針ノ木岳・蓮華岳山行報告
実施日 山名 参加者 会員 障害者 2名 健常者 6名
2019年7月13日~14日 針ノ木岳・蓮華岳 合計 8名 会員外 障害者 0名 健常者 0名
コースタイム:
7/13 扇沢(5:10)…大沢小屋(6:45-7:00)…雪渓下(8:00-8:10)…針ノ木小屋(11:25-12:15)…
   針ノ木岳(13:20-13:50)…針ノ木小屋(14:50)…蓮華岳(15:50-16:10)…針ノ木小屋(17:10)
7/14 針ノ木小屋(7:10)…大沢小屋(10:50-11:05)…扇沢(12:50)
天気:
6/1 曇り一時晴れ
6/2 雨後曇り後雨

★7月13日
 針ノ木岳と蓮華岳は、山仲間アルプ設立の年に1度行っただけの所。その時は、天気が良くなくて、展望はあまり得られなかった。今回も、まだ梅雨の真っ最中のため、好天は期待できない。雨が降らなければ良いなと思う程度だったが、初日の土曜日は、降水確率も低く比較的良い予報だ。しかし、早朝に扇沢に着いたら、どんよりと曇っている。展望は期待できないかなと、少し失望する。

 扇沢からは、何度か車道を横切る登山道を登っていく。トンネルの入口で、左の広場を通って登山道に入るが、標識が奥にあって、分かりにくいので、ここは注意だ。

 何回かガレ場や沢を渡って行く。雲が少し薄くなり、蓮華岳方面が少し見えるようになってきた。針ノ木雪渓への入口にある大沢小屋に着く。前回は、有名な口の悪い管理人さんだったが、5年前に代わり、今は優しい管理人さんだ。私たちが通過したことを針ノ木小屋に連絡しておいていただけるという。

 大沢小屋からしばらく登ると、沢に沿って山腹をトラバースするルートになる。ここは、滑りやすい岩場もあり、何ヶ所かロープが張られている。苦手な人もいるので、慎重に通過する。登山道脇には、ニッコウキスゲやあまり見かけない紫色の花も咲いている。

 雪渓の末端で軽アイゼンを付け、いよいよ雪渓登りが始まる。長い雪渓なのでゆっくり登っていく。雪渓の上には、いくつも落石がある。雪渓上にいるときは、常に落石に警戒しなければならない。

 雪渓を登っていると、雲が切れ青空が見えるようになる。振り返ると、雲の中から爺ヶ岳の山頂も見えるようになる。

 20人近いツアーパーティーも登っている。長かった雪渓も左に曲がって細くなる所で、夏道が出るようになる。軽アイゼンを外し、夏道を行くことにする。ただ、何度か雪渓のトラバースがあった。

 最後のジグザグ道をがんばると針ノ木峠に到着する。太陽の光も差し込み、船窪岳や赤牛岳方面の山も見えるようになる。槍ヶ岳も雲の間から見えそうだったが、結局見ることはできなかった。

 針ノ木小屋の方は、午後は雨が降る予報だという。まず受付を済ませ、針ノ木岳を往復することにする。元気が残っていれば、明日は雨予報なので、蓮華岳にも登ることも計算に入れておく。

 急坂を登ると、スバリ岳がよく見えるようになる。振り返ると蓮華岳もよく見える。ところどころ残雪の上を歩く。天気が良くなり、針ノ木岳とスバリ岳の間に剣岳が見えるようになった。

 山頂直下の急な雪渓を登るとすぐに山頂に到着する。すでに剣岳は雲に隠れていたが、山頂からは黒部湖がよく見える。立山や薬師岳、そしてスバリ岳や赤沢岳が見える。赤沢岳の左ずっと奥には、仙人池方面も見えたいた。ただ、鹿島槍など、後立山の山々は雲に隠されていた。

 雲が多いものの、そこそこの展望が得られて満足して山頂を後にする。山頂直下の雪渓は、毎年滑落事故があるらしい。軽アイゼンを付け慎重に下る。

 針ノ木小屋まで戻り、元気印の5人で蓮華岳を往復することとする。すでに雲が厚くなってきていて、時折霧に包まれる。それでもまだ雨は降ってきていない。

 少し登っていくと、お目当てのコマクサが一面に咲いている。タカネスミレやミネズオウ、キバナシャクナゲ、イワベンケイ、コイワカガミも咲いている。花を楽しみながら山頂に到着する。山頂もコマクサに囲まれている感じだ。

 雨がいつ降ってきてもおかしくない状態なので、集合写真を撮って下山にかかる。コマクサの多い砂礫地からハイマツ帯に入ると、先頭のKさんが驚く声がした。目の前の登山道に雷鳥の親子がいたのだ。早速、写真タイムとなる。雌雷鳥と6匹の雛がいる。雛はまだ生後10日程度ではなかろうか?とても小さくかわいい。雛を呼ぶ雌雷鳥のクークーという小さな声も聞こえている。今回、初めて雷鳥を見た人もいて、とてもラッキーだった。

 針ノ木小屋に戻り、登頂を祝う。夕食後にもう少し飲もうと思ったが、夜行バスであまり眠れないところに、12時間の行動時間となったため、さすがに疲れて早々に眠りについた。

★7月14日
 夜半、かなり大きな雨音が聞こえた。今日は、まっすぐ下山することにしたので、ゆっくり小屋を出る。出発する7時頃には、霧雨程度になっていた。

 下りが苦手な人もいるので、ゆっくり慎重に下る。落石を起こしやすい夏道を下り、雪渓に入る。雪渓は歩きやすい。順調に下っていく。

 しかし、雪渓が終わり、滑りやすいトラバースは危険なため、サポートをしながら慎重に下っていく。事故が起きてからでは遅いので、声かけや手を取っての下りとなる。それでも、全員無事に通過し、大沢小屋に到着する。管理人さんにここまで下山したことを伝える。

 ベニバナイチヤクソウなどの写真を撮りながら下っていくと、シジミチョウがたくさんいるのを見つけた。シロツメクサに群がっている。帰って図鑑で調べてみたらアサマシジミかヒメシジミではないかと思われた。スジグロシロチョウのような蝶もいたが、蝶に詳しいCさんは外来種ではないかという。蝶は見分けが難しい。

 扇沢に着き、靴を洗ってバスに乗り込む。途中の大町温泉郷でバスを降り、さっぱりして帰途についた。かなりハードな山でしたが、お疲れ様でした。

                                                               記:網干

《参加者の感想》
 アルプのアルプス登山に初参加しました。以前より登りたかった針の木雪渓、沢の音や小鳥のさえずりを聞きながら、気持ち良く登ることができました。曇り空の中、針の木岳の山頂では薬師岳から剣岳までの山並みを見渡すことができ、いつか登ってみたいと思いました。また、蓮華岳では山頂一面にコマクサ、雷鳥の親子にバッタリ会うことができ、初めての経験を多くさせて頂きました。単独登山もいいが、山の楽しみを参加メンバーと分かち合えたのは良かったです。楽しい登山有り難うございました。
                                                              記:H.Kさん