第4回自然と親しむ子ども山登り教室(燕岳)山行報告 |
NO. |
日付 |
山名 |
参加者 |
会員 | 障害者 | 3名 |
健常者 | 15名 |
1 |
平成22年7月31日〜 8月 1日 |
燕岳 | 合計 18名 | 会員外 (賛助員含む) |
障害者 | 0名 |
健常者 | 0名 |
コースタイム: 7/31 中房温泉(6:40)…第一ベンチ(7:20-7:35)…第三ベンチ(8:35-8:45)… 合戦小屋(10:05-10:35)…燕山荘(11:55-13:05)…燕岳(13:40)…燕山荘(15:05) 8/1 燕山荘(5:40)…蛙岩手前のピーク(6:10-6:15)…燕山荘(6:40-7:15)… 合戦小屋(8:00-8:10)…中房温泉(10:40) |
天候: 7/31 曇り、 8/1 快晴後曇り |
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★7月31日 中房温泉からは、いきなりの急登となる。しかし、40分ほど歩く毎に休憩するベンチがあり助かる。第一ベンチでは、水場に降りて、冷たい湧き水をペットボトルに満たした。 合戦小屋への荷揚げ用ケーブルの下をくぐると、第二ベンチに到着する。とにかく、今日はものすごい大混雑だ。燕山荘での大混雑が思いやられる。 第三ベンチは燕山荘までのほぼ半分の距離にある。ここから富士見ベンチまでは、少し距離が長い。急登が続くが、子どもたちは元気に順調に登ってくる。 今日は曇り空のため、富士見ベンチでは、残念ながら富士山は見えなかった。ここから少し登ると、傾斜がグッと落ちる。緩やかに登っていくと、合戦小屋まで「あと7分」の標識がある。さらに「あと3分」の標識を過ぎて、合戦小屋に到着。 合戦小屋は、休憩するだけの茶店だが、有名なスイカが何と言ってもおいしい。スタッフみんなで子どもたちとスイカを半分ずつ食べる。別動隊も、半分にしたり、三分の一にしたりして、分け合って食べていた。 ここからは、次々に高山植物が現れる。ウサギギク、ムカゴトラノオ、モミジカラマツ、ミヤマセンキュウ、ハクサンフウロ、ミヤマキンポウゲなどが咲いていた。 合戦の頭に登ると、燕山荘が間近に見える。展望があれば、槍ヶ岳や大天井岳も見えるのだが、残念ながら今日は曇っていて見えない。かすかに餓鬼岳が見えていた。 傾斜の落ちた岩場混じりの登山道を登っていく。ツマトリソウや、ミヤマアキノキリンソウ、アオノツガザクラ、チングルマも咲いている。チングルマは、綿毛も見られた。 燕山荘に向けて山腹をトラバースしつつ登っていく。この付近もお花畑だ。シナノキンバイ、ミヤマクワガタ、ハクサンチドリが咲き、小屋の下には、ハクサンフウロやハクサンイチゲもたくさん咲いていた。 小屋に入って、受付を済ませた後は、小屋の外で昼食とする。その後、燕岳の往復に向かう。 風化した花崗岩の道を気持ちよく登っていく。槍ヶ岳は残念ながら雲の中だが、燕岳山頂は、よく見えている。大天井岳も見えていた。足下には、コマクサ、チシマギキョウ、クルマユリなどが咲き、展望以外の楽しみをもらえる。 先に登った子どもたちは、岩の上で待っていた。燕岳山頂で、集合写真を撮る。曇っているため、残念ながら周囲の山があまり見えないが、しかし、気持ちよい山頂だ。ただ、人が多すぎて、早々に山頂から降りなければならなかった。 山頂から下り、北燕岳方面に行く。西側に広がる一面のコマクサを楽しむ。燕岳に来たら、やはりここに来ないと、得をした気持ちになれない。一面のコマクサに混じって、タカネスミレも咲いていた。 コマクサを楽しんだ後は、燕山荘に戻る。途中にある眼鏡岩では、Iさんと私と、Mさん、Tさん、Fさんが眼鏡の上に登って、記念写真を撮る。さらに下っていくと、なんと兵庫のYさんと出会った。Yさんは、合戦尾根を2時間で登ってきたそうだ。何という体力なんだろうか。感服してしまう。 燕山荘の周りには、白花のコマクサも咲いていた。テガタチドリやミヤマトリカブトも咲いている。しばらく小屋で歓談していると、槍ヶ岳が姿を現した。早速、表に出て写真撮影。 夕食は、16時30分と早かったが、オーナーのホルンを聞かせていただき、17時頃には部屋でうとうとして、そのまま眠りについてしまった。今晩は、畳一畳に2人が寝ることになる。 ★8月1日 朝食は、早く並んで4時30分から食べられた。食後は、すぐに外に出て、御来光を待つ。雲を茜色に染め、雲の中から真っ赤な太陽が姿を現した。山麓は厚い雲の中に沈み、上空好天の雲海型だ。雲は押し寄せる荒波のように、うねっている。 背後に目を向けると、槍ヶ岳や大天井岳が茜色に染まり、野口五郎岳などの裏銀座の山々も、薄いピンクに染まっている。北に目を向けると、遠くに、立山と剣岳が見えていた。燕岳の右手には、鹿島槍ヶ岳とその手前に爺ヶ岳が見える。今日は、最高の天気で、最高の展望が得られた。 今日、このまま下山するのはもったいないため、空身で大天井岳方面に30分ほど行ってみることにする。ほしいままの展望を楽しみながらの稜線漫歩だ。しかも、槍ヶ岳に向かって行くため、とてもワクワクする登山道だ。蛙岩(げえろいわ)の手前のピークで30分たったため、ここから引き返すことにする。槍ヶ岳だけでなく、穂高岳も近づき、奥穂高岳、吊り尾根、前穂高岳も見え、少し手前に北穂高岳が見える。奥穂と北穂の間には、ジャンダルムも見えていた。 名残惜しい風景に背を向け、燕山荘に戻る。途中で、イワヒバリが、岩の上でさえずっていた。私たちがかなり近づいても逃げず、しばらくきれいな声を聞かせてくれた。 燕山荘に戻り、ザックを背負って下山にかかる。この頃には、すでに立山や剣岳は雲に被われて見えず、裏銀座の山々も、ところどころ雲に包まれるようになってきた。ここより低い有明山も、雲に飲み込まれていった。 合戦の頭に着くと、槍ヶ岳や大天井岳が、まだよく見えていた。合戦小屋で休憩し、合戦尾根を下っていく。別動隊が少し遅れ気味だが、第三ベンチまでは必ず待って合流して下った。ただ、そこから先は、温泉で順番待ちになると遅くなるので、本隊と別動隊はそれぞれで行動するようにして、本隊は先に下っていく。 第一ベンチを過ぎ、急な階段を下るようになると中房温泉は近い。中房温泉に着き、立ち寄り湯に入る。中はやはり狭く、洗い場は順番待ちだった。別動隊も到着し、みんな温泉に浸かる。 帰りのバスは、2台出たが、私たちの乗ったバスは、私たちだけで貸切状態だった。 車で来たIさんとSさん、それと兵庫のYさんと別れ、大糸線の電車に乗り込む。麓は曇りで、登ってきた燕岳は見えなかったが、山の上では、快晴の空の下で、最高の展望を楽しむことができて本当に良かった。 子どもたちの脳裏には、天を突く槍ヶ岳がきっと強い印象で残ったことでしょう。 記:網干 |