鬼怒沼山行報告
NO.
日付
山名
参加者
会員 障害者
3名
健常者
8名
1
平成21年10月24日〜25日 鬼怒沼・
物見山
合計 12名 会員外
(賛助員含む)
障害者
0名
健常者
1名
  コースタイム:
10/24 女夫淵(12:20)…八丁ノ湯(14:10-14:30)…日光沢温泉(14:55)
10/25 日光沢温泉(6:55)…オロオソロシの滝展望台(7:50-7:55)…鬼怒沼(9:40-9:50)
     …避難小屋(10:05-10:20)…物見山(10:50-11:20)…湯沢出合(14:05-14:20)…
     大清水(15:05)
天候:
10/24 曇り、
10/25 曇り

★10月24日
 鬼怒川温泉の駅前で、足湯に入ってくつろいでいたが、女夫淵行きのバスがすぐに入線したため、早々にバスに乗り込む。このバスは、満員で、補助椅子全てを使っても乗り切れず、乗り切れなかった人たちは、臨時のバスを待つことになったようだ。

 バスの車窓からは、素晴らしい紅葉が眺められた。中でも、川俣湖周辺が一番見事だった。すでにこの付近がピークということは、奥鬼怒温泉郷付近はもう終わっているのではないかと思われた。

 まだ紅葉の美しい女夫淵温泉でバスを下車し、登山道へと入るが、今までの黒沢方面から登る道は通行止めのようで、鬼怒川の右岸に付けられた階段を登るところから登山道が始まる。いきなりの急登のあと、河原付近へ降りる。新しい橋を渡って鬼怒川の左岸に付けられた整備された道を歩く。

 終わりかけていると思った紅葉は、まだまだきれいだ。目を見張るほど美しい紅葉が何度も現れる。すばらしい紅葉に次々に歓声を上げながら、のんびりと歩いていく。空はどんよりと曇っていたが、青空だったら、どんなに紅葉が映えただろうか? 曇り空でも十分に満足のいくものだったが。

 八丁ノ湯に着くと、入口の広場には、真っ赤に紅葉した大きなカエデの木が立っている。あまりにも赤すぎて、本当に自然の色なのだろうかと疑いたくなるくらい赤かった。

 八丁ノ湯から10分ほどで加仁湯に到着。加仁湯は、コンクリートの建物で、ホテルのようだった。さらに鬼怒川沿いに登っていくと、左手に柱状節理の岩壁が見える。川では、カワガラスが飛んでいた。

 日光沢温泉のすぐ手前には、日光沢ノ滝がかかっている。なかなか立派な滝だった。日光沢温泉は、木造の湯治場という雰囲気の宿で、親しみを感じる。着いたら、早速温泉に浸かり、疲れを癒してから、喉を潤す。そしておいしく夕食をいただく。

★10月25日
 明け方、星空も見えたが、朝起きると曇っていた。ただ、ところどころ青空も見えて、昨日よりは良さそうに感じた。

 6時からの朝食を済ませ、出発準備にかかる。小屋の前で記念写真を撮影して、7時少し前に出発する。

 沢沿いにしばらく歩いたあと、急登が始まる。ゆっくり登っていると、日光沢温泉に泊まった他のパーティーが追い抜いていった。ジグザグの急登を頑張ると、オロオソロシの滝展望台に着く。対岸に連続した滝をかけたオロオソロシ沢が見えるが、迫力はなく、快適に登れそうに感じた。

 展望台からは、まだしばらく急登が続く。そして、左側にトラバースしていく。特に危険なところはないが、大きな倒木に足場を作った部分の周辺が、足場が狭く、慎重を要するところだった。

 次第に傾斜が落ち、緩やかに登っていく。日光沢温泉に泊まっていた若い人たちのグループが追い越していった。傾斜は緩いが、丸い石がところどころあるため、視覚障害者の人にとってはやや歩きにくいところだったのではないだろうか?

 高度計で標高を確認しながら歩いていると、地図どおり標高2,020mで鬼怒沼に飛び出した。霧に包まれているが、草紅葉の湿原が広がり、非常に気持ちがよい。ただ、風を遮るものがないため、かなり寒い。フリースや雨具を着て寒さをしのぐ。

 休憩は、風の来ない避難小屋で取ることとして、湿原の木道を歩いていく。ところどころに池塘があり、広い湿原は気持ちがよい。避難小屋で、休憩したあと、物見山に向かう。

 物見山には、鬼怒沼山への分岐から、一度少し下り、それから登りはじめる。足下には、ゴゼンタチバナの赤い実がなっていた。緩やかな登りを少し頑張ると、物見山に到着した。物見山は、別名、毘沙門山(びしゃもんやま)ともいう。木々が葉を落としているので、天気が良ければ、展望があったと思うが、時折、ポツポツと雨が当たるような天気だったので、残念ながら展望は全くなし。

 ここからは、急な下りが続くため、ゆっくり休憩できないと考え、物見山山頂で少し早いが昼食とした。遅い二人を待っていた4人パーティーは、全員合流して私たちが向かう大清水への道を下っていった。ここから大清水まで、出会った人たちはこの4人パーティーだけだった。とにかくこのコースは、人が来ない静かなコースだ。

 昼食後、大清水へ向かう物見山新道を下っていく。山頂直下から傾斜が非常に強く、とにかくぐんぐん下っていく。大きな段差や、木の根の段差、岩場もあり、変化に富んでいる。ただ、樹林帯のため、落ちたら助からないというところは数カ所だった。この道からは尾瀬の燧ヶ岳が見えると書いてあるが、今日は全く見えない。岩場などからは、展望が良さそうで、晴れていたら周囲の山が見えるのに、今回は残念だった。

 急な下りが少し息を付き、痩せ尾根となる。しかし、まだまだ急下降は続く。それでも、周囲の木々の紅葉が美しくなってくると湯沢出合が近づいてくる。湯沢には、二条の滝がかかっていて、なかなか迫力があった。

 出合からは、道が良くなり、快適に歩ける。紅葉もすばらしい。空がどんより曇っていて暗いのが残念だったが、渋い色合いを楽しみながら歩く。カラマツの黄葉、ススキ、そしてシラカバと変化があって楽しい道だ。

 たっぷりと紅葉を堪能した頃、大清水に到着した。バスの発車時間まで50分ほどあるので、近くの店で、いろりを囲んで、ビールとキノコ汁を楽しむ。店の方に、今年の紅葉はどうかと聞くと、全くダメだという。色がはっきりしないため、ダメなのだそうだ。しかし、オレンジから赤に変わるグラデーションもとてもきれいなものだった。紅葉と変化のある登山道、そして誰にも会わない静かな道を堪能できて良かった。冷えた身体には、キノコ汁と炭火が、とても温かかった。

記:網干

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