第13回視覚障害者全国交流登山京都大会報告
実施日 山名 参加者 会員 障害者 4名 健常者 10名
平成24年4月6日~8日 比叡山(会場は
花背山の家)
合計 15名 会員外 障害者 0名 健常者 1名
コースタイム: 天気:
4/8 晴れ時々曇り

 13回目となる「視覚障害者全国交流登山」は、京都山の子会主催で、京都市野外活動施設「花背山の家」で実施された。参加団体は、主催の京都山の子会を筆頭に、六つ星山の会、NPO法人H・Cかざぐるま、こまくさハイキングクラブ、富山三つ星山の会、山口ささゆり会、新潟あいゆー山の会、歩く会「友遊」、四国ポレポレ山楽会、山ネット、しまね四季の学び舎、そして当法人の12団体となり、京都府山岳連名の協力もいただき、総勢約305人での実施となった。

 

 1日目は、オリエンテーションと開会式だけとなり、他の会の方々と交流を行った。

 

 2日目は、AコースからCコースの3つに分かれての登山となる。当法人は、BコースとCコースに参加した。各コースの報告は、下記の通り。登山終了後、代表者会議があり、次回14回目は、当法人が主催することになり、場所は、福島県の会津磐梯山周辺を考えていることをお知らせした。

 夕食後、親睦交流会があり、京都弁の意味を当てるクイズや、演奏が披露された。

 

 3日目は、閉会式を行い、10時に会場を後にした。

                                                                 記:網干

 

【Bコース】

 4月7日、今日は比叡山に登る日。朝5時半に目が覚め、カーテンを開けてびっくり。花背山の家は、一面の雪景色。今日の登山の心配をする。ここは標高葯600mの山の中。特に寒い所の様で、今日登る比叡山は大丈夫との事。よかった。

 

 修学院離宮道で夜行組と合流。Bコース65名の内、アルプは11名の参加。頼もしい京都府山岳会のリーダーの下、2はんは出発。

 

 京都市内は桜の見頃なのに、登山道は気温5度。霜柱もあり、まだ冬の景色。コースは危険箇所、段差もなく、アップダウンなし。ただ登りだけの登山道でしたが、しかしこのコースは平安時代、僧侶、僧兵や朝廷の勅使が通った道で、戦跡地もありました。

 

 展望の良い所からは、霞がかかった京都市街、そして琵琶湖や雪の伊吹山も見えました。

 

 比叡山山頂は、小高い茂みの中に、一等三角点848.3mを頂上とするそうです。この山は、日本三百名山に名をつらねているのに、頂上に登った感激もなく、ただ三角点のタッチをして、早々に下山してしまいました。

 

 Bコースは急坂、健脚向きとの事前の案内で、心しておりました。11名同じ2はんと云う事もあって、気持ちも軽く、サポートもいつものアルプの山行ムードで行う事が出来ました。全員登頂おめでとうございます。

                                                                記:Nさん

 

【Cコース】

 寒かったですね? 比叡山の春はまだ浅く、下界の陽気に慣れた軟弱の体には新米の修行僧のように厳しく感じられました。


「桜の季節に京都へおこしやす」の企画も加茂川の水と双六の賽のように、京都山の子会の皆様のご苦労が偲ばれました。

 

 私達はCコースで八瀬からケーブルに乗ります。ケーブル待ちの間、山口ささゆり会の方とお国自慢の花が咲きました。急勾配をケーブルで登山口へ。班の人数確認をしてトイレタイム。また人数確認をし、やっと出発したかと思ってたらストップが掛る。何故歩かないの?これが電車だったらすぐに車内放送があって状況が解るのにな?と思いながら暫く立ちんぼ。粉雪混じりの風が身体を冷やして行く。

 どうやら具合の悪い人が出たようで、同じ山の会の2人が付き添いロープウェイで山頂に向かうとか。その段取りや本部への連絡で手間取ったらしい。またまた人数確認をしてようやく出発。数分歩いて、身体が温まらないのに休憩。ここは眼下に京都の街、目を上げれば穏やかな山並みが広がっている。

 山の子会の方達が説明して下さるのですが、近くにいる人だけに聞こえる。整列して人数確認し出発。

 

 延暦寺は東塔(とうとう)西塔(さいとう)横川(よかわ)の地域からなり、西塔の釈迦堂に向って歩き出しました。

 「早い!早い!スピード違反やで?」と先頭の班に叫んでいる。私には早いとは思えず、つい前を行く班の人に混ざって歩いていると注意を受けた。

 

 「親鸞聖人ご修業の地」を通り、弁慶が担いだと言われる渡り廊下の「にない堂」をくぐり釈迦堂へ。さすがに歴史を感じる。拝観して待ちに待ったランチタイムもあっと言う間に経ち、記念撮影をして出発。

 

 「とうとう来たぞ東塔」駄洒落を聞きながら阿弥陀堂へ。赤い社が鮮やかに目に映る。ここでは水金窟の音色を楽しみました。心に濁りのある人には聞こえないらしい。

 

 いよいよ延暦寺の総本堂、根本中堂へ。靴を脱いで回廊を渡り本堂の中へ入るとお坊様の法話を聞く事が出来ました。電気カーペットの上に座ると寒さからの緊張感が解けてコックリ、コックリしそうになる。

 外に出ると世界平和、国家安泰、皇室の安寧を祈願する「御修法」があるようで美しい袈裟を纏った高僧の行列が見られた。列は根本中堂に入って行かれる。最後に菊の御紋を付けた黒塗りの車が続いた。

 駐車場に行くとBコースのアルプの仲間達と会ってご挨拶。バスで比叡山駐車場へ。車窓から見える琵琶湖が輝いて綺麗です。駐車場から山頂までは15分位に感じられました。

 比叡山山頂と言っても小高い丘のようで、一等三角点の周りを廻って下山。バスに乗り込み花背山の家へ無事戻りました。

 

 視覚障害者全国交流登山大会には始めての参加でしたか、山の会、班ごとに並んで歩くだけで、もう少し色々な方と交流が出来たらな?と思いました。また、立ち止まっての人数確認が多く、歩くスピードもゆっくりでした。

 一番歩行距離の短いコースを選んだ私達や障害を持つ方達を思っての事でしょうが、山の会ですから歩くのは慣れているので、もう少し早ければ各地を楽しめたのにと思いました。でもプロのツアコンでは無いのですから、数百人をまとめての山歩きは事故が無いようにとの大事を取る事を優先されたのでしょう。


 延暦寺のお坊様の「毎日の生活を一生懸命に生きる事が仏の道に繋がる」のお言葉が胸に響いた良い山行でした。お世話頂いた京都山の子会の皆様ありがとうございました。

                                                                記:Iさん