苗場山山行報告
NO.
日付
山名
参加者
会員 障害者(視障)
3名
健常者
7名
1
平成16年8月28日〜29日 苗場山 合計12名 会員外 障害者
1名
健常者
1名
  コースタイム:
  8/28 和田小屋(9:25)…六合目(10:00)…下の芝(10:50,11:00)…中の芝(11:35,12:00)
      …神楽ヶ峰(12:40)…雷清水(13:00,13:15)…苗場山、遊仙閣(14:10)
 8/29 遊仙閣(7:00)…和山への分岐(7:40)…三合目(10:40,10:55)…小赤沢(12:20)
天候:
8/28 晴れ後霧8/29 曇り

★8月28日
 国境の長いトンネルを抜けると青空が広がっていた。みんなから歓声が上がる。越後湯沢でAさんと合流し、タクシーに乗り込み、和田小屋まで入る。和田小屋までは、タクシーでなければ入れないので、30分得をした感じだ。

 和田小屋から、スキー場の脇の、石が多く滑りやすい道を登る。地図には湿気の多い道と書いてあるが、確かに滑りやすい。登山道は、沢から離れ尾根に向かって登っていく。尾根に出たところが下の芝だ。ここで少し休憩。イワショウブやオヤマリンドウがたくさん咲いていた。今回の山行では、とにかくオヤマリンドウが多かった。

 右手にリフトを見ながら、中の芝に向けて登る。中の芝で少し早いが昼食にする。ちょうどこの付近から上は、雲の中に入るようだ。上の芝を過ぎると少し平坦になり、見落としてしまいそうな神楽ヶ峰に着く。AさんとMさんは、見落としてしまい、先に下ってしまったようだ。登山道には、コゴメグサがたくさん咲き、一面を白く染めているようだ。
 AさんとMさんに待っていてもらって、雷清水で休憩し、自分の水筒と共に、遊仙閣行きと書いたケースに入ったペットボトルに水を汲んで歩き始める。小屋行きの2リットルの水が追加されたザックは、急に重くなった。しかし、先頭グループはどんどんペースが上がる。時折、雲の下に日を浴びた山肌が顔を出し、貴重なものに出会えたような感動を与えてくれる。山頂への登りは、覚悟していたが、どんどん急になっていく。

 急登を頑張ると、突然平原に出る。ここが頂上湿原の一角だ。ガスっていて、遠くまで見えないが、木道の脇には、池塘が点在している。苗場山と書かれた看板の前で記念写真を撮り、遊仙閣に入る。名前に似合わず、素朴な小屋は親しみが湧く。ひょんなことから小屋のご主人から名刺をいただくことになり、そこに書かれた名前を見て、もしかして「谷川岳ヒゲの大将」こと高波吾策さんの息子さんですかと聞いたら、その通りだった。親父さんのことを知っていたので喜ばれたのか、一升瓶を出していただいた。夕食のあと、吾策さんのビデオを見せていただいたり、山の歌を歌ったりしながら消灯までの時間を楽しんだ。

★8月29日
 朝、外を見ると、ガスが切れて、滝雲の流れる谷川連峰が見えていた。朝日も時々顔を出し、雲の切れ間からは青空も見えた。白砂山方面は雲の中だが、苗場山の頂上湿原は、一面見渡すことができる。谷川連峰や白砂山などに囲まれて、苗場山には雲がかからなかったのだろう。

 朝食のあと、小屋のご主人と一緒に小屋の前で写真を撮り、下山にかかる。木道を歩きながら、頂上湿原に点在する池塘を楽しむ。鳥甲山の向こうに北アルプスの山肌も見えていた。気持ちの良い湿原を過ぎ、樹林帯の滑りやすい大きな石がごろごろするところを過ぎると、また湿原に飛び出す。ここから、和山への分岐を分けて、小赤沢方面への急斜面を下る。トラバース気味に急な下りが続く。所々で、鎖場も現れ、慎重に下る。途中、シラヒゲソウが咲いていた。これは、ナデシコの中まではなく、ユキノシタ科だった。
 七合目には、ヒカリゴケが見られると聞いたので、楽しみにしていたが、見つけることはできなかった。

 急な下りも終わり、次第に緩やかになってきた。今回、初参加の17歳N君に、Mさんのサポートをしてもらう。何十歳も年上のMさんだが、しっかりとサポートをしていた。
道は傾斜は落ちたが、まだ木の根の大きな段差などがあり、視覚障害者の方にとってとても歩きにくいため、なかなかサポートは厳しい。それでも、N君は、頑張って1時間ほどサポートをしてくれた。四合目の水場で休憩し、さらに下り、ようやく駐車場やトイレのある三合目に到着。さらに、登山道を下り、沢を渡って林道に出た。ツリフネソウやゲンノショウコがたくさん咲いていた。

 舗装道路を下り、小赤沢川を渡って、小赤沢温泉の楽養館で赤い温泉に入って汗を流し、越後湯沢から来てもらったタクシーに乗り込み、越後湯沢の駅までぐっすりと眠った。

記:網干

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