実施日 | 山名 | 参加者 | 会員 | 障害者 | 1名 | 健常者 | 6名 |
平成27年5月2日~4日 | 蝶ヶ岳・常念岳 | 合計 8名 | 会員外 | 障害者 | 0名 | 健常者 | 1名 |
コースタイム: 5/2 上高地(6:20)…徳沢(8:20-8:40)…長塀山(14:05)…蝶ヶ岳(15:15-15:25)… 蝶ヶ岳ヒュッテ(15:35) 5/3 蝶ヶ岳ヒュッテ(5:15)…蝶槍(5:50-6:00)…2590m(7:15-7:20)…2512m(8:00-8:10)… 常念岳(9:55-10:45)…2590m(13:15-13:20)…蝶槍(14:40-14:45)…蝶ヶ岳ヒュッテ(15:30) 5/4 蝶ヶ岳ヒュッテ(6:35)…長塀山(7:15-7:20)…徳沢(10:10-10:30)…上高地(12:30) |
天気: 5/2 快晴、 5/3 晴後曇り、 5/4 雨時々曇り |
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★5月2日 さわやか信州号で早朝の上高地に到着する。ひんやりして気持ちが良い。朝食は、バス乗り場2階の食堂で摂る。温かいうどんがおいしい。
すばらしい天気に恵まれて、上高地を出発する。いつもどおり、河童橋で使用前の記念写真。いつもながらの美しい穂高だ。
フィフィフィフィフィとさえずるゴジュウカラの声を聞きながら、徳沢を目指す。誰かが人生「五十から」と言っていたようだ。サルたちはどんどん勢力を広げているのか、上高地から見られた。数年前に来た時は、まだ芽吹きの状態の木が多かったが、今回は、新緑状態で葉を付けている木が多い。徳沢のニリンソウも、つぼみを膨らましているものが多かった。もうすっかり春だ。
徳沢からいつもながらの急登が始まる。登りはじめるとすぐに残雪が出始めたが、柔らかくアイゼンを付けるほどではない。標高2,000mの平坦地で休憩し、さらに登っていく。樹林が切れると乗鞍岳や御嶽山が見えるようになる。
長塀山は、夏は全く展望がないが、木が葉を落とし、3m近く残雪のあるこの時期は、木の間から穂高岳や槍ヶ岳が見える。妖精の池は、わずかに雪が溶けて池になっていた。池の周りの雪は溶けて流れた跡なのだろうか、幾筋もの縞模様が緩やかなカーブを描いている。
妖精の池を過ぎるとすぐに森林限界となる。雪原の向こうに、午後の日差しを受けた槍穂高連峰がすばらしい。蝶ヶ岳山頂で写真を撮り、ヒュッテに入る。夕方は、雲に夕日が遮られてあかね色に染まることはなかった。テント泊3人、小屋泊まり5人に分かれて、夜行バスで来た睡眠不足を解消する。
★5月3日 今日は、5人で常念岳を往復する。3人は、蝶ヶ岳ヒュッテに残り、ゆっくり流れる時間を楽しむことにする。
常念岳往復は、テント組が多いが、私は弁当を食べて出発する。すばらしいご来光が浅間山と四阿山の間から昇る。槍穂高連峰も鬱するピンク色に染まる。ヒュッテ周辺や山頂には多くの登山者が出てきている。
5時15分、ヒュッテを後に出発する。蝶ヶ岳の稜線は、登山道には全く雪がない。空には絹雲などが広がっているが、今日1日は好天になりそうだ。
蝶槍に着くと、私に声がかかる。以前、山仲間アルプにいたHさんと同じ会にいる方だそうだ。その方は、蝶槍で引き返して今日帰るという。こんなところで声がかかって驚いたが、お互いの無事を願って分かれる。
蝶槍からは槍ヶ岳がとても近く見える。常念岳の峰が槍ヶ岳に近いが、手前に西岳などの稜線があるため、槍の見栄えは蝶槍からの峰が良さそうだ。蝶槍からの下りも最初は雪がなかったが、残雪が現れたので、アイゼンを付ける。早朝のため、残雪は堅くしまっていて、アイゼンが小気味好く決まる。
