尾瀬アヤメ平山行報告
NO.
日付
山名
参加者
会員 障害者
1名
健常者
8名
1
平成20年5月28日〜29日 尾瀬アヤメ平、尾瀬ヶ原 合計 9名 会員外
(賛助員含む)
障害者
0名
健常者
0名
  コースタイム:
5/28 鳩待峠(13:20)…横田代(15:05-15:15)…アヤメ平(16:00-16:05)…
    富士見小屋(16:25)
5/29 富士見小屋(7:20)…竜宮(10:00-10:10)…山ノ鼻(11:30-12:20)…鳩待峠(13:25)
天候:
5/28 曇り後霧、
5/29 雨

★5月28日
 尾瀬戸倉で高速バスを降り、乗り合いタクシーに乗り換えて、鳩待峠に向かう。車窓からの新緑が美しい。ムラサキヤシオツツジも咲いている。空を見ると、太陽に美しい暈がかかっている。薄日の差す天気だったので、絹層雲にできた暈だろう。天候悪化の前兆だ。
 鳩待峠では、Yさんが、トマトやウインナーなど具の豊富な美味しいスープを作ってくださった。ほどよい酸味のスープで体が温まり、アヤメ平に向けて出発する。

 最初だけはやや急だが、次第に傾斜は落ちてくる。ブナの木に付けられた赤ペンキは、5m程上にある。冬はあの近くまで雪が積もるのだろう。登るにつれて、次第に雪が増えてくる。降りてくる人たちは、この先、雪がたっぷりあることを教えてくれた。

 傾斜が緩すぎて、標高はなかなか上がらない。途中、登山道の脇にあった雪の広場から至仏山がよく見えた。ここで、みんなで記念写真を撮る。
 時々木道などが現れて、そこが登山道であることが分かるが、ほとんどが雪の上を歩くようになってきた。傾斜が緩いこともあり、軽アイゼンは付けないで行く。緩いながらも登っていくと、ようやく横田代に到着した。一面枯れ野原で寒々とした風景が広がる。行く手には燧ヶ岳が見え、振り返ると至仏山が大きく見えていた。足下の枯れ野原にも、ショウジョウバカマが咲いていた。少し離れたところには、ミズバショウも咲いていた。他には、イワナシの花も見つけた。

 ここまで来ると、もうほとんど登りはない。今回、最も標高の高い中原山(1,969m)を過ぎるとアヤメ平に到着する。ここは数十年前に踏み荒らしなどで、植物が育たなくなっていたが、尾瀬を守る人たちのおかげで、かなり回復してきたそうだ。いくつもの池塘が、広がっていた。

 登山道が時折南側の斜面を巻くようになると、南側の山腹と林道が見えてきた。小さな湿原を過ぎ、竜宮十字路への登山道を分けると富士見小屋に到着する。小屋の親父さんが出迎えてくれた。
 私たちが今年最初の泊まり客だそうだ。しかも、今日は貸切だという。小屋の美味しい食事をいただき、70歳を越えた親父さんの話を聞いたり、山の歌を歌ったりして、夜は更けていった。

★5月29日
 夜半から、強い風が小屋に吹き付け、雨もかなり降ってきたようだった。天気が悪いことと、雪が深くて皿伏山から先のルートファインディングが難しいことから、予定を変更して、長沢新道を使って竜宮に下り、山ノ鼻経由で鳩待峠に戻ることにする。
 朝食をいただき、軽アイゼンを付けて7時20分に小屋を出る。小屋の親父さんが雪の時だけ歩ける近道を教えてくださるというので、案内していただき、富士見田代まで登った。ここで分かれて、長沢新道に入っていく。ここもずっと雪道だったが、赤テープがしっかりと付けられて、迷わずに下れた。このルートは風下側になるので、風もほとんどなかった。

 下ってくると雪が少なくなり、ブナの新緑が鮮やかになってくる。樹林の切れ目から下田代方面の尾瀬ヶ原が望めた。途中から沢沿いの道となり、なだらかに下っていくと、目の前が開け、一面にミズバショウが咲き乱れていた。コースを変更したおかげで、見られた風景だが、やっぱり尾瀬に来たら、この風景に出会わないと、尾瀬に来た気持ちがしないなと感じる。雨が少し強くなってきたが、カッコウの声も聞こえ、気分はハイになってくる。リュウキンカなども見ながら歩き、竜宮小屋で休憩する。小屋の脇にはヤマザクラが咲き、ニリンソウも咲いていた。

 ここからは、尾瀬ヶ原の中心ルートを歩く。さすがに今までと違って多くの人たちと行き交う。緩やかに蛇行する大堀川の畔にはミズバショウが咲き乱れ、写真に最適の場所だ。
 牛首、上田代と過ぎ、山ノ鼻に到着する。ここで今日はじめてザゼンソウに出会った。山ノ鼻では、Yさんから今度はサラダをご馳走になった。Mさんからはコーヒーも湧かしていただき、みんな感謝の気持ちでいっぱいだった。

 鳩待峠に登り、乗り合いタクシーで富士見旅館まで運んでもらう。ここは、富士見小屋と同じ経営だそうだ。旅館に着いたら、小屋でお世話になった奥様たちが迎えてくださった。温泉に入り、休憩室でくつろいでいると、親父さんも現れた。
 雨で寒い一日でしたが、身も心も温まって、高速バスに乗り込みました。

記:網干

 

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