米山・刈羽黒姫山山行報告
実施日 山名 参加者 会員 障害者 1名 健常者 6名
平成28年5月14日~15日 刈羽黒姫山・米山 合計 8名 会員外 障害者 0名 健常者 1名

コースタイム:
5/14 黒姫キャンプ場(9:55)…刈羽黒姫山(11:20-12:10)…黒姫キャンプ場(13:00)
5/15 水野林道登山口(8:50)…しらば避難小屋(9:55)…米山(10:35-11:40)…
    ロマンスヒール(13:05)…大平登山口(14:00)…米山駅(15:15)

天気:
5/14 曇り、
5/15 快晴

★5月14日

 今回は越後平野に聳える名峰米山と、米山の近くにある刈羽黒姫山を計画した。1日目は刈羽黒姫山を目指す。

 

 十日町駅からジャンボタクシーで黒姫キャンプ場へ。そこから往復する。駐車場には早速、タチツボスミレやオオバキスミレ、ヒロハテンナンショウなどが咲いている。ワラビやゼンマイもある。

 

 登山道にはオオイワカガミが多い。少し登ると山間部の奥まで入り込んで田畑がある。人里離れた山奥に小集落を作り農作業を行っている。祖先は落ち武者だったのだろうか?

 

 山から下りてきたグループが、上は霧の中で何も見えなかったという。ようやく霧が晴れてきたので「良かったね」と言って下って行った。

 

 登っていくと、距が非常に長いナガハシスミレやスミレサイシンの花が見られるようになる。周囲は美しい新緑のブナ林が広がっている。オオルリやキビタキ、センダイムシクイ、ヤブサメ、ツツドリ、ミソサザイなどの歌声が聞こえる。

 

 山頂直下にある鵜川神社を通過し、さらにがんばって山頂に到着。雲は少なくなり、展望が利くようになっていたが、空気中の水蒸気が多く遠くまでは見えなかった。それにブヨなどの虫が多い。早速2カ所ほど刺されてしまった。

 

 山頂で集合写真を撮って下山にかかる。登ってくる途中で見逃したヒメシャガの花を教えてもらいながら下った。運良く枯れ木の梢でさえずるオオルリを見つけることができた。

 

 黒姫キャンプ場に降りてきて少しすると、少し早めにタクシーが来てくれた。十日町駅まで戻り、そこからほくほく線で犀潟駅まで行き、さらに信越本線で上下浜まで行く。そこから歩いて今日の宿へ。

 

 宿に着いてから、海を見に行く。砂浜の浜辺では釣りをしている人たちがいた。佐渡島は見えなかったが、直江津のコンビナートは見えていた。宿への帰り道で、ハマナスの花も見られた。

 

★5月15日

 今日は本命の米山だ。宿までジャンボタクシーで迎えに来てもらい、水野林道登山口まで行ってもらう。宿を出るとすぐに、米山の端正な姿が望まれる。三角錐の山らしい姿をした山だ。麓には水田が広がり、心安らぐ風景が広がっている。

 

 水野林道終点の登山口も非常に展望の良い場所だった。妙高山方面もうっすらと見えていたのだが、山名までははっきり分からなかった。麓には頸城平野が広がっている。日本海もよく見えている。今日は、新潟の最高気温は26℃の予報。かなり暑くなりそうだ。半袖で歩きはじめる。

 

 一面のブナ林だった刈羽黒姫山と少し雰囲気が違うようだ。しかし、登るにつれてブナが増えてくる。オオイワカガミはどこまで行っても群落が広がっている。ギフチョウも舞っている。ミツバツツジも咲いている。しかし、急な階段が次々に現れる。美しい緑を楽しみながらも、がんばって登らなければならない。

 

 下牧方面への分岐には、白花のオオイワカガミも咲いていた。ここから少し行くと避難小屋がある。元気なおじいさんが降りてきた。

 

 鎖の手すりがつけられた岩場の痩せ尾根を過ぎ、山頂に向かってぐいぐい登っていく。今日も相変わらずブヨが多い。Kさんから虫除けスプレーを貸してもらう。しつこい虫たちはスプレーもなんのそので、すぐに襲いかかってくる。しかし、負けてはいられない。ひたすら登るだけだ。

 

 ようやく、山頂に到着する。山頂は虫の大群で、恐ろしい状態になっている。避難小屋に入ると虫は少ないので、中で昼食タイムとすることにする。避難小屋にある登山者名簿に名前を書く。お昼を食べ始めた頃、新潟アイユーのSさんが山頂に到着した。約2年ぶりの再会を喜び合う。すると、なんとSさんはトマトとイチゴのパックを持ってきてくださった。こちらからは何も準備していなかったので、恐縮しつつも、最高においしいごちそうをいただく。

 

 虫を無視して山頂でSさんと一緒に記念写真を撮る。そして日本海や柏崎方面、米山駅方面、頸城平野方面、昨日登った刈羽黒姫山方面の写真を撮り、Sさんと一緒に大平口コースを下山する。

 

 Sさんは米山には何十回も登っている。米山の主と言っても良いのではないか? 植物や山菜のことも詳しい。後ろのグループはいろんなことを教えてもらいながら下っていたようだ。

 

 今年は2週間ほど季節が早く進んでいるらしい。ショウジョウバカマがたくさんあったが、すでに花期は終わっていた。しかし、ブナの新緑はすばらしい。水野林道からのコースも急坂が続いていたが、こちらも急坂の連続だ。痩せ尾根やはしごもある。M君の様子を見ながら下って行く。M君は本当に歩き方がしっかりしてきた。

 

 どうしてそんな名前が付いたのか分からないが、ロマンスヒールを過ぎ、二ノ字に着く。振り返ると、登ってきた米山の山頂がよく見える。

 

 さらにぐんぐん下って大平登山口に到着する。そして、駐車場でSさんとお別れとなる。Sさんは車に乗って颯爽と帰って行った。私たちは、舗装道路の長い下りが待っている。それでも、ハルジオンに止まるシロチョウの仲間や、芦原でさえずるオオヨシキリを楽しみながら米山駅を目指す。

 

 米山駅からは、日本海がよく見える。海抜は数メートル。993mの米山山頂から山頂とほぼ同じ標高差を降りてきた。駅のホームから登ってきた米山が、ひときわ高く聳えているのが見えた。

 

                                                                 記:網干

 

《参加者の感想》

 活力を感じる2座でした。そびえる木々も足下の草花も、虫も鳥も動物も(熊の痕を見ました!)活き活きとしていました。

 日本海を見下ろす米山、愛されるのが分かります。見る聞く感じるのが忙しく…感動を頂きすぎるとこんな風に無になるのかと…山の懐に抱かれたようで、大満足です。Sさんのガイドにも感謝しますm(_ _)m

 息子は米山が良かったそうです。暑い中、急勾配が続きましたが、楽しげに、登山道を進んでいたのは、山の持つ「気」が、心地よかったのかもしれません。良さを五感で受け止めたようでした。

 暑さも山では文句までにはならないのに…下山後の駅までの林道は…さすがに長かったぁ…(*_*)

 写真のアップが楽しみです。改めてゆっくり見たいものが沢山あります。


                                                               記:F.Iさん