高速バスで、河口湖に向かう。バスの車窓から富士山がよく見える。ただ、順光のため陰影がなくのっぺりしていて写真向きの景色ではない。それでも富士山が見えるとうれしい。若者たちは、富士急ハイランドで下車する人が多く、半分くらいの人が下りていった。
河口湖で、現地集合の人たちと合流し、予約したタクシーに乗り込む。NHKのテレビ撮影中であることなど、いろいろ教えてもらえる。裏河口湖の畔を通り、西湖の北部を走って、魚眠荘に到着する。タクシーのナンバープレートを見たら、富士山の標高と同じ37-76だった。記念にパチリ。
魚眠荘前の西湖の畔で、富士山の写真を撮らせていただいて、自己紹介の後出発する。
しばらく林道を歩き、山道へと入っていく。植林帯の中の薄暗い道が続く。東入川を渡ると尾根を登るようになる。植林帯をジグザグに登っていく。
植林帯を抜け、雑木林になると、ヤマツツジが増えてきた。新緑の柔らかい緑に包まれるようになる。登山道は次第に急になるが、ヤマツツジが楽しませてくれる。さらに登ると、ミツバツツジも現れる。
山頂からの下山路となる鍵掛峠方面の尾根や山腹には、ミツバツツジの群落が見え、その付近をピンクに染めている。あそこを歩けたらよいなと思っていたら、登山道には、次々にミツバツツジが現れるようになる。
鮮やかなピンクの花を付けた木が現れたと思ったら、大きな木に満開の花を付けたミツバツツジも現れた。「これは今日最高のミツバツツジだね」とみんなで納得して見とれる。
時々樹林が切れ、富士山が見えるようになる。しかし、山頂付近を雲に隠している。今日は、湿度が高く、くっきり見えるというわけにはいかない。
シロバナのサラサドウダンのような花も見られるようになり、足下にはアカフタチツボスミレも見られるようになる。さらに登っていくと、見晴らしのよいところに出て、雪頭ヶ岳の標識があった。展望のよいここで昼食タイムとする。
途中で抜いたツアーの人たちも登ってきて、ここで昼食にするようだ。みなさんは、鬼ヶ岳から十二ヶ岳に縦走するらしい。市川市に住む人もいたので、山仲間アルプを紹介させていただいた。
雪頭ヶ岳からは、痩せ尾根となる。何ヶ所かロープの張られた所を通過する。これから行く先には、ハシゴも見えた。しかし、ミツバツツジは途切れることなく、花を見せてくれる。すばらしい登山道だ。
ハシゴを慎重に登ると、すぐに鬼ヶ岳山頂に到着する。山頂の一角に角のような岩がある。この岩が「鬼ヶ岳」の由来なんだろうか? 山頂からは、かすかに南アルプスが見えていた。近くの節刀ヶ岳や十二ヶ岳、黒岳、三ツ峠などが見える。少し休憩し、集合写真を撮って鍵掛峠方面に下る。
鍵掛峠方面の尾根も、なかなか険しい。ロープの張られた急斜面を下降する。しかし、ミツバツツジはこちらの尾根も多い。散った花びらも絨毯のように登山道を飾っている。
こちらの尾根も痩せ尾根が多く、ロープを張られた岩場が何回か現れる。振り返ると、手前のピークの向こうに、鬼ヶ岳が見えていた。久しぶりに参加したKさんが何度か足がつったが、それでも、それほど遅れずに歩いてくる。
ヤマツツジが再び現れ始めると、鍵掛峠に到着した。横に伸びた木の幹が、長椅子のように座る場所を提供してくれている。少し休憩して下山にかかる。
峠からも急坂が続く。標高が下がるとヤマツツジが多い。鮮やかな赤を楽しみながら下る。尾根から沢に下るジグザグ道に入る。めずらしいオニクが咲いていた。
林道に下り、魚眠荘を目指して歩いていると、かやぶき屋根の家が見える。その家の横には富士山も見えている。この付近は、西湖いやしの里根場(ねんば)というところで、かやぶき屋根の家が集落を作っている。古民家の軒先で集合写真を撮り、車道を歩いて魚眠荘前に到着する。朝乗ったタクシーの運転手さんが待っていてくれた。
来るときは高速バスだったが、帰りは富士急行で帰る。河口湖に着くと、富士山ビュー特急が待っていた。特急料金は400円。乗車券に比べると安い。ギリギリ間に合って、特急に乗って帰路についた。
記:網干 |