秋田駒ヶ岳・乳頭山山行報告
実施日 山名 参加者 会員 障害者 3名 健常者 10名
平成24年7月14日~15日 秋田駒ヶ岳・乳頭山 合計 20名 会員外 障害者 0名 健常者 7名

コースタイム:
7/14 秋田駒ヶ岳八合目(11:20)…阿弥陀池(12:50-13:10)…男女岳(13:30-13:40)…
    横岳(14:20-14:30)…八合目(15:30)

7/15 休暇村(9:00)…孫六温泉(9:40)…標高1,100m(10:40)…孫六温泉(11:35-11:45)…
    大釜温泉(11:55)

天気:

7/14 霧

7/15 雨

★7月14日

 今日は、石巻から来る4家族7人と共に、秋田駒に登る日だ。新幹線「こまち」で、盛岡を出て少しすると雨が降り始めた。やはり雨が降るのかなと残念な気持ちになるが、石巻の人たちと出会える楽しみが大きく、今日の登山に期待が膨らむ。

 

 田沢湖に小型バスが到着した。石巻からのバスに違いないと近づいてみると、引率してくださったAさんが手を振っていた。バスが止まるとすぐに中に入り、石巻のみなさんと会えた喜びに気持ちが弾む。中1で一人で参加したT.T君、小5で今回参加申込第一号のR.Gちゃん、小3のS.Kちゃん、小1のH.Kちゃん、そして女の子たちのお母さん、華やいだ雰囲気で、八合目の駐車場に向かう。

 

 八合目は深い霧の中だった。まずは自己紹介をして、出発する。感想にぴーまんさんが書いているように、お母さんたちはみんな美人で、子どもたちはみんなかわいい。T.T君は、陸上部で鍛えていて頼もしい。新しい出会いは、とにかく新鮮で、わくわくする気持ちで一杯になる。

 

 山頂で天気が悪くなると良い写真が撮れないので、まずは登山口で集合写真を撮る。そして、片倉展望地方面に歩きはじめると、ハクサンチドリ、マルバシモツケ、ミヤマダイコンソウ、アカモノ、ウラジロヨウラク、ミヤマハンショウヅル、ベニバナイチゴ等々、次々に高山植物が現れる。石巻の人たちも出会った花をカメラに収めている。霧で何も見えないけど、そのおかげで足下の花がよく見えるという言葉に元気づけられる。

 

 片倉展望地を過ぎると、ハクサンシャクナゲやオノエラン、エゾツツジなどが見られるようになる。さらに、チングルマやヒナウスユキソウ、ムシトリスミレ、ヨツバシオガマなどが見られるようになると、阿弥陀池の畔に到着した。ここで昼食タイムとする。

 

 昼食後は、木道を歩く。木道は、途中で阿弥陀池の上に付けられていて、子どもたちはそちらを少し怖がりながら歩いている。少し行くと、秋田駒ヶ岳の最高峰、男女岳への登り口となる。石の多い道から階段になり、T.T君は先頭で登っていく。その後をS.Kちゃんが元気に登っていく。エゾツツジやトウゲブキが咲き、この道も花で一杯だ。

 

 山頂に全員到着し、集合写真を撮る。周囲は霧で何も見えないが、石巻の楽しい子どもたちやお母さんたちと登れて、とてもハッピーな気持ちで一杯だった。

 

 来た道を阿弥陀池まで引き返す。浄土平方面には、残雪があった。さらに少し行くと、突然目の前に小屋が現れた。阿弥陀池の避難小屋だ。ここでトイレなどを済ませ、横岳への登りにかかる。中1のT.T君にFさんのサポートを体験してもらう。横岳の山頂に着くと、わずかだが霧が薄くなり、期待が持てそうだったが、それ以上晴れることはなかった。それでも、いくらか霧の薄い横岳山頂で集合写真を撮って下りにかかる。

 

 焼森付近は火山岩の砂礫地だ。よく見ると、コマクサが咲いている。大群落とはいかないが、コマクサに出会えてラッキーだった。タカネスミレやイワブクロも咲いていた。焼森からの下りは、砂礫地で富士山の砂走りのようだ。女の子やお母さんたちがキャーキャー言っている。とっても楽しそうだ。砂礫地を過ぎると岩の多いところを下り、沢を渡る。さらにハクサンシャクナゲの多いシャクナゲコースを下る。

