滝は毎年10cmほどずつ削れているとのこと。1万年もすると、滝の落ち口は室堂付近になっているかも知れない。自然の力は偉大だ。また、この滝を登った猛者もいることを確認した。滝の左の壁を登ったらしい。すごい人たちだ。

 予定より早く降りたので、Kさんに予定より速いバスがあるか聞いたところ、10時20分のバスがあるとのこと。あと15分しかないので、走ることにする。ここでもKさんの体力に完敗だ。それでも、5分ほど前にバス停に到着した。

 立山駅の観光案内所で日帰り入浴できるところを聞いたら、すぐ隣の千寿荘が宿泊客の状況で入れるかも知れないと聞き、行ってみると入ることができた。二日間の汗を流して、すっきりして、立山駅の無料休憩所で乾杯後、富山地方鉄道の電車に乗って帰路についた。富山駅が近づく頃、車窓から剣岳がよく見えた。
                                                             記:網干