登山知識及び技術向上コース(雲取山)山行報告
実施日 山名 参加者 会員 障害者 0名 健常者 5名
平成30年9月8日~9日 雲取山 合計 5名 会員外 障害者 0名 健常者 0名
コースタイム:
9/8 三峰神社(10:05)…霧藻ヶ峰手前(11:50-12:15)…白岩小屋(14:20-14:30)…
   白岩山(15:00-15:15)…雲取山荘(16:30)
9/9 雲取山荘(6:10)…雲取山(6:35-6:50)…ブナ坂手前(8:20-8:30)…鴨沢バス停(11:15)
天気:
9/8 曇り一時雨
9/9 曇り後晴れ

★9月8日
 今回は、北アルプスの霞沢岳を計画していたが、天気予報が徐々に悪くなり、安曇野や松本も、土日とも雨の予報になった。そのため、雨がほとんど降らない予報の関東で、1泊2日で登れる山を考えたところ、雲取山に行くこととした。コースは、昨年の春、計画したものの雨の予報となったため、コース変更をした三峰口からのコースで行くこととした。下山は、まだ歩いたことのない富田新道とする。

 当日の東京は、晴れていた。しかし、秩父に着く頃には少し厚い雲に覆われていた。雨は夕方少し降る予定だが、それまでは曇りのままでいくと思われた。

 秩父観光タクシーは、三峰口駅まで来てくれない。西武秩父駅から乗車して三峰神社まで行く。三峰神社の駐車場からさらにできるだけ奥まで入ってもらう。奥宮参道入口で下車して、出発準備をする。遠くの山は雲に覆われて見えないものの、視界は良好で和名倉山がよく見えていた。

 参道を歩いて行く。奥宮への分岐があるが、奥宮へは行かず、そのまま先を急ぐ。炭窯跡を過ぎ、さらに登っていく。途中で少し雨が降ったが雨具を付けるほどではなく、すぐに止んだ。

 急坂をがんばり、地蔵の祭られた地蔵峠を通過すると、すぐに三角点のある展望のよいところに着いた。ここが霧藻ヶ岳だと思い、昼食タイムとする。通り過ぎる人が、もう少し行くと東屋があるのにと言っていた。

 昼食後、尾根を歩いて行くと、秩父宮のレリーフのところに出た。霧藻ヶ峰の名前は、秩父宮が付けたとのこと。ここを過ぎると、登山道に手すりが着くようになる。そして、標識と東屋やベンチのある霧藻ヶ峰に到着する。ここには人が大勢いた。

 ここから下っていくとお清平に着く。痩せ尾根の急坂やシラビソ等の原生林の尾根では、シラヒゲソウを見つける。さらに登っていくと、前白岩山の肩、そして前白岩山に着く。廃屋となっている白岩小屋を過ぎ、きつい登りをひと頑張りで白岩山に到着する。標高は1,921mで、今日一番高い山だ。

 少し行くと鹿が現れた。K君が見つける。トリカブトも咲いていた。この付近で咲くトリカブトは、ヤマトリカブトのようだ。芋の木ドッケ付近からは、樹林の隙間から雲取山荘の赤い屋根が見えた。ということはその左上にあるピークは雲取山だ。今回初めて山頂を見ることができた。

 登山道にはダイモンジソウが咲いていたが、ほとんどのダイモンジソウが花粉をなくしている。赤いきれいな葯を残しているものをやっと探し、登山道の木道に寝そべって写真を撮る。それでもピントが甘かった。

 大ダワからは、男坂には行かず、左巻き気味に登る道を行く。小屋の手前でポツポツ雨が降り始めたが、すぐに小屋に着いた。

 小屋の方に富田新道の様子を尋ねると、多くの倒木が道を塞いで通れないという。他のスタッフの方は、通れるという。オーナーらしき方の「通れない」に従って、明日は、予定を変更して、歩き慣れた鴨沢へのコースで下山することとする。

 夜半に少し強い雨の音がしたが、比較的短時間で止んだようだ。

★9月9日
 昨日、小屋に着いたときの気温が17℃。今朝は15℃。長袖を着てちょうどよいくらいの気温だ。部屋の窓から色づく雲が見られる。小屋の前の広場は、低いために手前の木が邪魔して地平線がほとんど見えない。しかし、K君が百葉箱のある高台に行くとよく見えるという。それでも木が邪魔をしているが、小屋の前や部屋よりは良さそうなので、そこで朝焼けや御来光の写真を撮る。

 朝食後、準備をして出発する。山頂付近は、雲の中に入り、展望がなさそうだ。それでも霧が晴れることをわずかに期待して登っていく。女性陣はゆっくり登るというので、Kさん親子に先に登ってもらう。私は中間を登っていく。

 山頂に着くとやはり展望はなかったが、少しすると霧が晴れて飛龍山方面が見えるようになってきた。しかし、2,000m付近から上は雲の中だ。飛龍山の山頂も見えない。富士山も見えなかった。

 山頂で、三角標石の拓本を取っている人がいた。ここの三角点は、原三角点といって、明治16年に埋設されたもので、日本に3つしかない三角点の一つと言うことを教えていただいた。他には、新潟県の米山、下仁田にある白髪山にあるそうだ。

 山頂には、去年なかった標識が建てられていた。東京都は金持ちだなと思う。

 霧がしっかり晴れることはなさそうなので、下山にかかる。小雲取山に着くと、富田新道への分岐がある。少し後ろ髪を引かれる思いもあるが、富田新道は諦めることにする。

 少し下ると、七ッ石山や三頭山、雁ヶ腹摺山方面が見えるところに出る。天気は回復してきているようだ。

 奥多摩小屋を過ぎ、富士山方面の開けた石尾根を緩やかに下っていく。もうすぐブナ坂というところで、富士山の頭が雲の上に現れた。ここを過ぎるともう富士山はほとんど見えないので、ここで見えるまで少し待ってみることにする。雲が少なくなり、山裾付近や山頂部が見えるようになってきた。最後に富士山からご褒美をもらったようだ。

 ブナ坂からは七ッ石山に登らず、巻き道を下っていく。テント泊の若い3人組と抜きつ抜かれつ。七ツ石小屋から鴨沢間には、平将門の迷走ルートらしく、銅板で作った新しい説明板が至る所にある。こんな伝説があるとはこれまで知らなかった。

 車道に出て、鴨沢への山道をK君と二人で先に降りていく。バス停で待っているが、なかなか3人が下りてこないので、K君が迎えに行くという。K君が出かけて間もなく、車道を歩いて3人がバス停に来た。最後のところで、留浦方面に下りて、バス停に戻ったらしい。K君と行き違ってしまった。お父さんが探しに行ってくれた。

 無事に合流し、近くに店で乾杯する。12時20分発のバスに乗って、奥多摩駅に向かった。
 

                                                             記:網干