丹沢三峰山行報告
NO.
日付
山名
参加者
会員 障害者
3名
健常者
7名
1
平成21年12月12日〜13日 丹沢三峰 合計 10名 会員外
(賛助員含む)
障害者
0名
健常者
0名
  コースタイム:
12/12 三叉路バス停(8:45)…御殿森の頭(9:45-9:50)…高畑山(10:35-10:45)…
     1,047mピーク(13:15-13:25)…本間の頭(14:30-14:40)…円山木の頭(15:20-15:25)
     …太礼の頭(15:50-16:00)…丹沢山(16:50)
12/13 丹沢山(7:10)…塔ノ岳(8:30-8:40)…鍋割山(10:00-10:45)…
     後沢乗越(11:45-11:55)…二俣(12:45-13:05)…大倉(14:20)
天候:
12/12 晴後曇り
12/13 曇り

★12月12日
 今朝方まで降っていた雨が止み、曇り空の間から青空がのぞくようになってきた。三叉路でバスを降り、登山口に行こうとするが、昭文社の地図(2008年版)とバス停の一が違っていて、少し戸惑った。バス停は、三叉路の手前のため、バスの進行方向に少し進んで、70号線を歩く。登山口で自己紹介をして、登りはじめる。

 今日は、冬とは思えないくらい暖かい。歩きはじめて30分ほどで、衣類調整の要望があり、立ち休憩とする。昨夜の雨で、葉を落とした木の枝には、水滴が無数に付き、きらきら光って美しい。夏はヒルの天国となるこの付近も、今はさすがにヒルはいない。御殿森の頭を過ぎ、高畑山に登る。山頂にある展望台に登るが、周囲の木々よりもかなり低く、特に見晴がよいわけではない。それでも、仏果山や経ヶ岳、これから登る本間の頭などが見える。

 ここから、いよいよ難所の金冷やしへと向かう。北側の山腹をトラバースするところから、桟道が現れ始めた。慎重にサポートしながら進む。尾根を南側から巻くようになると、岩場も現れ始めた。足を踏み外さないように、慎重にサポートしていくと、金冷やしの看板が現れた。しかし、一番厳しい箇所は、この先にあった。両側が切り立ち、痩せたコルの向こう側に、非常に滑りやすそうな大きな岩があり、そこからすぐに桟道になっている。掴まるためのロープが固定されているが、桟道も含めて、右側に落ちたら助からない可能性が高いので、ロープで確保することにする。8の字結びを3つ作って、視覚障害者の人をサンドイッチする形になるように3人で順に登ってもらう。ひやっとする場面もあったが、何とか全員、無事に通過する。

 ここを過ぎると、それほど危険なところはなくなる。松小屋の頭付近は、山腹の南側をトラバースするが、そろそろ「腹が減った〜」という声が聞こえてきた。もう少し行ってよいところで、お昼にしようということにしたが、あまりよい場所がなく、小さな尾根を回り込むところでお昼タイムにした。

 腹ごしらえをして出発すると、すぐに平坦なところがあったが、もう過ぎてしまったことなので、仕方ないですね。
 とにかく、ここからは体力勝負だ。がんばって登っていると、どこかで見た人が道を譲ってくれる。なんと、Mさんではないか。話を聞くと、今日一日しか休みがないため、今回は参加できなかったのだが、その一日を使って塩水橋に車を置いて、丹沢山を登ってきたそうだ。しかも、丹沢山頂のみやま山荘に、私たちへの差し入れとして、水と食料を預けてたということだ。Mさんの体力におどろくと共に、感謝の気持ちでいっぱいです。本当に、山仲間アルプはすばらしい会員に恵まれているなあと、心から思います。
 しかし、このルートはとにかく静かだ。Mさんを含めて、下ってくる人4人しか会わなかった。体力的にきついコースなので、登る人が少ないのだろう。静かな山を満喫する。

 今日一番の登りでは、足が攣る人や遅れる人がでてきたが、荷物を分担して協力しあい、何とかがんばって、三峰の最初のピーク、本間の頭に到着した。計画の時間より30分ほど遅れているが、ここまで来れば、あとは急な登りはないので、時間的な目処が付く。山頂から行く手を見ると、木々の間から丹沢山が見えた。さー、がんばって行きましょう。

