実施日 | 山名 | 参加者 | 会員 | 障害者 | 0名 | 健常者 | 8名 |
平成26年8月2日~4日 | 鹿島槍ヶ岳 | 合計 8名 | 会員外 | 障害者 | 0名 | 健常者 | 0名 |
コースタイム: 8/2 扇沢(11:50)…ケルン(13:15)…種池山荘(16:25) 8/3 種池山荘(6:30)…爺ヶ岳南峰(7:10-7:25)…冷池山荘(9:00-9:20)… 鹿島槍ヶ岳(12:10-12:30)…冷池山荘(14:10) 8/4 冷池山荘(5:35)…種池山荘(8:10-8:30)…扇沢(11:30) |
天気: 8/2 曇りのち雨 8/3 曇り一時晴れ 8/4 雨後曇り |
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★8月2日 信濃大町からジャンボタクシーで扇沢の爺ヶ岳登山口に向かう。麓から見た北アルプスはどんよりとした雲に覆われていて稜線がほとんど見えなかったが、近づくとある程度稜線は見えていた。
登山口から柏原新道を登る。最初はなかなかの急登だ。今回、唯一の子ども参加者のSちゃんもがんばって登っている。ケルンに着くと、今日の目的地、種池山荘が稜線に見えるようになる。足下はちょっとした岩場なので、注意して通過する。
次第に水平道となり、石畳へと進んでいく。登っていくと次第に種池山荘は見えなくなってくる。このコース一番の危険地帯である、ガレ場を無事に通過し、雪渓も無事に通過した。最後の急坂にかかる頃、雨が降り出してきた。ここまで来れば危険なところはないので、雨具を付けないでSちゃんとどんどん登っていく。さすがに疲れが出たようだが、Sちゃんは元気いっぱいだった。
種池山荘に着くと、今まで見えていた針ノ木岳の右奥に多くの雪を抱いた山が見えてくる。すぐに立山連峰であることが分かる。こちらの雪の量とは雲泥の差だ。
種池山荘に入って、受付を済ませ、部屋に行く。部屋は我々の他にご夫婦が一緒だった。明日は、きっと良い天気になると信じて、眠りについた。TさんとKさんは、それぞれテント泊だ。
夜半、トイレのついでに外に出てみると、満天の星空だった。
★8月3日 上空に雲は多いが、まずまずの天気で夜が明ける。種池山荘からは日の出が見られなかったが、あかね雲の下に富士山や八ヶ岳などを見ることができた。
昨日の到着が遅かったので、朝食は第2弾の6時からとなった。今日は時間的には余裕なので、6時朝食でも問題ないが、午後には雲に覆われて山頂からの展望がなくなるのではないかと心配する。KTさんは、前日、遅れたので、今日もみんなに迷惑をかけることを心配して、今日も種池山荘に連泊するという。冷池山荘まででも一緒に行きませんかと言うが、やめておくということで、KTさんを残して出発する。
爺ヶ岳に向けて少し登ると今まで見えなかった剱岳がよく見えるようになる。さらに登ると、槍穂高連峰も見えてくる。今日は雲が多いが視界はすばらしい。
そろそろ休憩したいという意見が出てきたので、爺ヶ岳の南峰に登って休憩することにする。山頂からの展望はすばらしい。これから登る鹿島槍がどーんと控え、剣岳、立山連峰、針ノ木岳、蓮華岳、薬師岳、槍穂高連峰、そして、遠く南アルプス、富士山、八ヶ岳、頸城山群と360度の展望だ。東側を見ると、太陽の光を逆光で受けた山々や雲が神秘的な美しさを魅せている。一眼レフカメラのバッテリーがなくなってしまい、きれいに写真が撮れずに残念だ。
南峰と中央峰のコルは、コマクサの群落がある。中央峰には、Tさんだけが登ってみた。他のメンバーは先を急ぎ、トラバースしていく。北峰を過ぎると数年前にも咲いていたタカネバラが、今回も迎えてくれた。小さな米粒くらいにしか見えない花を付けるヒメコゴメグサ(姫小米草)もたくさん咲いている。
赤岩尾根への分岐を過ぎ、コルまで下って少し登ると冷池山荘だ。宿泊の手続きをして不要な装備を預かってもらって山頂を目指す。
