笠取山山行報告
NO.
日付
山名
参加者
会員 障害者(視障)
2名
健常者
5名
1
平成15年11月2日〜3日 笠取山 合計 8名 会員外 障害者
1名
健常者
0名
 

コースタイム:
 11/2 雁坂峠入り口(10:20)…林道終点(11:30)…雁坂峠(15:35,15:50)…
     雁坂小屋(16:05)
 11/3 雁坂小屋(6:15)…水晶山(7:15,7:25)…古礼山(8:00,8:10)…雁峠(9:40,9:55)…
     笠取山(10:40,10:45)…雁峠(11:15,11:40)…新地平(14:05)

天候:
11/2 晴れ
11/3 曇り

★11月2日(日)
 塩山からタクシーで雁坂トンネルのゲートまで入りたかったが、西沢渓谷の手前から渋滞が始まり、運転手さんの「ここから歩いた方が早い」という言葉にしたがって、歩き始める。タクシーが止まったところは、ちょうど雁坂峠入り口のバス停直前だった。
 少し盛りを過ぎた紅葉を、それでも楽しみながら舗装道路を登っていく。しばらく行くと、タクシーで入る予定だったゲートが見えた。ここで1時間はロスしているため、この先の行程が少し気がかりだ。

 林道を過ぎ、沢に沿った左岸沿いの道をゆっくりと登っていく。所々、美しい紅葉が迎えてくれる。枝沢を渡り、さらに本流の峠沢を渡って、今度は右岸沿いに登っていく。
 昔の人たちは、こんな道を越えて、甲州と武州を行き来したのかと、しばし感慨にふける。登山道脇には、枝に赤い実をぶら下げたマユミが美しい。井戸沢を渡ると、そこから急登になるが、道はジグザグに付いていて、それほどきつくはない。登っていくと、クマザサ帯が現れ、次第に展望が良くなる。三角錐の立派な黒金山と麓の紅葉が美しい。斜面をトラバース(横切り)し、少し登ると、そこが日本三大峠の雁坂峠だった。明日越えていく予定の水晶山の右手には、富士山がひときわ高く聳えていた。

 峠から15分くらい下ると、煙突から煙を上げる雁坂小屋に到着した。部屋の場所などを案内してもらい、小屋から外に出たら、どこかで見かけた顔が。お互いに、顔を見合わせる。BSEの疑いのある私は、なかなか名前を思い出せず、聞くとTさんだった。Tさんは、今回は、新ハイキンググループの個人山行で来ているそうだ。
 小屋に入って、新ハイのみなさんに挨拶をして、隅でこちらも乾杯をさせてもらう。飲んでいたメンバーも、消灯の8時少し前に布団に入って休む。


★11月3日(月)
 昨日、お願いしていた5時半に朝食を取り、6時15分に小屋を出発する。今日行く方向と反対になる雁坂峠方面には向かわず、これから縦走する方向の稜線に向けて登り返す。

 稜線にでて、水晶山を目指す。倒木は、多量のコケに覆われ、緩やかな時間の流れの中で土に帰ろうとしている。全盲のAさんにもコケに触れてもらい、ふかふかの感触を味わってもらう。
 緩やかに登っていくと、水晶山に到着。今回の山行での最高峰だ。ここからは、いくつかのピークを越えながらも、次第に下っていく。時々、樹林が切れて、展望が良くなる。黒金山や南側には大菩薩嶺が見え、東側に和名倉山が見えるところもあった。古礼山を越え、シャクナゲが現れ始めると、燕山(つばくらやま)に到着。少し休んで、雁峠に向かって下る。少し下ると、正面に急角度でせり上がる笠取山が見えてきた。その下には、草原状の雁峠が広がっている。ジグザグの道を通らず、直線的に下る道を選んで下る。
 雁峠は、クマザサなどに覆われた草原だが、さすがに風が強い。休憩は雁峠小屋でしたいと思い、行ってみたが、小屋は無人で荒廃していた。しかも、小屋へ通じる道には、白い紙とみたくないものがあった。
 小屋に通じる道に入る手前で、ザックを置いて笠取山を往復することにする。少し行くと、素晴らしい草原が広がっていた。風に揺れるススキの穂が美しい。小さなピークに立つと、そこには「小さな分水嶺」の看板と、石碑があった。石碑は、三面になっていて、富士川と多摩川、そして荒川と書いてある。ここが、三つの川の分水嶺になっているところだ。
 草原を越え、笠取山山頂に通じる最後の急登にかかる。ここは、防火帯なのか、山頂から一直線に木が刈り払われているようだ。最後の岩場を、岩に掴まって越えると、山頂に到着。先に着いたメンバーは、水神社の水をみたいと先に山頂をあとにして、下っていった。山頂は、素晴らしい展望だが、雲が迫ってきて、時折、視界を遮る。

 山頂をあとにして、雁峠に戻る。風を避けて、昼食をすませ、風の吹き付ける西側に向かって下り始める。少し下りると、嘘のように風がなくなった。何度か沢を渡り返し、林道に到着。今年初めてツグミの声を聞いたり、沢に沿って飛んでいくカワガラスをみたりしながら、新地平のバス停を目指す。道路工事の現場などを過ぎ、道を大きくカーブすると、広瀬湖が見えてきた。バス停に着き、トイレをすませ、ビールで乾杯を始めると、雨が降り始めた。何というラッキー。歩いている途中で降られなくて良かった。

 傘を差してバス停に立っていてくれたTさんのあとに続き、塩山行きのバスに乗り込む。

記:網干

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