 本間の頭からの下りでは、一箇所梯子があり、そこを過ぎたところに岩稜的なところがあるが、金冷やしに比べるとずっと楽なので、問題なく通過する。今日は、天気がよいものの、雲が低く、遠くには雲海も見える。雲がよいアクセントになって、いろんな光景が見られた。雲に当たったスポットライトのような光が、手前の木を幻想的に浮き上がらせたり、木の間から差し込んだ光が、光の帯となって放射状に伸びたり、光の芸術を楽しむことができた。

 左手には、大山と大山三峰が見え、右手には雲海の上に、黍殻山方面の尾根が見えていた。円山木の頭、太礼の頭と順調に通過していく。時折、雲の中に入り、霧に巻かれるようになってきた。心配した時間も、ほぼ予定どおり進んでいる。瀬戸沢の頭から緩やかな登りが続く。周囲のブナもすばらしい。

 もうそろそろ山頂に着くという頃、木々の向こうにシルエットの富士山が見えた。天王寺尾根への分岐を過ぎると、みやま山荘の窓明かりが見えた。丹沢山の山頂に着くと、富士山がシルエットとなって佇んでいた。愛鷹山方面だろうか、空がまだ茜色で美しい。暗くなる前に着き、ホッとすると共に、すばらしい光景に出迎えてもらえて感激だった。私にとって、この山頂は、山を始めて最初に登った山なので、実に32年ぶりだ。当時は木が鬱蒼と茂っていて、こんなに展望はなかったと思うのだが、こんなに変わってしまったのだろうか?

 小屋に入ってくつろぎ、他の登山者の人たちとも、いろいろ話をすることができた。おいしい夕食を食べたあと、外に出ると、カシオペアなどがよく見えた。オリオン座は、東の空に低く見え、その上に牡牛座とスバルが見えていた。

★12月13日
 今日は、昨日よりも天気がよい予報だったが、残念ながらどんよりと雲って御来光は見えなかった。残念ながら富士山も見えない。6時半の朝食をいただき、7時少し過ぎに山頂を後にする。南には、これから行く塔ノ岳がよく見えていた。

 丹沢の主脈は気持ちのよい尾根だ。凍り付いているところもなく、順調に進む。昨晩、話をした女性二人が追い抜いていった。龍ヶ馬場には、ベンチがあり、塔ノ岳方面がよく見える。ただ、鹿除けの柵が痛々しく感じる。時折、日が当たり、青空も見えるようになったが、スッキリと晴れる感じはない。それでも、これから向かう鍋割山方面がよく見えていた。最後の階段をがんばって登ると、塔ノ岳に到着した。早速、雄シカが2頭、迎えてくれた。

 塔ノ岳の山頂も、残念ながら展望はなかった。寒い山頂を後に、鍋割山に向かう。ここからは、鍋割山でリーダー経験のあるNさんに、先頭をお願いする。金冷やしのところで、真っ直ぐ進みそうになったが、すぐに軌道修正して、鍋割山稜に入る。大丸で防寒着を脱ぎ衣類調整をしていると、雌ジカが3頭、近くで何かを食べていた。

 鍋割山荘に着くと、全員、鍋焼きうどんを注文する。暖かな小屋はありがたい。小屋の前で集合写真を撮り、下山にかかる。山頂からは、真鶴岬や初島、そして伊豆半島方面が見えた。箱根の二子山も見えていた。
 後沢乗越への道は、これまでと違って、急に登山者が増える。道を譲ったり譲られたりしながら、急な尾根を下っていく。後沢乗越は、痩せた尾根のため、広くはないが、少しだけ休憩を取る。ここからジグザグに下っていく。次第に沢の音が近づき、林道が近いことを知る。

 沢に一旦降りてから、林道をさらに進む。二俣で、昼食タイムとするが、先程の鍋焼きうどんはおやつだったのだろうか? みんな、持ってきたものをしっかりと食べている。

 あとは、長い林道をぐんぐん下って、大倉のバス停に着く。予定のバスより、1本遅れたが、女性陣はしっかりと野菜を買い込んで、バスに乗った。長い道のり、お疲れさまでした。

記:網干

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