第9回自然と親しむ子ども山登り教室(平標山・仙ノ倉山)山行報告
実施日 山名 参加者 会員 障害者 0名 健常者 9名
平成27年7月4日~5日 平標山・仙ノ倉山 合計 11名 会員外 障害者 0名 健常者 2名
コースタイム:
7/4 平標登山口バス停(12:45)…平標山ノ家(15:05)
7/5 平標山ノ家(6:15)…平標山(7:10-7:20)…仙ノ倉山(8:20-8:35)…平標山(9:30-9:40)…
   平標山ノ家(10:20-10:40)…平標登山口バス停(12:25)
天気:
7/4 曇り
7/5 曇り

☆7月4日

 梅雨のこの季節、週間天気予報は日替わりで変わってくる。しかし、関東よりも梅雨前線から遠い上越国境は、それほど荒天にはならないと読んでいた。案の定、今回の登山中は一度も雨に降られることがなかった。しかし、初日の越後湯沢駅と、平標山ノ家での夜間は雨が降っていた。少しの間、雨雲を遠ざけてくれた点の神様に感謝です。

 

 越後湯沢駅からバスに乗り、平標登山口で下車。林道の入り口で昼食タイムとする。自己紹介の後、出発する。

 

 湯沢駅を下りた時は雨が降っていたため、雨具を身につけていたが、すでに降っていないので、脱いで歩き始める。別荘を右手に見ながら登っていく。

 

 夏本番も近いこの季節、野鳥たちはまださえずっている。少し離れた梢でオオルリがさえずっている。目の良いM君が見つけた。写真はピントが合わず、撮れなかった。他にもヤブサメ、イカル、センダイムシクイなどがさえずっている。

 

 ゲート手前の水場で子どもたちは水を飲む。冷たくておいしかったようだ。林道から登山道に入る。少し行ったところに水場があるはずだが、水場が見当たらない。梅雨のこの季節に水場がないということは、もう水が涸れてしまったのだろう。子どもたちに嘘つきと言われてしまう。

 

 この登山道は木の階段が連続する。子どもたちもどこまで続くのかと不満そうだ。さすがに疲れてきたのか、5年生の子どもたちが少し遅れるようになってきた。4年生の2人はすこぶる元気。疲れを見せずに登っている。

 

 霧の中に入り、さらに霧が少し切れてきた。振り返ると、苗場山方面がわずかに見えてきた。アカモノやベニサラサドウダンなどの花が見られるようになると、平標山ノ家は近い。受付を済ませるが、Sさんが少し遅れているようだ。どうも荷物が多すぎたらしい。 それでも、少し遅れただけで登ってきた。

 

 子どもたちはトランプを出して遊んでいる。今回は、我々ともう1パーティーだけの宿泊だ。しかし、これでほぼ満員。夕食後も子どもたちは2階でトランプをしていたらしい。小屋の若旦那?が一緒に遊んでくれたらしい。若旦那に感謝です。新潟弁がなつかしく感じた。

 

☆7月5日

 夜半、かなり長い時間、雨が降っている時間があったようだが、目が覚めた5時頃はすでに止んでいた。早めに朝食を出していただき、平標山に向けて出発する。

 

 曇り空だが視界が良く、平標山も仙ノ倉山方面もよく見えている。寒いので雨具を着て登りはじめる。子どもたちも元気に登っていく。

 

 足下には、ツマトリソウ、ゴゼンタチバナ、コイワカガミなどが咲き、樹木ではベニサラサドウダンやウラジロヨウラクがたくさん咲いている。振り返ると、平標山ノ家がすでに小さくなり、大源太山がよく見えている。

 

 ハクサンコザクラが咲く湿原の向こうには仙ノ倉山が見える。左手には苗場山も見えてきた。クマザサ帯に付けられた登山道を登っていくと、平標山ノ山頂に到着する。苗場山がよく見え、志賀高原方面の山々や佐武流山、白砂山なども見え、その左奥には浅間山も見えていた。さらに榛名山、小持山、赤城山などが見える。そしてこれから向かう仙ノ倉山が間近に見える。その左奥には谷川岳から武能岳の稜線が見え、さらにその奥に尾瀬の至仏山と燧ヶ岳が見えている。さらに左に目を転じると、巻機山が見え、越後平野へとつながっていく。

 

 集合写真を撮った後は、仙ノ倉山へと向かう。この稜線は、広くたおやかで絵に描いたような稜線漫歩の道が続く。ハクサンコザクラやミヤマダイモンジソウ、ハクサンイチゲ、オノエランが咲き、ヨツバシオガマもたくさん咲いていた。

 

 振り返ると登ってきた平標山と、その向こうに山頂湿原を持つ苗場山がよく見えるようになる。クマザサの草原もきれいなカーブを描いている。私たちが山頂直下を登っている時、平標山ノ家で一緒に泊まったパーティーが山頂から下りてきた。笑顔で挨拶を交わして、我々は山頂を目指す。

 

 仙ノ倉山は、谷川連峰の最高峰。ここに立つと、谷川岳へと連なる国境稜線の山々が見えるようになるが、中でも万太郎山は立派な山容をしている。昨年秋に、この稜線を縦走してきたことが思い出される。しかし、一人で万太郎山方面から登ってきた若者は、昨日、土合駅から白毛門、清水峠、茂倉岳、谷川岳と縦走し、万太郎山下の越路避難小屋に1泊して、今日はここまで登ってきたらしい。ものすごいスピードに驚く。

 

 仙ノ倉山からの展望を楽しんで、来た道を引き返す。花を見たり写真を撮ったりしたい大人を置いて、子どもたちはどんどん先を急ぐ。それでも途中のベンチで休憩し、平標山まで戻る。Kちゃんは、もう歩きたくないとぐずる。しかし、ぐずるだけで歩けないわけではない。平標山ノ家に着くと、すでに子どもたちは小屋のご主人とトランプをしている。

 

 山口さんご夫妻と一緒に小屋の前で写真を撮らせていただき、下山にかかる。来る時はどこにあるのか分からなかったオオナルコユリを見つけた。初めて見る花だった。

 

 子どもたちと一緒に下り、さらに林道を歩いて行く。林道を歩いていると、日が差してきた。梅雨のこの季節に雨に当たることなく歩けたことに感謝です。

 

 バスに乗ると、千葉県から平標山ノ登山口に引っ越してきたというおばさんに声をかけられる。私は新潟県の出身ですというと、うれしそうにして、今度こっちに来たら家に寄っていってください。お茶くらい出すからと言って、テニスの道具を持って途中でバスを降りていった。

 

 最後に、越後湯沢の駅で風呂に入って汗を流す。さっぱりして、新幹線に乗り込むと、景色を見るまもなく、猛スピードで関東に入っていく。「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く」古い言葉を思い出す。

 

                                                                 記:網干