下りきると次は2,592mピークへの登り。このコースはアップダウンが大きい。振り返ると、乗鞍岳や御嶽山が見え、蝶ヶ岳方面もよく見える。遠くには、富士山や南アルプス、中央アルプスも見え、八ヶ岳も青いシルエットになって見えている。
2,592mピークに着くと、常念岳がかなり近づいて見える。が、まだまだ遠い。大きく下って、次の2.512mピークに登る。この付近から残雪がなくなり、夏道となる。下ってきた人に聞いても雪はないという。アイゼンを外して登ることにする。
大きなピークを2つ越えてきた身には、この登りは応える。それでも、後ろを振り返ると穂高連峰や乗鞍方面の展望が元気を与えてくれる。そして、ようやく常念岳の山頂に到着する。
今まで見えていなかった横通岳が間近に見える。そして大天井岳が見え、その右奥には、剣立山連峰も見えている。その左手には針ノ木岳が黒々とした三角錐で佇んでいる。さらにその右奥には、後ろ立山の山々が見えていたが、直に雲に隠れるようになった。大天井岳の左手には、野口五郎岳、水晶岳、鷲羽岳が続き、雲ノ平も一部見えている。その左には、三俣蓮華岳と思われる白い山が見える。そして、表銀座の稜線、その奥に北鎌尾根が見え、槍ヶ岳から穂高連峰への稜線へと続く、360度のすばらしい展望が広がる。
山頂にいると持ってきたトランシーバーからCさんの声が聞こえた。蝶槍の少し向こう側の最高地点にいるらしい。遮るものがないおかげで、4km離れていてもつながった。
ここまでで体力を使ったせいかKさんが気持ち悪いようだ。ただ、休んだこととIさんが面倒を見てくれたおかげで、体調は戻ったようだ。山頂付近には、アマツバメやヒメアマツバメがたくさん飛んでいる。こんなに多くの群れを見たのは初めてだ。下手な鉄砲数打ちゃ当たるで、槍ヶ岳とアマツバメのコラボ写真を狙って、数十枚もシャッターを切る。そのうちの数枚が何とか写っていたようだ。
集合写真を撮った後は、順調に下って行く。しかし、アップダウンの多いこの稜線はさすがに苦しい。それでも、予定時間より早く蝶槍まで来た。天気が悪化しはじめ、槍穂高連峰にも雲がわいてきた。
蝶ヶ岳ヒュッテに着くと、Sさんたちが迎えてくれる。予定より1時間ほど早く戻ってくることができた。無事に戻ってきたことを祝って、ヒュッテで乾杯する。他の登山者の人たちと歌を歌って楽しんだ後は、早めに休むことにする。夜半、風が強くなり、テント組はあまり眠れなかったようだ。
★5月4日 出発準備をして外に出るとかなり寒い。天気は悪くガスに包まれている。霧雨のような雨も降っている。しかも風が強い。今日が下山日で良かった。昨日だったら気持ちが萎えていただろう。
昨日はライチョウに出会えなかったが、今日の天気なら出会えるかもと思ったが、ライチョウの姿は見られなかった。それでも、今回は、ルリビタキやカヤクグリに出会え、ゴジュウカラ、コマドリ、ミソサザイなどの歌声を聞くことができた。徳沢を過ぎた沢沿いでは、来る時数個つぼみがあるだけだったニリンソウが、多くの花を開かせている。2日間暖かい日が続いたおかげで、ニリンソウもぐんぐん成長したのだろう。ヤマエンゴサクやハシリドコロもたくさん咲いていた。
梓川のエメラルドグリーンの流れと、柔らかな新緑を楽しみながら、歩き慣れた上高地林道を上高地目指して歩く。タクシーの運転手さんの好意で沢渡の温泉に入ることができた。3日間の汗を流し、さっぱりした気持ちで帰りのあずさに乗り込んだ。
記:網干 |
蝶ヶ岳・常念岳個人山行報告