会津駒ヶ岳山行報告
NO.
日付
山名
参加者
会員 障害者(視障)
2名
健常者
3名
1
平成17年8月6日〜7日 会津駒ヶ岳 合計 6名 会員外 障害者
0名
健常者
1名
  コースタイム:8/6 滝沢登山口(11:30)…ヘリポート跡(12:10,12:30)…水場(13:25,13:50)…
            駒ノ小屋(16:00)
         8/7 駒ノ小屋(5:25)…会津駒ヶ岳(5:45.5:50)…中門岳(6:20,6:50)…
            駒ノ小屋(7:30,7:50)…水場(9:00,9:20)…滝沢登山口(10:45)…
            駒ノ湯(11:15)
天候:
8/6 快晴
8/7 曇り

★8月6日
 会津高原駅からタクシーで登山口に向かう。檜枝岐村では、スキー場にシートで保存していた雪を使って、滑ったりする夏の雪祭りをしていた。

 林道終点の滝沢登山口から急な階段を登り始める。道はジグザグについているため、よじ登るほどの急登ではないが、標高が低く暑いため、汗が玉のように噴き出してくる。汗を拭き拭き登ると、樹林が切れたヘリポート跡に到着し、ここでお昼にする。ここに休んでいたお二人とは、小屋でもご一緒し、帰りの駒ノ湯でもご一緒することになった。

 さらに続く急な登りを頑張り、降りてきた人に「水場は近いですか?」と聞くと、自分の持っていた水筒を出して、触らせてくれる。こんなに冷えた水が飲めますよと言うことだった。そこから、少し行くと念願の水場だった。
 わき水が設置されたパイプから、勢いよく流れている。ペットボトルに入れると外側にすぐ水滴ができるくらい冷えている。とにかく冷たくて美味しい水だった。しかし、ここで各自3リットルの水を担ぐことになる。今回の最年少16歳のS君には5リットルを持ってもらった。それでも、あまり重くないと、力強い言葉。

 水場を過ぎると、傾斜が落ち、緩やかに登るようになる。足下には、マイヅルソウが実を付けていた。他にも、タケシマランのサクランボのような赤い実や、ニガナ、コバイケイソウなどが咲いていた。
 山頂まで、あと何キロという標識に励まされながら、少しずつ高度を稼ぐ。登るにつれて、ツマトリソウやアカモノ、ミヤマリンドウなどが花が出てきた。樹林の切れ間からは、大戸沢岳が見え始め、振り返ると田代山も見えてきた。行く手には、駒ヶ岳と駒ノ小屋が見え始めると、ちょうど良いベンチがあった。ここで休憩し、木道の道を登っていく。左手には尾瀬の燧ヶ岳が見えている。足下には、チングルマの綿毛が風に揺れている。
 登り付いて小屋に着くと、S君は一人で山頂を往復し、あっという間に戻ってきた。

 小屋で受付を済ませ、外のベンチで夕食の準備を始める。貴重な水を大事に使おうと、今回はレトルトを中心に持ってきてもらった。Nさんが持ってきてくれた貴重な焼酎を一口ずついただいて乾杯し、豊富なつまみをいただく。

★8月7日
 夜は、星空が見えたが、夜が明けるとガスに巻かれて何も見えなかった。それでも、時折、上空に青空がのぞき、雨の心配はいらないようだったが、Yさんが持ってきたサブザックに雨具や水を入れていただき、山頂を目指す。
 木道の周囲には、ハクサンコザクラやコイワカガミ、チングルマが美しい。しかし、何といってもコバイケイソウの存在感は大きかった。今年はどこに行っても、コバイケイソウは大群落を作っているようだ。

 霧に巻かれた幻想的な木道を歩き、山を左から巻いて、巻き道との分岐に着くと、山頂はすぐだった。大きな木でできた立派な山頂標識を囲んで、記念写真を撮り、すぐに中門岳に向かう。周囲は、イワイチョウやチングルマ、ハクサンコザクラ、ミヤマキンポウゲ、そしてコバイケイソウの群落が次々に現れる。霧に巻かれながらも、次々に現れる池塘とお花畑を楽しみながら進むと、大きな池の前に飛び出し、そこに中門岳の標識があった。山頂らしくないが、この周辺一帯が中門岳のようだ。池からさらに行き止まりのところまで行ってみる。
 行き止まりに来ると、キンコウカが咲き、モウセンゴケが蕾を持ち上げていた。良い場所だなと思っていると、不意にガスが切れ、太陽が姿を現した。ガスの切れ目からは、低い位置に雲海に浮かぶ山並みが見え、足下のチングルマは、輝いた露を綿毛にいっぱい蓄えている。一瞬の時間だったが、輝きに満ちた湿原の美しさは、幻想的で瞼にいつまでも余韻を残してくれた。一瞬だったからこそ、その余韻が大きかったのかも知れない。

 すばらしい宝物を得たような気持ちを胸に、駒の小屋に引き返す。小屋に預けておいた重いザックを背負って、下山にかかる。下るにつれて青空が広がってきた。早朝、登山口を出発した人たちが次々に登ってくる。
 登りの時に撮らなかった、タケシマランやマイヅルソウの実を撮影しながら下る。すると、「フィルムを持っていませんか?」という声が耳にはいる。ちょっと驚いたが、本当に困っている感じだったので、リバーサルフィルムならありますと言うと、喜んで受け取っていただき、少しだけ得をしてしまいました。

 水場で冷たい水を飲み、ぐんぐん下って、林道に出る。そこから近道を通って国道に出て、御池(みいけ)側に少し行ったところにある駒ノ湯に入って汗を流した。ビールで乾杯し、会津高原駅に向かうバスの中は、爆睡状態で、あっという間に駅に着いてしまった。

記:網干

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