鹿島槍ヶ岳山行報告 |
NO. |
日付 |
山名 |
参加者 |
会員 | 障害者 | 4名 |
健常者 | 8名 |
1 |
平成21年7月25日〜27日 | 鹿島槍ヶ岳 | 合計 15名 | 会員外 (賛助員含む) |
障害者 | 0名 |
健常者 | 3名 |
コースタイム: |
天候: 7/25 曇り時々雨 一時雷、 7/25 曇り後雨、 7/27 雨時々曇り |
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★7月25日 少し登ると、扇沢のバスターミナルがよく見えた。最初の登りは、ジグザグの急登で、みんなびっしょり汗をかく。ケルンまで行けば、傾斜も落ちるだろうと、高度計を見ながら登っていく。 ケルンに着くと、ガイドブックの通り、種池山荘が見えた。ここから傾斜は落ちてくるが、がれ場があったり、石畳があったりして、視覚障害者の人には歩きにくくなる。慎重にサポートして登っていく。登山道脇には、クモマニガナやシロバナノクモマニガナ、ヨツバシオガマなどが咲いていた。 水平のトラバース道に入ると、グッと楽になるが、そろそろ体力的にきつくなってくる人も出てくる。荷物を分担しながら登っていく。左手には、蓮華岳と針ノ木雪渓がよく見えるようになってくる。種池山荘もグッと近づいてくる。 しかし、この頃になると、雨と共に雷も聞かれるようになってきた。まだ樹林帯だから心配はあまりないが、近くに落ちないで欲しい。山荘直下の登りに入る前の雪渓は問題なく通過できたが、その前後のガレ場の方が厳しく、慎重に通過した。 最後の登りを頑張ると、コバイケイソウの御花畑が広がる種池山荘下に出た。雨のため、直ぐに小屋に入り、乾燥室で雨具などを乾かす。 ★7月26日 昼食後、小屋の前で記念写真を撮って出発する。 爺ヶ岳への登りは、危険なところもなく、まさに稜線漫歩だ。晴れていたら展望もすばらしいのだが、今日も、岩小屋沢岳方面はよく見え、剣立山も、雲の下に雪渓を見せている。小窓雪渓や三ノ窓雪渓が、よく見える。これから向かう冷池山荘も見えている。また、この付近は、ミヤマダイコンソウやハクサンシャクナゲが多かった。 爺ヶ岳の南峰は山頂には向かわず、巻き道を利用して、次の中央峰の山頂に立つ。雲が多く、どんよりしているが、時折日の差すところもあり、まあまあの天気だ。麓もよく見えている。 中央峰を後にして、北峰を巻きながら下っていく。冷池山荘がどんどん近づいてくる。瓦礫のところにはコマクサが咲いていた。タカネバラやコゴメグサも咲いている。黄色いスミレは、クモマスミレのようだ。 赤岩尾根への分岐を過ぎるとすぐに冷池山荘に到着する。受付を済ませ、不要な装備を預かっていただき、少し身を軽くして鹿島槍ヶ岳に向かう。 テント場を過ぎて少し登ると、お花畑が広がっていた。チングルマ、ミヤマキンバイ、シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲを中心にして、クルマユリやショウジョウバカマも咲いていた。少し行くとキヌガサソウの群落だ。樹林帯を過ぎ、森林限界を超えた山稜を登る。剣岳があと一歩で山頂が見えるところまで来たが、完全に山頂が見えたかどうかははっきりしなかった。目指す鹿島槍も、一瞬だけ南峰の頂を見せてくれた。 布引山を過ぎたところで、昼食を食べる。近くには、チシマギキョウやイワベンケイ、ミヤマクワガタ、タカネヤハズハハコなども咲いていた。 最後の苦しい登りを踏ん張り、全員が山頂に到着した。誰からともなく、バンザイの声が上がる。念願だった鹿島槍の山頂に立った人は、握手をしあって感激している。 雨の降る中を順調に下り、風の来ない東面に入ったところで休憩し、あとは冷池山荘を目指してひたすら下る。お花畑を過ぎ、テント場を過ぎると、冷池山荘の屋根が間近に見えてくる。 ここでも、乾燥室で濡れたものを乾かし、登頂を祝って乾杯とする。 ★7月27日 雨の中を爺ヶ岳北峰に向かって登っていると、なんと、剣岳が山頂を見せている。昨日の曇り空で見えなかった山頂が、こんな雨の中で見えるとは、きっと剣が、また来いよと私たちにエールを送ってくれたのだと思いたい。剣岳は、すぐに厚い雲に被われて隠れてしまった。 昨日、来た道を引き返す。危険なところはあまりないが、切れたところは注意しながら通過する。ライチョウが多いといわれる爺ヶ岳だが、今回も見ることができなかった。もう、どこかに住処を変えてしまったのか、それとも・・・。 種池山荘では、自炊室に入らせていただいて休むことができた。150円のインスタントコーヒーを頼み、体を温める。 ここから、しばらくは石が敷かれたような整備された道だが、雪渓近くのガレ場や石畳などを注意しながら、慎重に下っていく。さすがに膝の笑う人も出てきたが、頑張って下っていく。ほぼ登山口に下りる時間が見えてきた頃、タクシーを呼んだ。雨具を脱いでタクシーに乗り込み、薬師の湯に運んでもらう。短時間だったが、汗を流し、すっきりして大町の駅に向かった。 駅でも忙しく、バタバタしていたので、感慨に浸る余裕もなく、ホームに出る。天気の良くなかった3日間だったが、多くの高山植物に出会い、全員が登頂できてよかった。お疲れさまでした。 記:網干 |