神山山行報告
NO.
日付
山名
参加者
会員 障害者(視障)
4名
健常者
5名
1
平成15年5月24日 神山 合計 14名 会員外 障害者
2名
健常者
3名
  コースタイム:早雲山駅(10:10)…早雲山(12:00,12:30)…神山(14:10,14:20)…
         坊ヶ沢分岐(15:10)…駒ヶ岳(15:50)…駒ヶ岳ロープウェイ(16:00)
天候: 曇り

 『山仲間アルプ』の第2回目の山行を、箱根の神山で実施しました。

 このところ、天気予報はまずまずなのですが、雲が多くあまりぱっとしない天気が続いていました。山行当日も、雲が多く稜線では、風もあってかなり寒かったのですが、それでも時々薄日も差して、まずまずの山行日和でした。

 箱根湯本の電車の時間を間違っていて、現地集合のみなさんには、心配をおかけしてしまいました。以後、気をつけますので、お許しください。

 強羅からケーブルカーに乗り継いで着いた早雲山駅から登りはじめます。ヤマツツジの咲く登山道をゆっくりと登っていきます。登っていく方向を見ると、鮮やかな新緑が目に優しく飛び込んできます。

 今回は、登山がはじめての視覚障害者の方(Tさん)も参加しました。今まで経験したことのない登山道を歩くのは、健常者の何倍も疲れることと思います。歩き方の要領もまだつかめていないため、気が付いたところをアドバイスしながら登ります。
 段差のあるところでは、斜面を蹴飛ばすくらい段差に近づいてから、できるだけ垂直方向に体重を移動しなければなりません。平地と同じように、前へ前へと言う登り方では、体力を消耗することを理解していただきました。また、必ず右左と歩くのではなく、大きな段差のところでは、一旦段差のすぐ下まで近づいて、両足をそろえてから片足を上に上げた方が良いことも説明し、理解していただいたと思います。
 最初の頃はぎこちなかった登り方も、次第に要領をつかめてきたようで、スムーズに登れるようになってきました。

 しかし、なかなか1,244mの早雲山に着きません。あそこがピークだと何度も言いながら、その都度間違っていて、申し訳ないことをしてしまいました。
 それでも、12時にピークに到着し、昼食にします。食事風景をビデオに収めて、また上を目指します。お中道の分岐を過ぎると、次第に道が岩混じりになって、歩きにくくなってきます。しかし、何やら三脚を立ててカメラを構えている人がいるなと思ったら、今回のお目当てのアカバナヒメイワカガミが咲いているではありませんか。さらに行くと、一面をピンクに染めて咲いています。みなさんの歓声がひときわ高くなりました。私は少しの時間、撮影タイムをいただき、かわいい花をカメラに納めます。

 通行止めとなっている大涌谷への分岐を過ぎ、神山への登りにかかります。このころになるとTさんはかなりこたえたようで、足下がふらついてきました。落ちるような危険なところはありませんが、もう山頂かなと思うと、まだ先だということを何度も繰り返し、Tさんもそんな話を信じなくなった頃、ようやく神山の山頂に到着しました。三角点に触ってもらい、そこが山頂であることを確認してもらいます。ものすごい量の汗をかいたTさんは、肌着からTシャツまで着替えます。

 山頂を過ぎると、しばらくは下りです。視覚障害者の方は、一般的に下りが苦手なのですが、Tさんは、順調に歩を進めています。所々、鮮やかなピンク色のミツバツツジが目立ってきました。坊ヶ沢とお中道への分岐を過ぎた気持ちの良いところで休憩し、最後の駒ヶ岳を目指します。岩場を慎重に登って、最後の草原を登ると、箱根元宮のある駒ヶ岳山頂に到着します。しかし、山頂は風が強く寒いので、すぐにロープウェーまで下ります。窪地には、タンポポが一面に咲いていました。

 今回は、サポートがはじめての方も参加していただきました。こちらの事前の説明不足な点もあったと反省していますが、みなさん、楽しんでいただけたでしょうか? 最初はなかなか難しいかも知れませんが、登山を障害の有無に関わらず共に楽しむことを、大きな目的にしていますので、花の写真を撮ったり、展望を楽しんだり、まずは自分自身が楽しむことを考えてください。その合間にサポートをする程度でかまいません。何回か経験して余裕ができてくると、サポートしながらも十分に楽しめるようになります。これに懲りず、またよろしくお願いします。

記:網干

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