 

 八合目の登山口に到着すると、S.Kちゃんは後の人たちを迎えに行ってくれるし、R.Gちゃんは走って現れた。みんな元気いっぱいだった。

 

 バスに乗り込んで、感想を聞くと、みんな楽しかったと言ってくれた。T.T君には物足りなかったと思うけど、次の月山で力を発揮してもらおう。バスに休暇村まで運んでもらい、ここで石巻まで戻る人たちをお別れする。できればまた船形山でお会いしたいですね。

 

 普段の山仲間アルプでは泊まらない高級ホテルの休暇村で、温泉に入り、おいしい夕食を食べ、やわらかな寝床に入った。

 

★7月15日

 今日は、天気予報どおり雨で明けた。しかも、雨の勢いは強い。ほとんどの人が戦意喪失で、「今日は山には登らないだろう」と言っている。しかし、昨晩の夜行バスで田沢湖まで来て、そこからタクシーで来るMさんのことを思うと、簡単には中止できない。

 

 雨が強いため、山はあきらめる方向になびき、朝食用に作ってもらった弁当を食べず、バイキングの朝食に切り替えてもらった。朝食時間の7時に、Mさんが休暇村に到着。中で待っていてもらう。おいしい朝食をゆっくり取り、最後にコーヒーも飲んでくつろぐ。「今日は山に登らないよ」という人もいたので、温泉めぐりコースに変更し、黒湯、孫六温泉と経由し、大釜温泉に行くことにする。周囲はすばらしいブナ林だ。

 

 雨は強いものの、実際に歩いてみると、それほどでもない。Nさんが、「行けるところまで行くんでしょ」と当然のように予定変更を迫る。「そうしましょう」と簡単に予定を変更して、乳頭山方面に向けて登ることにする。しかしだれからも苦情が出ないところが、柔軟性のある大人の団体ですね。

 

 ところどころぬかるんだ道をぐいぐい登っていく。ブナの実や葉がそこら中に落ちている。こちらのマイヅルソウは、すでに実を付けている。雨は時折強くなるが登れないほどではない。ただ、出発が遅かったので、帰る時間も考慮しながら、標高1,100m付近で引き返すことにする。ただ、今日も乳頭温泉に泊まる4人は、そのまま登っていくことにする。道はすべりやすいものの、危険なところはないので、大丈夫だと判断し、行ってもらうことにする。「無理をしないでね」と伝えて、私たちは下山にかかる。上に登っていった4人は、稜線まで出て、トキソウなどを見られて大満足だったと言うことでした。

 

 道がすべりやすいため、Mさんは4回も滑って転んだらしい。雨合羽が泥だらけになってしまった。孫六温泉に下りてきて、登山道脇の水で泥を流す。ここからバス停方面に歩き、バス停に一番近い大釜温泉に入って汗を流した。

 

 田沢湖に向かうバスの中では爆睡状態だった。もう1泊するため、田沢湖畔で下りるFさんたち4人とはここで別れ、2日間で帰るのは4人だけとなった。予定より1時間早い「こまち」に乗って熱帯夜の関東に向かう。

 

 石巻の人たちとの想い出や、今日の雨の中での上り下り、そしてすばらしい温泉を脳裏に焼き付け、再び爆睡状態に落ちていった。

                                                                 記:網干

 

《参加者の感想》 感謝の言葉などは省略させていただいています。

 

 朝の声出し(自己紹介)のときに「昔から秋田美人という言葉は知っていましたが、僕は今日『宮城美人』という言葉を知りました」てなコメントをしてから一日中、テンションは、上がりっぱなし!年甲斐もなく?!
 僕だけじゃないですよ。秋田駒では、みんなが華やいでいましたね。若い人が一緒にいるってそれだけで好いですよね。
 「アルプのメンバー増強をどう図ってゆくか」そんな難問だって、今回のような華やいだ山行が楽しめるなら、簡単解決間違えなしです。
 宮城から参加くださったみなさんに「ありがとう」の心を込めて、一句作ってみました。


 むらさきの シロバナジャスミン 今つぼみ

 

(紫月)の シロバナ(白花)ジャスミン(莉子) 今つぼみ
自画自賛したいところだけれど・・・分かるかな???

