第3回自然と親しむ子ども山登り教室(硫黄岳)山行報告
NO.
日付
山名
参加者
会員 障害者
1名
健常者
17名
1
平成21年7月4日〜5日 硫黄岳 合計 18名 会員外
(賛助員含む)
障害者
0名
健常者
0名
  コースタイム:
7/4 美濃戸口(11:30)…美濃戸(12:40-13:10)…赤岳鉱泉(15:25)
7/5 赤岳鉱泉(6:15)…赤岩の頭(8:00-8:15)…硫黄岳(8:40-8:55)…硫黄岳山荘
   (9:10-9:40)…赤岳鉱泉(11:40-12:10)…美濃戸(13:40-14:00)…美濃戸口(14:50)
天候:
7/4 曇り一時晴れ、
7/5 曇り一時晴れ

★7月4日
 昨晩の雨も上がり、新宿駅からスーパーあずさで茅野に向かう。高い山は雲に隠れて見えないが、雨は降っていないようだ。

 茅野駅からバスで美濃戸口に入る。ここから登山開始。長い林道歩きが始まる。最年少のI君は、電車に酔ったせいか、調子が出ないようだ。

 美濃戸山荘で休憩し、北沢に向かう。足下には、シロバナノヘビイチゴがたくさん咲き、頭上ではキビタキの軽やかな声が聞こえる。キビタキを探していると、目の良い子どもたちが見つけてくれた。さらに行くと、今度はオオルリが目立つ枯れ木に止まって囀っていた。

 林道の終点で休憩すると、子どもたちはうれしそうに沢に降りて遊んでいる。ここから登山道になる。沢に添って登っていく。足下には、キバナノコマノツメが無数に咲いている。山道に入ったら、I君も調子が戻ってきたようだ。

 途中で、ルリビタキやコガラが、すぐ近くを飛び交ってくれて、楽しませてくれた。何度か橋を渡っていると、雲間から横岳にある大同心の岩峰が姿を見せてきた。滑りやすい沢筋の岩場を通り過ぎ、沢に添って登っていく。今日は、沢の水量が非常に多く感じる。雪解けと梅雨による雨で増水しているのだろう。

 順調に登っていくと、木の間から赤岳鉱泉の屋根が見えた。手続きを済ませ、個室に案内していただく。朝食も、通常より30分早くしていただけることになった。

 鉱泉に入って汗を流すことができ、とても気持ちよい。風呂上がりに、ミーティングをしたが、盛り上がらないため、子どもたちの夢を少しだけ聞いて終わることにする。その後は、自由時間として、外のベンチでくつろぐ。子どもたちは、小屋の中を探検したり、トランプをしたりしていたようだ。小屋の夕食は、焼き肉だった。

★7月5日
 夜半に目覚めて、外に出てみたが、雲におおわれていて星空は望めなかった。
 朝起きても、上空はどんよりした雲に被われていて、山々は見えなかった。しかし、雨が降っていないだけでも良いとしよう。

 朝食を済ませ、6時15分に出発する。沢を3本渡り、金属製の階段から急な登りが始まる。足下には、コイワカガミやオサバグサ、ミツバオウレンがたくさん咲くようになってきた。ルリビタキやメボソムシクイの歌声も、にぎやかだ。シラビソの樹肌は、鹿の食害で痛々しい。

 高度を上げるにつれ、雲が薄くなってきたようだ。麓の方には青空も見え始めている。山頂に着く頃、雲が切れて展望が広がることを期待して、ゆっくりと登っていく。
 木々の高さが低くなり、シラビソの林からダケカンバの林に変わるようになると、いよいよ森林限界だ。ハイマツも現れてきた。さらにジグザグに登っていくと、赤岩の頭に到着した。まだガスに被われていたが、時折周囲の山肌が見られるようになってきた。

 スタッフのNさんが足に怪我をしたので、Tさんと一緒に下ることにしたという報告がAさんからあった。どの程度の状況か、はっきり分からないが、捻挫や骨折ではなく、擦り傷などの外傷のようなので、大丈夫だろうと判断した。

 赤岩の頭付近は、コイワカガミやミツバオウレンの御花畑だ。群落を作って、濃い密度で咲いている。ここから上は、砂礫地で下がよく見えるので、高所恐怖症のK君はちょっと怖いようだ。しかし、頑張って登っている。

 登山道の脇には、イワウメやツガザクラ、イワヒゲ、ミヤマシオガマなどがたくさん咲くようになり、登山者を楽しませてくれる。山頂直下の岩場を慎重に通過すると、広い山頂に到着する。爆裂火口の近くまで行って下を覗いてみる。断崖絶壁の下に、硫黄分の多い斜面が広がっている。

 山頂で記念写真を撮った後、硫黄岳山荘まで行ってみる。広い斜面は気持ちよく歩ける。阿弥陀岳が見えてきたが、赤岳はあと少しで見えるところまで雲が切れてきたが、まだ山頂は見えなかった。

 キバナシャクナゲの群落を過ぎると、コマクサの群落だ。花はまだほとんど咲いていなかったが、つぼみのものがいくつかあった。楽しみだったウルップソウはしっかりと咲いていた。

 硫黄岳山荘の周囲は御花畑だ。ハクサンイチゲやオヤマノエンドウ、ミヤマシオガマなどがたくさん咲き、クロユリも二つ咲いていた。山荘で少しゆっくり休憩し、来た道を引き返す。ふり返ると赤岳の山頂が姿を現した。
 硫黄岳は山頂に寄らず、そのまま下ることにした。岩場は、子どもたちの間にスタッフが入り、慎重に下った。赤岩の頭付近に来ると、赤岳や阿弥陀岳、横岳などが全て姿を現してくれた。

 下りはスリップしやすいため、子どもたちに慎重に下ってもらう。それでも、先頭に立ちたいという気持ちを抑えるのは、なかなか難しいようだ。足下に赤岳鉱泉が見え、金属製の階段を下り、沢を3つ渡ると、赤岳鉱泉に到着だ。ここで、お昼を食べ、北沢沿いの道を下る。

 堰堤のところに来ると、長い林道が始まる。途中、近道をしながら、美濃戸山荘に到着した。美濃戸口で入浴したいという希望もあったが、早く帰りたい人が多く、バスに間に合うように下ることにした。

 林道は石ころが多く、足の裏が痛くなる。子どもたちは、足を痛くしながらもがんばり、バスの発車3分前くらいに全員美濃戸口に到着した。

 今回は、梅雨の真っ最中ながら、雨には一度も降られず、赤岳などの展望もあって、恵まれた山行でした。子どもたちは、楽しい後に辛い歩きが待っていましたが、どう感じたでしょうか? 感想が楽しみです。

記:網干

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