前日の天気予報では、上野原地区は日曜日の午前中までは小雨が降る予報だった。しかし、予報する会社によって、9時以降は曇りのところもある。一番悪天の予報をする気象庁は午後からの降水確率は10%。風が強い予報なので、心配もあるが実施することとする。
しかし、当日、武蔵野線が30分遅れとなり、参加予定だったSさんが参加を諦めるハプニングが発生。他の4人は問題なく笹子駅に集合。予報よりも早く回復したのか、すでに青空が広がり、太陽の光が暑いくらいだ。
Iさんがネットで調べて、笹子駅から登山口まで、ちょうどよい時間のバスがあることが分かる。舗装道路を歩きたくないので、みんながバスで移動することに賛成する。
新中橋バス停でバスを降り、すぐに登山にかかる。杉林の中に急坂が続いている。一度、尾根上に出て傾斜が緩んだが、すぐにまた急坂が始まる。
登るにつれて登山道脇にはミツバツツジの花が見られるようになる。最初はポツポツ見られる程度だったが、次第に群落となって見られるところも出てきた。天気は次第に曇り空に変わってしまっていたが、次々に現れるミツバツツジに感動しながら登っていく。
足下にはあまり花が見られなかったが、わずかにエイザンスミレとアケボノスミレの花が見られた。また、マメザクラと思われるが、小さな花を付けた桜も見られるようになってきた。
最後の急坂をがんばると山頂に到着する。残念ながら霧に包まれて展望は得られなかった。ここは、秀麗富岳十二景の山なので、晴れたら白い富士山が見えるはず。山頂標識には、プレゼントとしてQRコードが印刷されている。Iさんのスマホで読み取り、ネットにつながると、富士山の写真がゲットされた。こんな粋な計らいをしてくれたのは、地元の自治体の方だろうか?
山頂で昼食後は、笹子峠方面に下山にかかる。急な坂が多いので、慎重に下る。少し下ったところで、山頂で集合写真を撮っていなかったことに気がついた。しかし、登り返す気にはならなかった。みんなの写っている写真で代用することとする。
笹子峠への尾根も、ミツバツツジの群落が次々に現れる。この山は、ミツバツツジの山と行ってもよいくらいではないだろうか?とても楽しませてくれる。
尾根をトラバースするコースを下ったが、ここは何カ所か外傾して滑りやすいところがあった。やはり尾根の道の方が安全だったようだ。
送電線の鉄塔を過ぎ、尾根道に合流すると、今度は非常に滑りやすい土の急坂に鎖がセットされたところに出る。ここは、鎖を使って下る。4本ほど鎖やロープを使って下ると、そこが笹子峠だった。本来は、ここから甲斐大和駅に下る予定だったが、電車賃を安くすることと、笹子駅側に下った方が、見所も多いようなので、笹子駅側に下ることにする。
まずは、車道に出たところにある笹子隧道が見所。昭和11年から13年にかけて工事をして作ったらしい。歴史を感じさせる古風な作りがとても趣があって一見の価値がある。
ここから車道を下るが、ここもミツバツツジが多く楽しめる。車道から矢立の杉への登山道を下る。木に大蛇のように絡みついた蔦やミツバツツジを楽しみながら下っていく。
矢立の杉は、樹齢千年と歌詞に書かれているが、昔の武者が出陣の時にこの杉に矢を立てて武運を祈ったらしい。根元の部分も内部は空洞になっていた。
ここからさらに山道を下り、新田のバス停を目指す。バスは1時間以上待たないと来ないため、車道を歩いて笹子駅まで行くことにする。この頃にはすっかり晴れ上がり、青空が広がっていた。
記:網干 |