                                                           記:ぴーまんさん

 

【石巻のみなさんからの感想】(提出順)

秋田駒ヶ岳のちょう上にのぼるのは大へんでした。
でも、ちょう上につくとちょっときりもはれて、下がちょっと見えるようになりました。
山の空気は、とてもおいしかったです。
ちょっとおりると、雪も見えてとてもきれいでした。
ちょっと登ると、またちょうじょうに出て、くだるときは、ぢゃりみたいなところで、足をすべらせて、とまらなくなりました。
ロープをつかんだけれど、とまらなくて、大へんでした。それから、ころんでばかりでとても大へんでした。さいしょは、ついていけたのに、さいごのほうは、ついていけませんでした、
でも、お昼のおにぎりは、おいしかったです。

                                                             記:S.Kちゃん

 

 初めて山登りをしました。本当は山にも花にもそれ程興味はない自分ですが、(疲れたけれども)山登りがこんなに楽しいと感じた自分に驚きました。花もとてもかわいかったです。
 今回、娘と一緒に参加させていただきましたが、娘がこんなに「楽しかった」「また行きたい」と喜んでくれたのが、とても嬉しかったです。
 サポートしながら一緒に歩いてくださったみなさまに、とても感謝しています。ありがとうございました。

                                                             記:E.Kさん

 

 山仲間アルプのみなさんへ
 私は、山登りは、2度目となりました。秋田駒ヶ岳では、いろんな人に出会いました。花にくわしい人や鳥にくわしい人、また全もうの人にふれ合いました。花にくわしい人は、いろんな高山植物をしっていて、町にはない花でいっぱいでとてもきれいでした。鳥にくわしい人は、鳥の鳴き声で何鳥かをすぐにわかり、すごいと思いました。全もうの人は、頭が良くアルプ仲間のリュックサックをつかんで、みなさんがゆうどうをし、しじした方にすすんでいきます。とても頭がいいと思いました。石巻からきていた1人の中学生とも山登りをして楽しかっただろうと思いました。

 私は、今度船形山に山登りをするとき、みなさんとまたお会いすることを楽しみにしています。

                                                             記:R.Gさん

 

 先日は、秋田駒ヶ岳の登山に参加させていただき、ありがとうございました。
震災からためにためまくってたストレスを山にぶつけよう!!!という軟弱な思いで、参加させていただいたのに、山登りのスペシャリストが前日から来石して同伴くださり、本当に申し訳なく、また深く感謝する思いで一杯です。
当日の山は、濃霧のため、下界を・・・という訳にはいきませんでしたが、さすがは花の名峰。とにかくきれいな高山植物に会うことができ、植物の生命の強さに、ただただ感動した1日でした。 シャクナゲの美しさ、そしてコマクサの女王の品格。きれいでやわらかく、そして強く・・・品良く。女性としてみならわなければなりませんね!
アルプの会員の皆さまには、初対面とは思えない程、ごく自然に受け入れていただき、そして心よくサポートしていただきました。また視覚の方と一緒登山とは思えないスピードでの登山はびっくりでした。慣れていらっしゃるとはいえ、先頭の方の的確な誘導はとにかく感心しました。思うことが一杯で、とりとめのない文となりましたが、この出会いを大切に、またご一緒できる日があれば、山へ、山へと向かいたいと思います。本当にありがとうございました。早々

                                                              記:E.Gさん

 

 僕は、この登山に参加した当初は、不安もあったが、行く先々でかねて見たいと思っていた美しい自然や、細やかな人情に接しているうちに、その心配もなくなった。
 秋田駒ヶ岳が花の名峰で有名なのは知っていたが、実際に登ってみると、僕が想像していた以上に、珍しい植物がたくさんあり、植物の宝庫のようだった。そんな山を登っていると、疲労や悩みが吹き飛ぶようなよい気分であった。
 今回は、道に迷うこともなく、無事に登山できたのは、引率者がたのおかげです。本当にありがとうございました。

                                                              記:T.T君