★7月27日
今回は、全員で5人の参加だが、3人は金曜日に横尾山荘まで行き、山荘に泊まる計画だ。金曜日の夜行バスで行くのは、Sさんと私の二人だけ。
台風が直撃する予報になり、この土日は雨の予報。しかし、日本気象協会の予報を見ると、安曇野市の土曜日は午前中は降らない予報。午後から雨の確率が高くなり、夜にかけて降る予報になっている。日曜日はずっと曇りの予報だ。土曜日の午後から台風の影響を受けそうなので、横尾から蝶槍に登ってヒュッテに行く予定を変更し、徳沢からの往復にする。前泊の3人は、泊まる場所を徳沢園に変更したとのこと。後で聞いたら、1泊12000円で、ホテルのようにきれいで豪華な食事だったとのこと。
私とSさんは、夜行バスで行くが、台風の予報になったことも影響したようで、バスは比較的空いていた。途中から2人分の席を1人で座って寝ることができた。
上高地に着くと、雲は多いもののまずまずの良い天気だ。食事とトイレを済ませて出発する。河童橋では、川霧の向こうに穂高連峰がきれいに見えた。
2人だけなので、足取りは軽く、良いペースで徳沢に着く。徳沢に泊まった3人は、6時に出発しているはず。ゆっくり登っていると思うので、どこかで追いつくと思ったが、蝶ヶ岳の山頂直下で、山頂から降りてくる3人を発見し、ヒュッテに同時に着く状況だった。
徳沢で休憩した後は、Sさんと急坂を登る。Sさんはなかなかのハイペース。ちょっと早すぎるのではないかと思っていたが、2010mの小ピーク手前頃からペースが落ち始めた。先頭だとどうしてもペースが速くなるので、やはり先頭の経験も必要だ。
クロジやコマドリ、ルリビタキなどのさえずりを聞きながら登っていく。長塀尾根は山頂直下まで樹林帯でほとんど展望がない。そのため、天気変化が分かりにくいが、長塀山の手前くらいで細かい雨が降り始めた。カメラが濡れることが心配だったが、カッパを着るほどではなかったので、そのまま登っていく。
長塀山の手前で下山してくる人に、登っていく3人組がどの辺にいたか聞くと、長塀山を過ぎたところで会ったと聞く。過ぎたところといってもかなり先かも知れないが、もしかして追いつく可能性もあるかなと思う。
長塀山で昼食タイムとする。長塀山を過ぎると、高山植物が増えてくる。ミヤマキンポウゲやキヌガサソウ、ツマトリソウ、モミジカラマツ、ミヤマカラマツ、ミツバオウレン等々。花を楽しみながら登っていく。細かい雨も止み、青空も見えるようになってきた。このまま晴れが続いてほしかったが、長くは続かなかった。曇り空になり、霧雨のような細かい雨も感じる。
それでも、妖精の池周辺は、いろんな高山植物が咲いているので楽しめるところだ。ハクサンチドリやテガタチドリ、クルマユリやヨツバシオガマ、コバイケイソウなどが楽しませてくれる。
さらに登ってお花畑になる頃、雨が次第に強くなってきた。それでもまだカッパは不要だった。天気の良いときは槍ヶ岳が見えるところを過ぎて登っていくと、稜線に女性2人が山頂から下っていくのが見えた。その後に、Iさんと思われる格好をした男性も見えたので、間違いないと思い、「おーい」と声をかける。こちらを見ていたので、気がついたと思ったが、後で聞いたら、声は聞こえたけど、姿は全く分からなかったとのこと。
雨も強くなってきて、カッパを着なければならない強さだったが、ヒュッテまで近いので、足早に歩いて行く。そして、小屋の入口近くでKさんに会えた。12時5分に蝶ヶ岳ヒュッテ到着。
早速、冷えたビールで乾杯する。うたの好きそうなご夫婦がいたので、一緒に山の歌っていると、後にいた若い女性が「とても楽しそうですね」と仲間に入ってきた。旦那さんも一緒で、彼も歌が好きそうで、何曲か歌ってくれた。そんなこんなで盛り上がって、いつの間にか記憶喪失になって眠りについていた。
★7月28日
夜半、小屋をたたく雨音がしていた。しかし、3時過ぎには止んでいたようで、外に出ると、ある程度の視界もあり、月の位置が分かるくらい雲も厚くなかったようだ。
4時半過ぎに起きて準備をする。みんな外に出ている。御来光は見られなかったが、霧は晴れていて、雲海やその下のキラキラ光る町の明かりも見えてきた。
30分近く並んで、5時半に朝食を摂る。小屋を出たのは、6時20分頃。蝶ヶ岳山頂で集合写真を撮る。常念岳はよく見え、大天井岳も時々姿を見せてくれる。槍ヶ岳は、もう少しで見えそうだったが、雲の中から姿を見せることはなかった。穂高連峰は厚い雲に包まれていて、見ることはできなかった。
山頂を後にして、下山にかかる。順調に下り、徳沢で昼食タイムとする。上高地である程度ゆっくり入浴できる時間を作りたいこともあり、林道は少し早めに歩いて行く。
小梨平で入浴し、隣の食堂で乾杯をしてから、バス停に向かった。計画通りのバスに乗って新島々へと向かった。バスに乗ると、すぐに眠りについてしまった。台風の影響をあまり受けずに、みんな順調に歩き通せた山行でした。
記:網干
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