白神山地山行報告
NO.
日付
山名
参加者
会員 障害者
5名
健常者
13名
1
平成19年
6月1日〜3日
藤里駒ヶ岳・白神岳
・大崩
合計 19名 会員外
(賛助員含む)
障害者
0名
健常者
1名
  コースタイム:
6/1 駒ヶ岳登山口(9:55)…冷水沢コース分岐(10:55-11:00)…
   藤里駒ヶ岳山頂(12:15-12:55)…登山口(14:35)
6/2 白神岳登山口駅(7:05)…登山口広場(7:55-8:05)…二俣分岐(8:50-8:55)…
   最後の水場(9:40-9:55)…蟶山分岐(10:35-10:40)…白神岳(12:40-13:10)…
   最後の水場(16:25)…白神岳登山口駅(17:20)
6/3 十二湖リフレッシュ村(7:15)…青池(7:45)…大崩(9:40-9:45)…青池(11:25-12:30)…
   王池キャンプ場バス停(13:35)
天候:
6/1 快晴
6/2 晴れ後快晴
6/3 快晴

★6月1日
 夜行高速バスを二ツ井で下車し、第1観光バスのマイクロバスに乗車して、駒ヶ岳登山口に向かう。途中、白神山地世界自然遺産センターに立ち寄っていただき、ガイドブックなどをいただく。

 舗装道路から凸凹の激しい林道となり、道路脇にシラネアオイやキクザキイチゲの花が見えてくると、駒ヶ岳登山口に到着した。トイレを済ませ、タムシバなどの咲く登山口を後に出発した。歩き始めると、すぐにキビタキの出迎えだった。運良く姿も見つけられた。小さな沢を渡り、足下の花を楽しみながら行くと、田苗代湿原(たなしろしつげん)に到着した。ここには、ミズバショウやショウジョウバカマ、ザゼンソウ、エゾノリュウキンカなどが咲いていた。

 田苗代湿原を過ぎ、冷水沢コースへの分岐を過ぎると、次第に道は険しくなってくる。急登を頑張り振り返ると、白神岳方面が見えるようになってきた。山頂から見える景色に期待して、急登を頑張る。木々の隙間に青空が見え始めると、一がんばりで、山頂に続く尾根に飛び出した。左側が切れているので、慎重に進むが、足下にはシラネアオイがきれいに咲いている。ヒメイチゲやツバメオモトも楽しめた。振り返ると、岩木山がひときわ高く、富士山のように裾を引いている。残念ながら山頂は雲の中だったが、きれいな山容が楽しめた。

 山頂に到着すると、すばらしい展望が楽しめた。二ッ森や小岳、そしてその向こうには、残雪を抱いた白神岳と向白神岳が、よく見えている。岩木山と、その右手には、遠く八甲田連峰も見えていた。
 昼食を済ませ、尾根コースから登山口に下山する。途中、残雪があり、少し苦労したが、Yさんの適切なエスコートで、無事に通過し、14時30分過ぎに登山口に到着した。ここからマイクロバスで八森の宿泊場所まで送っていただき、今朝、東京駅を出発した人たちと合流し、温泉に入ったり、夕食を食べたりして、懇親を図った。

★6月2日
 今日は、白神山地の主役「白神岳」に登る日だ。五能線を乗り継いで、白神岳登山口で下車。駅の近くの民家の方にお願いして、寝袋や着替えなど登山に不要な装備を預かっていただく。このおかげで、予定どおり山頂を登れたようなもので、深く感謝します。

 舗装道路を歩き、登山口広場でトイレを済ませて、登山道に入っていく。斜面をトラバースしながら登っていくと、二俣分岐に到着した。この付近から、猛烈な虫の大群にまとわりつかれて、みんな辟易することになる。しかし、ブナの新緑は澄んだ緑で美しく、目に優しい。虫が多いのも、自然の豊かさの証だろう。最後の水場で冷たい水を飲み、水筒にも満たして、登り始める。ここからしばらくは急な登りとなる。シラネアオイも咲き始めてきた。野鳥は、とにかくキビタキが多い。コルリやホトトギス、ツツドリ、オオルリなどの声もした。