Tさんは今日もテント泊。少し離れたテント場で1人で止まることになる。昨晩寝不足だったKさんは、今日は山荘に素泊まりすると言う。
テント場を過ぎるとお花畑になる。チングルマやミヤマキンポウゲ、シナノキンバイなどがたくさん咲いている。残雪も少しあった。
次第に傾斜がきつくなり、布引岳への登りにかかる。振り返ると東側を山旗雲に覆われた爺ヶ岳が見える。布引岳に着くとこれから登る鹿島槍ヶ岳の南峰がまだ雲に包まれずに見えた。また、北西側に目を向けると、富山湾とその向こうに能登半島がくっきり見えている。この季節にこんなにはっきり見えるのは、少し異常な天気だ。
すぐそこに見える山頂もなかなか着かない。私は腹の調子が悪く、ハイマツの中に潜って用を足す。Sちゃんは、高山病の症状が出てきて、頭が痛いという。ペースもがくんと落ちてきた。それでも、一所懸命にがんばっている。
調子の良いKMさんが先頭で山頂に立ち、頭が痛くてもがんばったSちゃんも他のみんなも山頂に立った。昨日から抜きつ抜かれつして同じペースのでぼってきた男性4人組は、1人調子が悪くて引き返したようだが、残りの3人も山頂に登ってきた。
残念ながら山頂は霧に巻かれて全く展望がない。少し休んで元気になったSちゃんは、冷池山荘のチョコレートケーキが15時までしか販売していないので、早く下ろうという。花より団子ですね。
Sちゃんの思いもあるが、展望のない山頂に長くいる必要もないので、早々に下山にかかる。
Sちゃんも下りは順調に下ってくる。少し下ると展望も出てくる。今朝まで泊まった種池山荘も時折見えるようになる。冷池山荘に14時10分到着。山荘の喫茶室で、KMさんが買ってきてくださったチョコレートケーキと珈琲をいただく。Sちゃんは、頭が痛いようで、あまりチョコレートケーキを食べずに部屋で横になって休んでいた。
夕食後は、自炊室で、他のパーティーの人たちとTさんが持ってきてくれた歌集を参考に、歌合戦が始まった。
Sちゃんと夜2時頃星を見に行こうと話していたが、少し前に外に出てみて雲に覆われ全く星が出ていないことを確認したので、2時に外へ出るのは止めた。
★8月4日 朝起きると、空はどんよりとした雲に覆われている。こう言う時には朝焼けが見られるかもしれないと外に出たが、雨がぽつぽつ降ってきたので、小屋に戻った。
5時に朝食を食べ、5時35分出発。歩き始めは雨が降っていなかったが、赤岩尾根の分岐付近で降り出したため、全員雨具を着る。さすがに今日は展望がない。高山病の影響が出ているSちゃんには、爺ヶ岳の登りはかなりきつかったはずだ。それでもがんばって登っている。すると、西側に虹が現れた。少しだけ日が差した時にはブロッケンも見られた。自然がSちゃんを応援してくれていたのだろう。とてもうれしいプレゼントだった。
こんな天気の時は、ライチョウが現れるはずだと思って目をこらしていたが、なかなか姿を現してくれなかった。それでも、爺ヶ岳の南峰を過ぎたところで、黒っぽいライチョウを見つけることができた。すぐ近くに雄のライチョウもいた。遠かったためきれいには見えなかったが、それでも見られてラッキーだった。
種池山荘に着くと、しっかりと出発準備をしたKTさんがいた。我々もトイレを済ませて出発準備をする。私はSちゃんの安全確保に努めるが、KTさんの確保はCさんやKSさん務めてくださる。
雪渓を過ぎ、ガレ場を過ぎて、ホッと一息。Sちゃんは下りは絶好調。KTさんも確保のおかげで順調に下ってくる。ケルンで一休みし、そこでジャンボタクシーに下に着く時間を連絡する。
20人以上の大パーティーがいたため、少し時間がオーバーしたが、先頭は予定通りの時間に登山口に降り、タクシーに乗り込んだ。運転手さんの好意で、薬師の湯に入る時間、待機していていただいた。大糸線は混んでいて座れなかったが、松本からの特急は全員座って家路につくことができた。がんばったSちゃんといろんなサポートそしていただいたみなさんに感謝しながら、新宿駅で特急を降りた。
記:網干 |
第8回自然と親しむ子ども山登り教室(鹿島槍ヶ岳)山行報告