実施日 | 山名 | 参加者 | 会員 | 障害者 | 1名 | 健常者 | 3名 |
平成28年5月3日~4日 | 西穂高岳独標 | 合計 4名 | 会員外 | 障害者 | 0名 | 健常者 | 0名 |
コースタイム: 5/3 上高地(西穂登山口)(6:15)…西穂山荘(10:50-11:35)…独標(13:30-13:40)…西穂山荘(15:05) 5/4 西穂山荘(8:50)…宝水(9:40-9:50)…上高地(11:30) |
天気:5/3 曇り、 5/4 朝まで雨後晴れ |
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★5月3日 恒例のゴールデンウィーク個人山行は、西穂高岳独標とした。連休前半には北アルプスで多くの事故が発生したため、後半に計画していた山行を中止したグループも多いのではないだろうか? 我々は天気と相談しながら、無理をしない範囲で雪山を楽しむこととした。
夜行バスで上高地に到着。今回は帝国ホテル前で降りる。ホテルの方が、バス停まで挨拶に来て、荷物を持ってくれるという。私たちは山に登るだけなので、自分たちで荷物を持ちますと言うが、それでも持ちましょうかと気遣う青年だった。
前日に来て上高地に泊まっていたHさんが迎えに来てくれる。梓川の畔のベンチで朝食とする。雲が広がっているが、まだ日も差している。朝は寒いくらいだが、これから暖かくなるだろう。朝は野鳥たちが賑やかだ。キビタキがすぐ近くでさえずっている。歩きはじめると、ゴジュウカラやコガラ、アオジ、コマドリ、センダイムシクイ、ミソサザイなどの歌声も聞こえた。
登山口で登山計画書を提出して、門をくぐって登っていく。今回は、H君に先頭を歩いてもらう。少し速いペースだが、黙ってついて行く。足下にはニリンソウやエンレイソウが咲いている。
登山道は次第に急登となる。しかし、まだ全く雪はない。中尾根の1,950mピークで休憩する。この付近から雪が増え始める。宝水はもう流れていた。ここからはほぼ完全に雪の上となる。
雪の急坂もぐんぐん登っていく。衣笠の池近くの窪地では、14人パーティーが降りてきた。そこを過ぎて見晴らしの良いところに出ると、焼岳と乗鞍岳がよく見えるようになる。さらに登って西穂山荘手前まで来ると、これから目指す独標と、さらに高いピラミッドピークが見えてくる。
西穂山荘でお昼を食べて、独標を往復することにする。不要な荷物は小屋に置いていく。
稜線の登山道にはほとんど雪がない。一部残雪の上を通るところがある程度だ。独標とピラミッドピークが間近に迫ってくる。右手には前穂も見えるようになる。左にては笠ヶ岳と抜戸岳だ。すばらしい展望であるが、空はどんより曇ってきた。しかし、風は強いと感じるほどではない。
丸山を過ぎて、長い登りを頑張ると、目の前に独標が現れる。先行パーティーの2人組が下っているのが見える。視覚障害のあるKさんをサポートしながら岩場をトラバース気味に通過する。そして、コルにザックをデポし、空身になって独標にのぼる。岩場の登りはKさんは得意だ。スムーズに登っていく。雪は全くない。
独標に着くと、これまで見えなかった奥穂と西穂から続く稜線が見えるようになる。雪は少ないが、雪と岩の山を見るとうれしくなる。西穂の左手には、双六岳、黒部五郎岳、鷲羽岳も見えている。三俣蓮華岳は、双六岳の尾根の陰で見えないのだろう。
独標で写真を撮った後は、そのまま引き返す。下りはHさんが慎重にKさんのサポートをしてくれる。西穂山荘に着いてホッと一息。今日の西穂山荘は、4パーティー13人だけしか泊まっていたかった。何でも西穂のロープウェイが強風で止まっているため、みんな登ってこられないらしい。今日、山荘に泊まった1パーティーは、新穂高温泉から上高地まで移動して、西穂山荘まで上がってきたらしい。根性のあるパーティーだ。
★5月4日 夜半、強風の音が常に聞こえていた。相当強い風が吹いていたのだろう。しかし、雨音はほとんどしなかった。明け方になると雨音もするようになった。
テレビで雨雲の様子を見たり、小屋の気象予報士の方の解説を聞いたりして、雨が7時頃には止むだろうと予想する。思った通り青空が広がってきたぞと思うと、また雨が降り出す。しかし、確実に回復してきている。
青空が広がったところで、もう一度上まで上がって展望を楽しむこととする。雨上がりの澄んだ空気の中で、雲がどんどん消えていく。焼岳や乗鞍岳がすっかり見えるようになり、笠ヶ岳も見えてきた。前穂高岳も見えてくる。双六岳方面はすっかり青空だ。まだ雲が広がっている奥穂方面も次第に雲が消えていく。
丸山まで登って展望を楽しみ、下山にかかる。最高の青空と展望に出会えて、とてもラッキーだった。下から山荘に泊まった他の人たちも登ってきた。しかし、いつの間にか雲が流れてきて周囲の山を隠す。その雲も30分もすればとれただろう。私たちは、西穂山荘の上にある雪の斜面でグリセードを楽しむ。
青空とまぶしい陽光に照らされて、雪の斜面を下って行く。登りとは比べものにならないほどの短時間で。今回は、下りの時に慎重にアイゼンをつけたKSさん以外は、アイゼンと雨具は一度も使わなかった。
急坂を頑張って下り、上高地に到着。急に人が増える。完全な観光地だが、上高地はやはり別世界。アオジが黄色いおなかを見せてさえずっている。
いつものアルペンホテルの風呂に入って汗を流してバス停に向かう。足早に歩く私たちの頬を気持ちよい薫風が流れていった。
記:網干 |
西穂高岳独標山行報告