立山・奥大日岳山行報告
NO.
日付
山名
参加者
会員 障害者(視障)
2名
健常者
7名
1
平成17年7月29日〜8月1日 奥大日岳・立山(雄山) 合計 10名 会員外 障害者
0名
健常者
1名
  コースタイム:
  7/30 室堂(8:45)…雷鳥荘(9:40,10:00)…別山乗越(11:25,11:50)…
      奥大日岳(14:40,14:55)…雷鳥荘(18:40)
  7/31 雷鳥荘(7:20)…室堂バスターミナル(8:10)…一ノ越(9:55,10:20)…
      雄山(11:55,12:20)…室堂山荘(14:50)
天候:
7/30 曇り後晴れ
7/31 晴れ後曇り一時雨

★7月30日
 7月29日の夜行急行「能登」で富山駅に着き、コンビニで朝食などを買い込んで、電車で立山駅に向かう。立山駅からケーブルで美女平へ、さらにバスで室堂に向かう。富山駅に下り立った時はどんよりとした曇り空だったが、立山駅に着く頃にはうっすらと青空も見え始めてきた。バスの中から立山杉や称名滝を見物し、弥陀ヶ原に着く頃には青空が広がり、薬師岳がよく見えていた。
 室堂バスターミナルを出ると早速ヨツバシオガマやタテヤマリンドウ、チングルマ、コイワカガミなどが出迎えてくれる。ただ、周囲の山々は、雲の中で姿を確認することはできない。ミクリガ池に着く頃、何か動いたと思って振り向くと、オコジョが石畳の上にいた。しかし、あっと思うまもなく、茂みに姿を隠してしまった。

 雷鳥荘に着き、不要な荷物を預かってもらい、奥大日岳に向かう。石の階段を下り、テント場となっている雷鳥平を過ぎると木の橋を使って沢を渡る。サポートをしているため、落ちないように慎重に通過する。
 ここから別山乗越への道を分け、緩やかに登っていく。コバイケイソウが咲き乱れ、ハクサンイチゲやチングルマも満開だ。ミヤマキンバイ、ミヤマキンポウゲなど黄色の花も咲き、赤いクルマユリも咲いていた。
 次第に傾斜を増してくると残雪が行く手をふさいでいたが、残雪上部の雪と地面の境目(ベルクシュルント)の中に入り込んで越える。この残雪を越えると、ほどなく室堂乗越に到着した。ここで、昼食にする。残念ながらガスに巻かれて、何も見えない。

 乗越からも緩やかに登っていく。カガミタン乗越という小さなピークを過ぎるとこれから登る山が目の前に現れてきた。奥大日岳手前のトラバースするピークだが、初めて視界が開けたので、これからガスが晴れることに期待が持てた。
 岩混じりの道を慎重にトラバースする。今年は、コバイケイソウの当たり年のようだ。次々に群落が現れる。ハクサンフウロも咲いている。時間的に厳しくなってきたが、15時を引き返す期限として、行けるところまで行くことにする。トラバースを終えた頃、振り返ると立山がきれいに姿を現した。シナノキンバイの群落もあったし、念願のミヤマクロユリも咲いていた。

 遅くなったが、14時40分に奥大日岳に到着した。残念ながら剣岳方面はガスに巻かれて見えないが、立山をバックに記念写真を撮影する。足下にはトウヤクリンドウも咲いていた。時間が迫っているので、ゆっくりできない。早々に山頂を後に下山にかかる。夜行での寝不足が応えているのだろう、歩みが非常にゆっくりになる。山腹をトラバースして下り、反対側の風景が開けた時、剣岳がその偉容を現してくれた。視覚障害者のIさんが、剣岳のというのは特別の山なのかと聞く。やはり、全山岩山で、山頂に到達することがもっとも困難な山で、姿も三角錐のまさに「山」と言える山なんだと答える。

 室堂乗越手前で、雷鳥荘に電話を入れ、到着が18時を過ぎそうなことを連絡する。ようやく室堂乗越に到着し、雪渓を慎重に越えて下っていく、木道に達し、沢にかかる木の橋を渡る手前で、数人の人に先に雷鳥荘に向かってもらう。視覚障害者のNさんとIさんは、かなり疲れたようで、残りのメンバーとゆっくり登っていき、ようやく雷鳥荘に到着した。
 雷鳥荘では、先に夕食を取り、温泉に入って汗を流す。夜、外に出てみると、満天の星空だった。

★7月31日
 今朝は、すばらしい天気で夜が明けた。昨日の状況で、別山から雄山への縦走は止め、一ノ越から雄山の往復に変更する。昨日は、登る気力の湧かなかった人も、一晩寝て元気が出てきたようだ。まずは、室堂バスターミナルに行って、コインロッカーに不要な装備をデポする。
 そこから石畳の道を一ノ越に向けて登り出す。私は室堂山荘に行き、帰りに入浴できるか確認する。雪渓を何度か横切り、最後の登りにかかる。ジグザグの道は7回のつづら折りとなっていた。
 ハクサンイチゲやチングルマ、コバイケイソウ等を見ながら登ると、イワツメクサも咲いていた。小さな紫色の花は、何だろうか?残念ながら、良く分からなかった。
 一ノ越に着くと、霞の中からわずかに烏帽子岳や野口五郎岳方面が見えていた。竜王岳は岩ばかりの姿で、聳えていた。ここから、急な登りが続くが、人がものすごく多い。順番待ちなどをしながら、ゆっくりと登っていく。岩の上に、チシマギキョウが咲いていた。途中の傾斜の落ちた広いところに着くと山頂の社務所が間近に見えてきた。ここから最後の登りをがんばって、ようやく雄山の三角点に到着した。一時は登れないのではないかと思っていた人も登ることができ、全員で山頂に立てて良かった。山頂からは、鋭く尖った針ノ木岳も見えた。また南部に目をやれば、五色ヶ原と越中沢岳、そしてうっすらと薬師岳も見えていた。
 標高3003mにある雄山神社は、参拝料が取られることと時間的なこともあって、行くのを止めここで昼食とする。雲行きも怪しいため、早々に下山にかかる。岩の道が続くため、慎重に下る。それでも、登りより遙かに短い時間で、一ノ越に戻ることができた。ここから、バスターミナルにデポした荷物を取ってきてもらうため、3人の人に先に下ってもらう。後のメンバーは、ゆっくりサポートしながら、下っていく。あともう少しで室堂山荘だというところで、急に雨が降り始めた。雨具を付けて先を急ぐ。ようやく室堂山荘に着くと、まだ先発の3人が来ていなかった。みんな揃うのを待って入浴をし、バスターミナルに行って、バスに飛び乗る。

 あとは、富山駅のステーションビルを出たり入ったりしながら、やっと場所を決めて、今回の打ち上げをする。すっかりできあがったおかげで、夜行高速バスの中では、ぐっすりと眠ることができた。

記:網干

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