 蟶山分岐からは、傾斜が落ち、緩やかな登りが続く。ブナの新緑がとにかく美しい。朝はすばらしい天気だったが、山頂付近に雲がかかり始めた。樹林帯から抜け出ると、雲の切れ間から山頂とトイレ小屋の屋根が見えた。足下には、オオバキスミレやミヤマキンバイが咲いている。顔を上げると、ヤマザクラの花が満開だった。白神岳の山腹は、ヤマザクラの茶色の葉や芽吹きの淡い緑のコントラストがすばらしく、やわらかな色合いを出している。ブナの森を上から見ると、もこもことした感じがする。稜線に出ると、向白神岳が見えてきた。昨日登った藤里駒ヶ岳も見えてきた。山頂に着くと、海岸線の向こうに遠く鳥海山が見えていたようだった。
 相変わらず多い虫を無視しながら昼食とする。昼食後は、来た道を引き返す。よくこんなに登ったなと思うくらい、下山にも時間がかかった。登山口の車道に着いて、ホッと一息。車道を下り、振り向くと白神岳が残照を浴びて、神々しく見えた。空には雲一つなくなっていた。

 白神岳に登らず、十二湖を散策した人たちと十二湖駅で合流し、サンタランドの送迎バスに乗り込み、サンタランドで夕食とする。夕食後、十二湖リフレッシュ村まで送っていただき、ログハウスで今日の登頂を祝いあった。夜、上空には北斗七星が広がり、近くでキョキョキョキョキョというヨタカの声が聞こえた。

★6月3日
 今日は、大崩までの予定だが、体調を崩した人もいたので、いくつかのグループに分かれて、時間を過ごすことにする。大崩へは、昨日のんびりコースを楽しんだ人たちを中心に12人で向かう。
 朝のさわやかな空気の中、ブナの原生林を抜け、青池に下りる。まだ光が当たっていないため、美しい色合いにはなっていなかった。鶏頭場の池から登山道に入るが、近くでキョロロロロというアカショウビンの声が聞こえた。昨日のんびりコースの人たちが見つけたところと同じ付近だ。大きなレンズのカメラを構えた人が数人いたので、その付近にいることがすぐに分かり、こちらも観察させていただく。初めて見た赤い鳥、アカショウビンに感激だ。ビデオと写真に収めて、登山道に向かう。

 沢状のところを詰め、迂回路と書かれたところを登る。次第に急になり、周囲はハルゼミの大合唱となる。平坦なところに出たところで休憩し、最後の登りにかかる。途中、展望の良いところで、展望を楽しみ、さらに登ると、クマの糞のようなものがあった。こちらは、強力なスピーカーを持った人たちばかりなので、クマも怖がって逃げるだろう。
 山腹をトラバースし、ニリンソウの咲く斜面を過ぎると、大崩に到着した。足下に十二湖と日本海が広がり、すばらしい展望だ。しかし、大勢の人がいると、押されて落ちかねないので、交替でピークに立つ。
 大崩から来た道を引き返し、鶏頭場の池で、またアカショウビンと出会って、撮影タイムとトイレタイムになる。かなり時間がかかったため、そのまま昼食を取って、青池から沸壺の池に向かう。青池は底までよく見える透明度の高い池で、神秘的な色をしていた。泳いでいるイワナが何匹も見えた。沸壺の池は、エメラルドグリーンときれいな緑色の池で、こちらも楽しめた。沸壺の池から十二湖庵に下り、抹茶をいただく。そこから車道を歩いて、王池キャンプ場前で一息入れてからバスに乗り、十二湖駅で全員合流し、五能線のディーゼルカーに乗り込んで、帰路に就いた。車窓からは、昨日登った白神岳が見え、反対側にはきらきら輝く日本海が見えた。心地よい疲れに、いつしか眠りに落ちていた。

記:網干

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