白砂山山行報告
実施日 山名 参加者 会員 障害者 3名 健常者 4名
平成29年6月10日~11日 白砂山 合計 7名 会員外 障害者 0名 健常者 0名
コースタイム:
6/10 野反峠(12:20)…八間山(14:20-14:30)…野反湖キャンプ場(16:15)
6/11 野反湖キャンプ場(5:25)…地蔵峠(7:25-7:30)…堂岩山(8:50-9:00)…白砂山(10:50-11:30)
   …堂岩山(13:35-13:40)…地蔵峠(16:05)…野反湖駐車場(17:05)
天気:
6/10 曇り後雨
6/11 快晴

★6月10日

 天気予報がころころ変わり、雨予報だった日曜日が晴れになり、晴れ予報だった土曜日が曇りのち雨になった。日曜日が晴れになったのはうれしいが、土曜日はいろんな花に出会うのが楽しみ。雨が降ると写真が撮れなくなるので、花の写真を撮るときだけでも降るなと願って出発する。

 

 東京は30℃を越すという予報だが、野反峠は肌寒い。とても半袖ではいられないので、長袖に着替えて出発する。

 

 少し登ると、シラネアオイの群生地がある。そこまでの道も、ムラサキヤシオが咲き、コマクサも一株だけ咲いていた。コイワカガミは今が旬。たくさん咲いている。

 

 シラネアオイは終わりかけていたが、まだ痛みの少ない旬のものもあり楽しめた。ミツバオウレン、ミツバツチグリ、ナエバキスミレ、ヒメイチゲ、ツマトリソウ、レンゲツツジなど、次々に現れる花たちを楽しみながら登っていく。時々ぱらっと雨が降るが、本降りにはならず、カッパを着るのも寒さしのぎにちょうど良いくらい。

 

 浅間山や草津白根山もうっすらだが見えている。クマザサの広がる草原の道を登っていくと八間山に到着する。キャンプ場の人に聞いたら「はちけんざん」と読むらしい。山頂からは、明日登る白砂山方面も何とか見えていた。

 

 八間山からは芽の尾根を下り、キャンプ場を目指す。最後は車道を歩き、野反ダムを過ぎたところにある野反湖キャンプ場まで行く。キャンプ場に着く頃には本降りの雨になっていた。受付を済ませ、バンガローに入る。いつもながらの憩いのひとときを過ごして、備え付けの布団に潜る。布団1枚ではとても寒かった。薄いダウンジャケットを着て寝たがそれでも寒かった。

 

★6月11日

 今日は、すばらしい天気で朝を迎えた。お湯を作って朝食を食べ、予定より25分遅れの5時25分にキャンプ場を出発する。野反湖の向こう側に昨日登った八間山が見える。すがすがしい朝は、白樺が青空に映えて美しい。駐車場で準備体操をする学生達の先を歩く。

 

 まずは山腹を歩き、ハンノキ沢にかかる小さな橋を渡る。さらに行くと、ロープが張られた崩れかけている斜面をトラバースする。さらに小さな沢を渡って地蔵峠への登りにかかる。ここは最初の急登となる。尾根に上がり、少し行くと地蔵峠に着く。登山道から少し離れたところにお地蔵さんが奉られていた。お地蔵さんの前にはツバメオモトが咲いている。

 

 地蔵峠の次のピークは地蔵山だが、標識がなく、山頂は判然としなかった。振り返ると志賀高原の岩菅山が見えてくる。足下には、マイヅルソウやイチヨウランが咲いている。さらに登ると、残雪が現れ、その次は長い残雪の道になった。追い抜いていった大学生達はここで道を外してしまい、少しヤブを漕いで、登山道に戻ったらしい。

 

 ようやく傾斜が落ち、堂岩山に到着する。山頂にも残雪があった。ここはあまり展望が良くない。しかし、山頂を後に白砂山方面に少し歩くと、白砂山方面が開け、すばらしい風景が見られるようになる。遠くの皇海山、武尊山、赤城山、榛名山方面までとてもよく見える。クマザサの尾根は気持ちが良い。アズマシャクナゲもたくさん咲いている。

 

 大学生達は、今日、学校に帰らなければいけないからと、次のピークの漁師の沢の頭で引き返してきたらしい。ここまで来てもったいないのではないかと思うが、判断はそれぞれだ。

 

 私たちは、気持ちの良い大展望を楽しみながら先に進む。すぐ左手には八十三山が見えるが、その右奥には左武流山が見えてくる。その左奥にはわずかに苗場山も見え始める。左武流山の左奥には鳥甲山も見える。

 

 カッコウやウグイス、メボソムシクイ、ルリビタキ、コマドリの歌声もよく聞こえていた。尾根上に見える茶色の葉をした木は、ほとんどがミネザクラのようだ。

 

 いくつかのピークを越え、白砂山への最後の登りにかかる。白い残雪を抱いた北アルプスの山々が、次第に高く見えるようになってくる。岩菅山の左手から杓子岳が見え、白馬鑓ヶ岳、天狗の頭、不帰嶮、唐松岳、五竜岳、剣岳、鹿島槍ヶ岳、立山、そして、爺ヶ岳から、針ノ木岳がよく見えるようになる。

 

 山頂直下の稜線は、山腹をトラバース気味に登るため、サポートは要注意だ。みんなしっかり登ってくる。山頂に着くと、これまで見えなかった谷川岳、尾瀬、日光、平ガ岳、越後三山方面も見えるようになる。苗場山は、山頂の高層湿原に多くの雪を残している。肉眼と望遠レンズからもはっきり分からなかったが、帰って写真を拡大してみたら、槍ヶ岳も見えていた。

 

 志賀高原の草津白根山や横手山などももちろんよく見える。昨日は多くの花を楽しみ、今日は大展望を楽しむ山旅だった。山頂から去ることができず、2時間も休んでいるという人もいた。

 

 山頂の大展望を楽しんだ後は、来た道を引き返す。時間的にはかなりオーバーし、予定のバスに乗るのは難しそうだ。Iさんがタクシー会社に電話して、野反湖まで来てもらうことにした。最初に依頼した時間では着けそうにないので、さらに時間を遅くしてもらったが、すでに近くまで来ていたらしい。最終的に待ち時間の料金も払わざるを得なかった。

 

 それでも、全員無事に登山口まで下りてこられたので何よりだ。花と大展望の山旅を終え、吾妻線に乗り込んで、帰路についた。

                                                                 記:網干

 

《参加者の感想》

 1日目の八間山は お花が沢山咲いていました。シラネアオイは勿論のこと由美子はイワカガミにあえてうれしかったです。コマクサも咲き始めていて びっくりしました。

 2日目は いよいよ白砂山です。青い空 寒いくらいの温度で 絶好の登山日和です。登っていくと雪渓があり、寒いのはそのせいなのですね!標高はあまり高くないのですが、奥にあるので登ってもすぐに下ってしまい、なかなかつきません。雪渓がたくさん残っている堂岩山を過ぎ、猟師の頭で、ようやく凛と立つカッコいい白砂山とご対面することができました。そこからの稜線にはシャクナゲお出迎えしてくれ峰桜も咲き、ときどきカッコウの鳴き声も聞こえ、青い空の中気持ち良く歩きました。

 頂上では360°の大パノラマ、あたりの山々には所々雪が残っていて自然芸の術に見とれていました。Yは、たくさんの花の名前、鳥の鳴き声を教えて頂きとても勉強になりました。気持ち良い天気の中、自然を感じながらのんびりできた山行でした。

                                                              記:Y.Fさん