前穂高岳北尾根山行報告 |
NO. |
日付 |
山名 |
参加者 |
会員 | 障害者(視障) | 0名 |
健常者 | 2名 |
1 |
平成15年8月2日〜3日 | 前穂高岳 | 合計29名 | 会員外 | 障害者 | 0名 |
健常者 | 0名 |
コースタイム:8/2 上高地(7:00)…横尾(9:40,9:55)…涸沢(13:05,13:35)…5、6のコル(15:30)泊 8/3 5、6のコル(5:55)…5峰(6:20,6:30)…4峰(7:30)…3峰取り付き(8:05)… 前穂高岳山頂(10:00,10:45)…岳沢(12:45,13:05)…上高地(14:55) |
天候: 曇り |
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★8月2日(土) ソバナやクガイソウ、キツリフネなどの咲く上高地街道を歩き、横尾に9時40分に到着。Sさんは、上高地も穂高もはじめてで、全てが新鮮なようだ。しかし、はじめての穂高がいきなり北尾根では、ちょっと無謀かな? 屏風岩が見えてくると、Sさんは驚くが、私は昔登ったルートなどを、絵を描いて説明する。さらに行き、途中で、目を凝らして屏風岩を見たら、雲稜ルートの扇岩テラスから上の垂壁を登るパーティーがいた。蟻よりも小さな黒い点がじわりじわりと動いていた。 多くの人たちと抜きつ抜かれつしながら、13時過ぎに涸沢に到着。涸沢では、Sさんが、オレンジとビールを買ってくれた。ここで、各自持ってきた水筒やペットボトルに満タンに水を入れる。家を出るとき19kgだったザックは、22kgくらいになったことだろう。 何とか5、6のコルに到着し、すぐにツェルトを張る。少しすると奥又白側から2人パーティーが登ってきた。狭い場所なので心配したが、彼らはそのまま涸沢に下るという。Sさんの買ってきたビールで乾杯し、早々に眠りについたが、夜半23時から0時30分くらいの間、強烈な風でツェルトが激しく風にはためく。とてもではないが、その音で寝ていられない。後で聞いた話だが、何でもこの風で、北穂のテント場に張ってあったテントが飛ばされたらしい。私たちも飛ばされたら、奥又側に一直線のため、かなり冷や冷やしていた。ようやく風が収まって、お互いの無事を確認し合って、もう一度眠りにつく。 ★8月3日(日) 我々も急いで撤収し、登りはじめる。しかし、ザックが重く、先行パーティーのようにすいすいとは行かない。えっちらおっちらとザックと体を持ち上げながら、ゆっくりと5峰を登る。5峰は問題なく、あっさりとクリア。 つづいて、もろいと言われる4峰が急角度でせり上がっている。下3分の2ほどは全く問題はなさそうだが、ピーク直下にある岩場をどちらから巻くかが勝負の分かれ目のはず。ここで、先行パーティーの取ったルートが参考になる。彼らは、どちらのパーティーも奥又側を巻いていた。私の持っている2冊のガイドブックは、それぞれ別の方を推奨していただけに、先行パーティーの選択は参考になった。 4峰より下は冬しか登ったことがなかったので、様子が分からなかったが、技術的に困難なところはほとんどなかった。そして、4峰のピークに立つと、3峰が行く手を遮る。先行パーティーを見ると、単独の人はいつしか女性2人パーティーを追い越し、2つめのチムニーの右手を登りはじめている。そこは本来のルートではないはずだが? 1ピッチ目は、奥又側の岩場をくの字を描く形で上に登っていく。ルートはいくつか取れそうだったが、中には懸垂下降用の支点があるので、間違わないようにできるだけ登りやすいルートを探す必要がある。 3ピッチ目は、一番楽しみにしていた凹角左のフェースだ。登山靴でしっかりとスタンスに立って、気持ちよく登る。そこを過ぎると、もう核心部は終わり。ただし、ザイルをほどくのも面倒なので、スタカットでそのまま登っていくことにする。2峰の下りも、クライムダウンで、難なく通過し、大勢の人たちが集う前穂高岳に10時少し前に到着した。遠く槍ヶ岳が美しい。そして、北穂、涸沢岳、奥穂高岳、ジャンダルムから西穂への稜線が見事だ。目を東に転じれば、蝶ヶ岳や常念岳、大天井岳、そして遠く燕岳も見える。左手の足下には、今登ってきた北尾根が、屏風の頭に向かって伸びている。反対側には、明神岳の稜線と、遠く乗鞍岳や富士山も見えた。 山頂でゆっくりと大休止を取って、岳沢に下っていく。重いザックが肩に食い込んでくるが、背負い紐の位置を少しずつずらして、肩の痛みをだましだまし下る。両膝には、先日手に入れたサポーターを巻いたため、痛みは感じない。2週間前に痛めた左足首も大丈夫だ。順調に岳沢に下り、Sさんにまたまたリンゴをプレゼントしてもらう。 北尾根は、岩になれている人たちには、技術的な困難さはないと思いますが、問題はルートファインディングだと思います。私も何度か迷う部分がありました。 記:網干 |