雲竜渓谷山行報告
実施日 山名 参加者 会員 障害者 0名 健常者 5名
平成28年1月31日 雲竜渓谷 合計 5名 会員外 障害者 0名 健常者 0名
コースタイム:滝尾神社(8:55)…雲竜渓谷(11:15)…雲竜瀑(12:30-13:25)…林道(13:50-14:05)
        …ゲート(15:05)
天気:晴れ後曇り

 金曜日から土曜日にかけて雪が降り、日曜日は数日前まで雨後曇りだった。実施できるか心配だったが、当日はすばらしい天気に恵まれた。東武線の車中から男体山や女峰山がよく見えている。

 

 日光駅で土浦から来たKRさんと合流して、タクシーに乗る。雲竜渓谷のゲートまでお願いしたいが、チェーンを巻きますかと聞くが、巻かないという話し。巻かなくても行けるんだと思い出発する。

 

 メイン道路は雪が溶けて普通に走れるが、林道に入るとしっかりと雪が積もっている。すでに林道の入り口から歩いている人達もいる。

 

 しばらく行き滝尾神社を過ぎるとすぐに渋滞している。車の行き違いに時間がかかっている様子。しかし、ここは何とか無事に通過。もう少し行くとジグザグの上り坂になる。運転手さんは、ここがポイントだと言うが、チェーンなしで登れるんだろうかと不安になる。案の定、坂の途中でスリップして動けなくなる。運転手さんは、ここで下りて歩いて行ってくれと言う。私たちは、歩いて行くが、タクシーの後ろには車が何台も続いている。あとは、運転手さんに任せて出発することにする。

 

 しっかりとしまった雪道を歩く。車が数台止まっている駐車場を過ぎ、さらに少し行くとゲートがあった。ゲートにも2台ほど止まっている。ゲートは二つあるが左側のゲートを越えて、林道を上っていく。最初のつづら折りを過ぎ、次のつづら折りを上る。次第に展望が良くなり、これから目指す雲竜渓谷の上にそびえる女峰山が見える。振り返ると麓の町も見えている。しかし、稜線付近には雲が出始めた。

 

 私が持っている2008年版昭文社の地図よりも林道は長く伸びているようだ。トイレのある休憩所を過ぎると沢へと下りていく。雲竜渓谷の黒い岩が行く手に見える。沢の石には雪がふっくら積もってマシュマロのように見える。崖からわき出た水がつららとなって凍っている。

 

 今日はとにかく人が多い。ツアーの団体も何組かあったようだ。沢に入ってから少し行ったところで、アイゼンを付ける。Kさんのアイゼンが靴に合わなかったが、工具がないので、ひもで結ぶだけにして歩いてもらうことにする。

 

 すぐに下りになるが、まずここで渋滞。さらに沢を渡って登りにかかるところで渋滞。初心者の人が多いからだろうか、少し急な登りも下りも渋滞になってしまう。このままでたどり着けるんだろうかと心配になってしまう。

 

 少し登っていくと、すばらしい氷瀑帯が現れた。ピッケルのピックを打ち込んでみる。がっちり決まる感触が心地よい。さらに行くと氷柱でアイスクライミングをしている人がいた。トップロープだが、そのセットのためには、その上の氷壁を登ったんだなと思う。もう私にはできないことだ。

 

 さらに少し行くと雲竜瀑があるではないか。ここが終点だったのだ。今年は、やはり氷の発達が少ない。もっとびっしり氷柱があると思っていた。まあ、ここで昼食とする。先に付いた3人の若者は、ちゃんこ鍋を作るという。いいねえ。

 

 昼食を食べていると、上で悲鳴のような声が聞こえたと思うと、雪の塊がいくつか落ちてきた。上を見ると、誰かが滑って木の幹で止まっている様子。そのうち下りてくると思っていたが、なかなか下りてこない。お昼を食べてから、ロープとソウンスリング、カラビナを持って上がってみる。女性が怖がっていたが、そのパーティーで下りられるので大丈夫とのこと。それなら戻ろうかなと思ったが、別の男性が上に腰が抜けた人がいるので行って欲しいとのこと。上がってみると、大きな木の根元にいて、下りられずにいる男性がいた。私自身のセルフビレーを取り、彼の腹にソウンスリングを巻き、ロープで確保して下りてもらう。すぐにスリップしてロープに荷重がかかる。ロープがなかったら15mほど落ちて大けがしたかも知れない。それでも、急坂を下りトラバースに入ったところで、ロープを外してもらう。無事に下りることができたようだ。

 

 下りてきたら、ちゃんこの3人組が感心していた様子。携帯パンフレットを渡して、すかさぐPR。ロープを持っていたおかげでちょっとした人助けができて良かった。

 

 私たちは、集合写真を撮ったあと、氷柱の裏に行ってみる。気温が高いので、つららなどが落ちても大丈夫なように、つららの下を避けて素早く行動する。大氷柱の横には雲竜瀑もよく見えていた。

 

 登りは時間がかかったが、下りは早い。あっという間に稲荷川展望台に着き、タクシーを呼ぶ。そこから30分ほどでゲートに到着。ちょうどタクシーが上がってきてくれたところだった。

 

 渓谷に入ってからはずっと曇りだったが、下りてきたら晴れ上がってきて、再び女峰山がよく見える。午後の方が陰影があってきれいに見えた。お疲れ様でした。

 

                                                                 記:網干