実施日 | 山名 | 参加者 | 会員 | 障害者 | 4名 | 健常者 | 6名 |
平成25年3月16日~17日 | 唐松岳(丸山ケルンまで) | 合計 10名 | 会員外 | 障害者 | 0名 | 健常者 | 0名 |
コースタイム: 3/17 八方池山荘(4:10)…丸山ケルン(8:30)…八方池山荘(11:15) |
天気: 3/16 霧、 3/17 快晴(強風) |
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★3月16日 新宿から高速バスで白馬八方に向かう。ゴンドラが16時までしか運転しないと言うことを聞いたので、八方池山荘に電話をして、確認してみると、ゴンドラは16時でも、一番上のリフトは16時20分が最終だから、ゴンドラは15時半頃乗らないと間に合わないとのこと。時間通りに着けば間に合うが、大幅に遅れると間に合わないため、心配しながら向かうことになる。
バスの運転手さんは、10分ほどの遅れだというので、それなら大丈夫と思うが、高速を下りてゆっくり走っているのでヒヤヒヤしながら何度も時計を見る。「もっと急いで欲しいんだけど~」と言いたくなるが、グッと抑えて時計とにらめっこ。
何とか20分ほどの遅れで、バス停に到着し、急いでゴンドラ乗り場に向かう。ゴンドラも大勢並んでいて心配だったが、係りの方が、隙間から乗せてくださり、大変助かった。
ゴンドラの上のアルペンクワッドは、つい先程まで強風で止まっていたが、ようやく動き始めたばかりだとのこと。その上のグラートクワッドは止まっているとのこと。
アルペンクワッド終点の黒菱平からアイゼンを付けて登る。完全にアイスバーンになっていて、アイゼンがしっかり決まる。雪山に慣れていない人たちに、アイゼンを付けての斜登行の方法を教える。Cさんから、それを聞いてから楽になったといっていただき、うれしかった。
八方池山荘には大勢止まっていた。私たちは、1階の入ってすぐ左の部屋を取っていただき、明日の出発で他のグループに迷惑をかけないで済みそうだ。
夜は、霧に包まれ、少し雪も降っていたようだ。
★3月17日 早朝3時に起きて、出発準備をし、4時10分に出発する。
南にはサソリ座がとてもよく見える。真っ暗な中を、アイゼンを利かせて登るが、風がかなり強い。最初の斜面は右側が切れているので、慎重に登るが、みんなが大丈夫か心配になってくる。
トイレの建物に到着したところで、もしもの場合に備えて、全員ロープで結び合う。ロープで結び合うと、下手をすると全員落ちてしまうことになるため、もし誰かがスリップしたら、全員で止めるようにしなければいけないと伝える。
夏は八方池がすぐ下にある第3ケルンに到着し、もう少し行ってみるが、あまりの強風で、これ以上は危険と判断し、引き返すことにする。ちょうど日が昇って、山々がモルゲンロートに染まり始めたところだった。すばらしい御来光とモルゲンロートの山々を楽しむ。
八方池山荘に泊まった他の10人くらいのパーティーとすれ違い、私たちは第3ケルンで集合写真などを撮って、下り始める。しかし、早朝よりかなり風が弱くなってきたように感じる。メンバーの意見を聞くと、もっと上まで行きたいという意見がほんの少し多かったので、このまま帰ると時間を持てあますこともあり、もう少し行ってみることにして、再び登り始める。
10人くらいのパーティーもロープをつないでいる。リーダーの方とひと言言葉を交わしたが、あとでお聞きしたら、山岳ガイド「風の谷」の方たちだった。このグループは山頂まで行ったが、強風でよろめく人が多く、丸山で引き返して正解だったと言っていただいた。
下の樺で休憩し、さらに急斜面を登り、上の樺付近を登る。とにかく展望はすばらしい。目標としていた唐松岳はこの辺まで来ると見えなくなるが、白馬三山、五竜岳、鹿島槍ヶ岳、遠く、頸城や戸隠の山々、浅間山と四阿山、そして八ヶ岳、富士山、南アルプスも遠くにしっかりと見えていた。
丸山ケルンに着き、少し先のピークに登ると、今日の目標だった唐松岳がよく見えた。名残惜しいが、疲れが出始めて、強風に耐えるのはきついこともあり、ここから引き返すことにする。下っていくと風はおさまりはじめ、大勢登ってくる。
第3ケルンより下は、陽光に満ちあふれていた。風がなければ、ぽかぽか陽気だったのだろう。
山荘の手前で滑落停止の練習をする。もしもの時のために、形だけでも知っておいて欲しかった。
予定より早く下りてきたので、第一郷の湯で温泉に浸かり、八方美人でラーメンを食べて、高速バスに乗り込んだ。後立山の山々は、逆光を受けて光り輝いていた。 記:網干
《参加者の感想》 今回は新宿発10時でゆっくりバスの旅。 あとはゴンドラとリフトであがるだけということでモードはすっかりバス旅行気分。緊張感もなにもなくだらっとした雰囲気で白馬八方へ。しかしバスの時間が少しずつ遅れだして、ゴンドラ上部のリフト最終16時に乗れるのか、そこから旅行気分は崩れ去り、ゴンドラ乗り場までみんな、走る、走る。いままでこんな経験なかったので想定外なことでした。
アルペンクワッドは動いていてほっとしましたが黒菱からのリフトは動いていない。白く浮かび上がる雪の斜面をジグザグしながら登った、モードをオンにし、必死になって登る。山は予想外のことが起きる、だからどんな状況になってもすぐに頭を切り替えられるようにしないといけない。リーダーはそんなことも想定内なのか、てきぱきと指示をしている。リーダーはつらいよという替え歌があるがリーダーは責任があるからゆっくりできる時がほとんどない。いつも思うがちゃんとしたリーダーがいるからこそ、厳しい山にいってもちゃんと帰ってこれる。真剣な眼差しの中でも笑っていてくれる、そんなことがわたしたちの緊張を和らげてくれるんです。
翌日は朝が早く。4時の出発。3時起床。まだ真夜中。山荘の好意で余計な荷物は置かせてくれるということで助かりました。バスの中で手に持っていた荷物、それを自分のザックにくくりつけて登ってくださったCさん、ありがとうございました。
空は満天の星。リーダーがあれがさそり座だよと教えてくれる。出発してから1時間ほどで東の空が赤く染まってきた。なんとも赤、ピンク、オレンジ、なんとも言えない色。なんて壮大なんだろう、しばしみとれる。端正で凛々しい鹿島槍、黒菱を隠した五竜岳も姿を現す。かっこいい。 右をみれば白馬三山が相も変わらず、壮大にそびえ立っている。白い峰々がほんのり赤く染まってみえる。太陽が昇るとほっとする。あ~生きててよかったと思う。風が強いのでなにもかもが見える。本当にすばらしかった。その臨場感はたとえようがない。その中で人は木から剥がれないように必死にぶら下がっている葉っぱのようなもので自然の中ではなんとも微力だ。強い風がくるとよろっとさせられる。
リーダーがザイルを出してくれた。リーダーはだれかが滑落したら全員で止める んだよ~と風に負けないように大きな声でいっている。
残念ながら剣岳の見える稜線までいけなかったが、山はまたいける、生きてればまたいける。自然の猛威と自然の優しさ、両面を数時間で感じさせてもらいました。またきます。そのときは優しい風でむかえてくださいね。
記:S.Kさん |
唐松岳(丸山ケルンまで)山行報告